ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.4.22 5か月ぶり造影CT撮影~頚部から骨盤

2016-04-22 20:44:35 | 治療日記
 昨夜からの雨があがって、今日は快晴だ。夏日になりそうなほど気温が上昇するという天気予報。朝露に濡れた新緑はますます眩しい。

 午前中にサクサクと仕事を片づけ、昼食抜きで病院に向かった。
 今日は、昨年11月末以来、5ヶ月ぶり3回目のカドサイラ(T-DM1)効果測定になる。前回画像上両肺の影が増大ということで、年明けには薬剤チェンジかと一旦は覚悟した。けれど、のらりくらりとかわしつつ、南の島へ夫婦2人旅、ヒーリングセミナー、深呼吸合宿参加などなど、欲張りな予定をあれこれ実現しつつ今まで引っ張ってきた。

 最寄駅でも乗換駅でも電車は順調。
 今日のお伴は、文・酒井順子さん、画・ほしよりこさんの「来ちゃった」(小学館文庫)。こうして風薫る気持ち良い季節になってくると、旅好きの虫がむずむずと騒ぎ出す。さて、今度はどこへ行こうかと思ってしまう。裏表紙には「あたりまえの観光地を訪ねる旅はそろそろ卒業?その“先”を目指すあなたに贈る、渋めでゆるーい国内35+海外3、全38の旅の記録!『出生率第一位の地』『寅さんが最後に行った地』『こけし工人がいる温泉』etc。いろんな意味で「来ちゃった…」とぽつり、つぶやいてしまうような限りなくニッチなデスティネーションばかり。」とある。
 いつもの酒井節に加えて、可愛らしい挿絵も楽しみながらフンフンと読破。ああ、まだまだ行ったこともない所ばかり。うーん、日本は決して狭くない。まだまだ頑張らねば、と思う。

 半月前の治療通院の時にはまだ桜を愛でることの出来た病院前の並木道は、濃い緑に変わっていた。予約時間の30分前に到着。自動再来受付機にIDカードを通し、受付番号票を受け取り、エスカレーターで2階の放射線受付へ向かう。階段下には兜の段飾りが飾ってある。数人が待合椅子に座っている。受付後はいつものようにCT準備室の前廊下へ移動する。

 こちらには待ち人がいない。ほどなくして名前を呼ばれ、着替えを済ませ造影剤注入のためルート確保の針刺し。今日も右腕の一番太い真ん中の血管から。看護師Kさんは早業で殆ど痛まず、お見事。生理食塩水のパックが下がった点滴棒に繋がれながら、CT撮影室前で待つこと5分。予約時間より15分早くスタートした。

 造影CT撮影は、何もなければ概ね半年に1度のペースだから、今回も無事にやり過ごすことが出来れば、次回は秋の筈だ。満を持してスタートしたカドサイラ(T-DM1)に既に1年余りの間お世話になっているが、今回の結果で変更やむなし、となれば次回はジェムザールかハラヴェンを、と言われている。

 私は、軟弱な身体や心を痛めつけるようなきつい抗がん剤使い続ける主義ではないので、出来れば副作用がマイルドな分子標的治療薬でいきたい。けれど、それもずっと・・・というわけにはいかないのも判っている。適時適切にうまくオンオフをつけながら、QOLを保ち細く長くしぶとく時間を稼ぐのが、今の私にとって賢い治療の選択なのだろう。

 ベッドに寝て万歳の姿勢をとり、顎をぐっと上げさせられる。最初は造影剤なしで、次に造影剤を入れて計2回の撮影。所要時間は僅か10分足らず。
 造影剤が注入されるや否や、薬液のツンとする匂いが鼻を突き、瞬く間に体中を駆け巡る。体の芯がカーッと熱くなる嫌な感じにも随分慣れっこになった。
 「息を吸って。止めて下さい・・・。」を繰り返して無事終了。息を止めているのはゆっくり数えて15秒ほど。前回も書いたけれど、ヨガのおかげで完全呼吸法が上手になったので、充分余裕である。看護師さんに針を抜いてもらい、布テープできつく止血をしてもらう。部屋を出たのはちょうど当初の予約時間だった。

 1階に降りて、会計を待つ。こちらは待合椅子に沢山の人が溢れていた。30分ちょっと待って自動支払機で1万円弱をお支払。本日の病院滞在時間は1時間強で済んだ。

 来週の診察時までの心の持ち方は、いつもどおり「結果を聞くまで、余計なことは考えない」に尽きる。今の薬(+αとしてヨガ、深呼吸など適度な運動、美味しい食事を三度三度きちんと摂り、睡眠をしっかり確保するなど生活態度全般)が“効いている”ことを信じ、出来る限り普段どおり心穏やかに過ごすに限る。結果を気に病んでみたところで良いことは何一つない。

 お腹がペコペコ、喉もカラカラで駅ビルへ向かい、ランチタイムに滑りこみ。造影剤を排出するために水分もたっぷり摂って帰途についた。院内滞在時間は1時間ちょっと、往復3時間とランチタイムを含めて半日の行程。病院に行くとやはり疲れる。

 さて、夫は今日から職場復帰。午後からどうしても外せない会議があるとのこと、当初は午後から勤務の予定だったけれど、丸々1週間お休みしたため溜まっているであろうメール等が気になるらしく、ちょっと早めに出かける、と連絡が来た。
 朝の満員電車に乗らないで済むし、半日やり過ごせば、明日・明後日はまたお休みできるので、良いタイミングだったと思う。帰りは無理せずちゃんと始発に座ってくるようにと言ってあったのだが、座れた、とLINEが来て、無事定時に帰宅した。

 幸いこれからは寒くなるシーズンでもないし、来週も4日行けば、ゴールデンウィークに突入する。実はもう3年近く症状があったというから、本当に呆れてしまうが、手遅れにならずに良かったと思う。
 さすがに退院して最初の2,3日は傷が痛んだらしく、長い時間椅子に座っているのも辛かったそうだが、一昨日からは大分落ち着いて、パソコンに座ったり、退屈しのぎに夕飯の支度をしてくれるようになっていた。家でパジャマ姿でいると、すっかり病人っぽくなってしまうことも実感したそうだ。

 この1週間の、毎朝夫を置いて出かけ、帰宅すると夫がいるという事態は結婚以来初めてのこと。なんとも慣れないことで戸惑った。けれど、家に主夫がいるというのはひょっとして極楽なのかもしれない・・・と思ったりもする能天気な私である。

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