3週間ぶり、今月初、今年度初の通院日である。
昨日も相変わらず痛みが続き冴えない体調だった。夕方に行われた新入生ガイダンスを無事済ませてから、思い切って瞑想ヨガのクラスに出席した。
寒さと不安定な気圧の所為か胸痛が鬱陶しく、呼吸が浅くなっていたのだけれど、1時間半の間、Sさんがリードする声に癒され、終わる頃には不思議な位心が穏やかに落ち着き、きっと明日は大丈夫!と思えるほどスッキリ身体が軽くなった。
更に、一緒にクラスを受講していた均整術師のIさんからレッスン後、先着1名限定で20分ほどプチ施術をして頂いた。気になる不調をお話したところ、全身の辛いところを早々にキャッチしてくださり、終わる頃には嘘のように楽になった。
クラスが終わっても皆、話が尽きず、Sさんに相談事を持ちかけたり、スタジオの入り口でなんとなくたむろしている。そのアドバイスを小耳にはさんでいるだけで心がほぐれていく。気付けばレッスン終了時間から小一時間が過ぎていた。
リトリート以来のお友達、HさんやIさんとお喋りしながら最寄駅までゆるゆると歩き、Hさんと同じ私鉄に乗って幸せな気持ちのまま、病院近くの常宿に前泊した。
眠りにつくのは大分遅くなったが、ぐっすり眠ることが出来た。
今朝、夫にモーニングコールをした後は、いつものように熱めの浴槽足湯で汗をかき、楽しみにしている焼き立てデニッシュの朝食を頂いた。窓の外を見れば、久し振りに青空が広がっている。本当に現金なお天気猫なもので、昨日まであれほど辛かった胸痛もそれほど感じることなく、病院を目指した。
毎年楽しみにしている病院の前の桜並木は満開。青空に映えて、本当に美しい。明日はまたお天気が崩れるというから、今日は最後のお花見日和だろう。
いつもより1時間ほど早く病院到着。自動再来受付機で出てきた受付番号は“0979”。“苦無く”と勝手に語呂合わせし、にんまりして採血受付へ。20人弱の待ち人数で待ち時間は16分とある。
コートやストールをエコバックに入れて態勢を整え、ほどなくして入室。こちらが言う前に紙テープを準備してくださったのでいい感じ、と御礼を言ったけれど、残念ながら刺針も抜針も外れで、語呂合わせどおりにはいかずじまい。今日は2本のみの採血。
相変わらずの大荷物を持ち、止血しながら診察ファイルを脇に挟んで腫瘍内科受付へ移動し、月初めの保険証チェックも済ませる。朝早いのでまだそれほど混みあっていない。いつもの席を確保して読書開始。
今日の1冊目は、藤田孝典さんの「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」(講談社現代新書)。帯には「若者の現実を大人はわかっていない 結婚・出産なんて「ぜいたく」だ 学生はブラックバイトでこき使われて学ぶ時間がない。社会人は非正規雇用や奨学金返還に苦しみ、実家を出られない。栄養失調、脱法ハウス、生活保護…彼らは追いつめられている。20万部長のベストセラー『下流老人』は序章だった!」というショッキングな言葉が並ぶ。
読み進めていきながらため息が止まらない。今夜のニュースでも報道されていたが、家賃込みで月の仕送りが8万円ほど、1日の生活費が1000円に満たないという大学生はアルバイトをしなければ生活していけない。そのアルバイトがブラックで授業に出ることもままならなくなり、心を病み、身体を壊し、・・・というケースは決して稀ではない。家賃も食費も別払いで、純粋にお小遣いが足りなくなれば、SOSを出し、愉しく部活に励んでいる息子はこの現状をどう思うだろうと思いつつ、唸ってしまった。
1時間半ほど待って、“中待合へどうぞ”の番号が電子掲示板に出る。血圧測定は98-64、脈拍は82。
中待合で20分ほど待つと、先生がお顔を出された。3週間のご報告をしようとすると「風邪は大丈夫でしたか」と。そういえば前回は風邪を引いていたのだったが、今回は胸痛のことを言わねば、と話を始めた。
「ここのところの寒さと気圧の変動、年度末年度始めの仕事の繁忙期もあり、数日胸痛が酷く、ロキソニンを1日3回飲みました。軽減しないので、コデインを飲もうかと思いましたが、今朝お天気になって収まりました。それ以外は2日ほど頭痛がありましたが概ね体調は良かったです。」と言うと、「そうでしたか、寒さと気圧・・・仕事多忙・・・」とおっしゃりながら電子カルテに打ち込んでいく。「痺れや痛みは酷くなっていないと思います。目も目薬を差して落ち着いています」とご報告。
