ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.4.8 幸せな金曜日

2016-04-08 21:25:11 | 日記
 昨日も寒い一日だった。前期授業開始の日というのに本降りの冷たい雨。レインコートを着込んでもびしょ濡れだった。花散らしの雨は毎年のことながら本当に恨めしい。
 4月の声を聞いた途端に職場の暖房はプッツリと切られた。厚地のタイツを履き、膝掛けをして自己防衛しているが、寒さと気圧のため、やはり昨日は調子がイマイチだった。

 ようやくの金曜日。今日は打って変わって朝は青空だ。お天気が悪かったので先延ばしにしていたせいか、びっくりするほどごっそり溜まった洗濯を干して出勤した。
 頬をなでる風が暖かい。我ながら実に単純だけれど、天気が良くなると俄然元気になる。そして、まだ頑張って咲き続けてくれている桜の花を愛でつつ、上向き加減で学内を歩く。ピンクの絨毯というほど花びらが落ちずに、はらはらと風に散らされているのが幸せな気分をまた盛り上げてくれる。
 いかにも新入生と思しき学生が教室を探したり、掲示板ににらめっこしている姿が初々しく、思わず笑顔になる。

 とにもかくにも体調を崩すことなく、無事年度初めの1週間が終えられそうでほっとしている。
 来週は母の通院付添い、都心への会議出張や打ち合わせやガイダンス、夫の入院・手術と、公私共にあれやこれやと立て込んでいる。短期集中で仕事を片付けなければ。

 そんな中、明日からはまた新しい学びに参加することにした。こうして前向きでいられることが本当に有難い。
 今夜は夫が宴会で夕食不要とのこと。これ幸い!と仕事が終わってからお一人様で今日から封切りの映画「ルーム」を観てきた。
 娘として、母として、双方の立場が胸に響き過ぎてなんだかあちこちで胸が苦しくなり、涙腺が刺激された。極限状態に置かれた17歳の少女が一人で母になり、外界をシャットアウトしながら息子と2人で生きた5年間、その後待ち構えていた過酷なまでの現実。子役の男の子の圧倒的な存在感。凄かった。ラストシーンも感動的。
 ごく普通の生活を送れることがどれほど有難くも愛おしいことなのか、改めて感謝の気持ちに満たされた。

 生協から届いた食料品を納め、洗濯ものをたたみ、明日からの支度をゆるゆると整えながら、ひとりしみじみと幸せを感じる金曜日の夜である。



コメント (2)
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