今日の採血結果では白血球は4,400、好中球も35%なので1,500以上。肝機能・腎機能ともに正常で、今日も予定通り治療続行となった。
今日も治療が続けられるということで安堵する。再来週の造影CT撮影後、次回3週間後の診察時にその結果を伺うことになる。
その結果によりカドサイラ(T-DM1) 20回目を投与するか、治療は止めてゴールデンウィーク明けに新しい治療スタートとするか、とりあえず予定通り治療をして、3週間後に新しい治療をスタートするか、応相談とのこと。いずれにせよ次回3週間後、その場でいきなり治療変更はない。とにかくゴールデンウィークは予定通り過ごせると判り、にやにやしてしまう。
診察室での検温は6度5分。3週間分の2種類の漢方、デノタスチュアブル、ロキソニン、パタノール点眼薬、ヒルドイドローションを処方して頂き、ご挨拶をして診察室を後にした。
化学療法室へ移動し、夫やお友達に報告LINEやメール。
15分程待って、Krさんから窓際の通路側リクライニング椅子に案内された。今日は陽射しがあるので、暖かい。体勢を整えてポートの針刺しを待っていると、Okさんとニューフェイスの方がペアで見えて、針刺しをしてくださる。今日もあっという間にポートの針刺し。痛みもなく「やはりOkさんはお上手です!」と御礼を言う。
前回はこの後、薬が届かずに延々と待ったのだが、今回はそんなこともなく、Sさんが「もう届いているようなので始めましょう」と逆血チェックに見えた。
Sさんが点滴をセットされた後、ランマークの注射。気を紛らわす為に今日の受付番号の語呂合わせをお披露目したらとてもウケてしまった。後で皆に話しておきます、とのこと。そんなに面白かったかしら。まあ、小さな幸せに感謝しつつ過ごすことは色々な人に笑顔をもたらすのだな、と思うことにする。
今日の2冊目は湊かなえさんの「高校入試」(角川文庫)。数年前にドラマ放映されたものだ。湊さんがテレビドラマ初執筆したシナリオということで話題になった。毎回毎回、次回は一体どうなるの、とジリジリしながら録画して視た(夜遅い放送だったので)のを記憶している。
この小説はドラマのシナリオをベースにしながら肉付けされたものという以上に分刻みに展開し、再構築されたものだという。小説のラストはドラマとは全く違う形で描かれている。帯には「悪意は拡散する」とあるが、まさしく匿名掲示板とはそういうものなのだろう。それよりも善意が拡散してほしい、と思うのだけれど・・・。
そんなわけで、今日は順調にカドサイラ(T-DM1)の19回目の投与。
終了後の血圧測定はSさんが来られて、98-59、脈拍も59と問題なし。抜針もSさん。お名前のとおりとても静かに針を抜いてくださるので、本当に痛みも衝撃もない。「やはり“苦無く0979”の日でした」とご挨拶して化学療法室を後にする。待合で20分ほど会計を待つ。自動支払機へ移動して、採血、点滴、注射の3割負担、13万円強をカードで支払う。
外に出ると少し日が陰ってきてはいるものの、コートが要らないくらい暖かい。川を挟んだ桜並木の芝生やベンチで、ランチタイムやお花見宴会中の方たちが一杯だ。薬局では7,8人の方が待っていたが、やはり順番を抜かされてかれこれ1時間近く待った。目薬とローションを少な目にしたため3,000円に満たず、現金払い。
今日は、前泊のお蔭で到着が早く、大きなトラブルもなかったので病院と薬局の滞在時間は合わせて5時間強。駅ビルのランチタイムにも悠々間に合った。駅ビルには「桜満開、8周年」と垂れ幕が沢山かかっていた。そう、私がこの病院に通い始めた時分は工事中で、駅周辺でランチを摂れる所は今ほど恵まれていなかった。
この駅ビルが華々しくオープンしてからもう8年経ったのだな、としみじみ。当然、再発治療を開始してから8年以上が経ったということである。白血球も低くなかったことだし、久し振りにお寿司屋さんのカウンターで日替わりのランチを頂いた。
帰路の電車でも席を確保し、途中ちょっとウトウトしながら2冊目を読み切った。
乗換駅で買い物をしつつ最寄駅に到着。荷物が多く、まっすぐタクシー乗り場へ。もろもろ片付けて、ちゃんと夕食を作った。
何をしたわけでもないのにやはりグッタリ疲れている。今日も痛まないうちに早く休み、あと2日、無事に乗り切らなくては。
昨日届いていた今月1回目のお花はピンクとオレンジのカーネーションが合わせて5本、マーガレットが3本、ミスカンサスの葉が2本。花言葉はそれぞれ「女の愛」、「真実の愛」ということで、愛が溢れている。ちょっとボリュームに乏しいのが残念だけれど、春らしい花束である。
昨日も相変わらず痛みが続き冴えない体調だった。夕方に行われた新入生ガイダンスを無事済ませてから、思い切って瞑想ヨガのクラスに出席した。
寒さと不安定な気圧の所為か胸痛が鬱陶しく、呼吸が浅くなっていたのだけれど、1時間半の間、Sさんがリードする声に癒され、終わる頃には不思議な位心が穏やかに落ち着き、きっと明日は大丈夫!と思えるほどスッキリ身体が軽くなった。
更に、一緒にクラスを受講していた均整術師のIさんからレッスン後、先着1名限定で20分ほどプチ施術をして頂いた。気になる不調をお話したところ、全身の辛いところを早々にキャッチしてくださり、終わる頃には嘘のように楽になった。
クラスが終わっても皆、話が尽きず、Sさんに相談事を持ちかけたり、スタジオの入り口でなんとなくたむろしている。そのアドバイスを小耳にはさんでいるだけで心がほぐれていく。気付けばレッスン終了時間から小一時間が過ぎていた。
リトリート以来のお友達、HさんやIさんとお喋りしながら最寄駅までゆるゆると歩き、Hさんと同じ私鉄に乗って幸せな気持ちのまま、病院近くの常宿に前泊した。
眠りにつくのは大分遅くなったが、ぐっすり眠ることが出来た。
今朝、夫にモーニングコールをした後は、いつものように熱めの浴槽足湯で汗をかき、楽しみにしている焼き立てデニッシュの朝食を頂いた。窓の外を見れば、久し振りに青空が広がっている。本当に現金なお天気猫なもので、昨日まであれほど辛かった胸痛もそれほど感じることなく、病院を目指した。
毎年楽しみにしている病院の前の桜並木は満開。青空に映えて、本当に美しい。明日はまたお天気が崩れるというから、今日は最後のお花見日和だろう。
いつもより1時間ほど早く病院到着。自動再来受付機で出てきた受付番号は“0979”。“苦無く”と勝手に語呂合わせし、にんまりして採血受付へ。20人弱の待ち人数で待ち時間は16分とある。
コートやストールをエコバックに入れて態勢を整え、ほどなくして入室。こちらが言う前に紙テープを準備してくださったのでいい感じ、と御礼を言ったけれど、残念ながら刺針も抜針も外れで、語呂合わせどおりにはいかずじまい。今日は2本のみの採血。
相変わらずの大荷物を持ち、止血しながら診察ファイルを脇に挟んで腫瘍内科受付へ移動し、月初めの保険証チェックも済ませる。朝早いのでまだそれほど混みあっていない。いつもの席を確保して読書開始。
今日の1冊目は、藤田孝典さんの「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」(講談社現代新書)。帯には「若者の現実を大人はわかっていない 結婚・出産なんて「ぜいたく」だ 学生はブラックバイトでこき使われて学ぶ時間がない。社会人は非正規雇用や奨学金返還に苦しみ、実家を出られない。栄養失調、脱法ハウス、生活保護…彼らは追いつめられている。20万部長のベストセラー『下流老人』は序章だった!」というショッキングな言葉が並ぶ。
読み進めていきながらため息が止まらない。今夜のニュースでも報道されていたが、家賃込みで月の仕送りが8万円ほど、1日の生活費が1000円に満たないという大学生はアルバイトをしなければ生活していけない。そのアルバイトがブラックで授業に出ることもままならなくなり、心を病み、身体を壊し、・・・というケースは決して稀ではない。家賃も食費も別払いで、純粋にお小遣いが足りなくなれば、SOSを出し、愉しく部活に励んでいる息子はこの現状をどう思うだろうと思いつつ、唸ってしまった。
1時間半ほど待って、“中待合へどうぞ”の番号が電子掲示板に出る。血圧測定は98-64、脈拍は82。
中待合で20分ほど待つと、先生がお顔を出された。3週間のご報告をしようとすると「風邪は大丈夫でしたか」と。そういえば前回は風邪を引いていたのだったが、今回は胸痛のことを言わねば、と話を始めた。
「ここのところの寒さと気圧の変動、年度末年度始めの仕事の繁忙期もあり、数日胸痛が酷く、ロキソニンを1日3回飲みました。軽減しないので、コデインを飲もうかと思いましたが、今朝お天気になって収まりました。それ以外は2日ほど頭痛がありましたが概ね体調は良かったです。」と言うと、「そうでしたか、寒さと気圧・・・仕事多忙・・・」とおっしゃりながら電子カルテに打ち込んでいく。「痺れや痛みは酷くなっていないと思います。目も目薬を差して落ち着いています」とご報告。
今日の採血結果では白血球は4,400、好中球も35%なので1,500以上。肝機能・腎機能ともに正常で、今日も予定通り治療続行となった。
今日も治療が続けられるということで安堵する。再来週の造影CT撮影後、次回3週間後の診察時にその結果を伺うことになる。
その結果によりカドサイラ(T-DM1) 20回目を投与するか、治療は止めてゴールデンウィーク明けに新しい治療スタートとするか、とりあえず予定通り治療をして、3週間後に新しい治療をスタートするか、応相談とのこと。いずれにせよ次回3週間後、その場でいきなり治療変更はない。とにかくゴールデンウィークは予定通り過ごせると判り、にやにやしてしまう。
診察室での検温は6度5分。3週間分の2種類の漢方、デノタスチュアブル、ロキソニン、パタノール点眼薬、ヒルドイドローションを処方して頂き、ご挨拶をして診察室を後にした。
化学療法室へ移動し、夫やお友達に報告LINEやメール。
15分程待って、Krさんから窓際の通路側リクライニング椅子に案内された。今日は陽射しがあるので、暖かい。体勢を整えてポートの針刺しを待っていると、Okさんとニューフェイスの方がペアで見えて、針刺しをしてくださる。今日もあっという間にポートの針刺し。痛みもなく「やはりOkさんはお上手です!」と御礼を言う。
前回はこの後、薬が届かずに延々と待ったのだが、今回はそんなこともなく、Sさんが「もう届いているようなので始めましょう」と逆血チェックに見えた。
Sさんが点滴をセットされた後、ランマークの注射。気を紛らわす為に今日の受付番号の語呂合わせをお披露目したらとてもウケてしまった。後で皆に話しておきます、とのこと。そんなに面白かったかしら。まあ、小さな幸せに感謝しつつ過ごすことは色々な人に笑顔をもたらすのだな、と思うことにする。
今日の2冊目は湊かなえさんの「高校入試」(角川文庫)。数年前にドラマ放映されたものだ。湊さんがテレビドラマ初執筆したシナリオということで話題になった。毎回毎回、次回は一体どうなるの、とジリジリしながら録画して視た(夜遅い放送だったので)のを記憶している。
この小説はドラマのシナリオをベースにしながら肉付けされたものという以上に分刻みに展開し、再構築されたものだという。小説のラストはドラマとは全く違う形で描かれている。帯には「悪意は拡散する」とあるが、まさしく匿名掲示板とはそういうものなのだろう。それよりも善意が拡散してほしい、と思うのだけれど・・・。
そんなわけで、今日は順調にカドサイラ(T-DM1)の19回目の投与。
終了後の血圧測定はSさんが来られて、98-59、脈拍も59と問題なし。抜針もSさん。お名前のとおりとても静かに針を抜いてくださるので、本当に痛みも衝撃もない。「やはり“苦無く0979”の日でした」とご挨拶して化学療法室を後にする。待合で20分ほど会計を待つ。自動支払機へ移動して、採血、点滴、注射の3割負担、13万円強をカードで支払う。
外に出ると少し日が陰ってきてはいるものの、コートが要らないくらい暖かい。川を挟んだ桜並木の芝生やベンチで、ランチタイムやお花見宴会中の方たちが一杯だ。薬局では7,8人の方が待っていたが、やはり順番を抜かされてかれこれ1時間近く待った。目薬とローションを少な目にしたため3,000円に満たず、現金払い。
今日は、前泊のお蔭で到着が早く、大きなトラブルもなかったので病院と薬局の滞在時間は合わせて5時間強。駅ビルのランチタイムにも悠々間に合った。駅ビルには「桜満開、8周年」と垂れ幕が沢山かかっていた。そう、私がこの病院に通い始めた時分は工事中で、駅周辺でランチを摂れる所は今ほど恵まれていなかった。
この駅ビルが華々しくオープンしてからもう8年経ったのだな、としみじみ。当然、再発治療を開始してから8年以上が経ったということである。白血球も低くなかったことだし、久し振りにお寿司屋さんのカウンターで日替わりのランチを頂いた。
帰路の電車でも席を確保し、途中ちょっとウトウトしながら2冊目を読み切った。
乗換駅で買い物をしつつ最寄駅に到着。荷物が多く、まっすぐタクシー乗り場へ。もろもろ片付けて、ちゃんと夕食を作った。
何をしたわけでもないのにやはりグッタリ疲れている。今日も痛まないうちに早く休み、あと2日、無事に乗り切らなくては。
昨日届いていた今月1回目のお花はピンクとオレンジのカーネーションが合わせて5本、マーガレットが3本、ミスカンサスの葉が2本。花言葉はそれぞれ「女の愛」、「真実の愛」ということで、愛が溢れている。ちょっとボリュームに乏しいのが残念だけれど、春らしい花束である。