桜が終わり、雨があがったと思ったらあっという間に緑が芽吹いた。いきなり窓の外は若い緑で一杯だ。木々が呼吸している。そこかしこに新しい酸素が満ちている感じだ。こちらもつられて深呼吸。青空に若芽が眩しい。俄然気持ちが明るくなり、生きていることを実感する。
夫は一昨日より昨日、昨日より今日、と日に日に動きがスムーズになってきた。
昨朝、いつもと同じ時間に起きて、洗濯物を干して、朝食の支度をして、夕食の仕込みをして、片付けをして・・・を全部一人でやったら、出勤するまでに朝の8分ヨガの時間がとれないことに気付いた。殆ど一人でやっていたつもりだったけれど、いざ夫の手がないと、ああこれだけ手伝ってくれていたのだな、と気付く。
退院してきてからまだ一歩も家を出ていないけれど、明日あたりから家の前を散歩くらいしないと、金曜日からの遠距離通勤には耐えられないでしょう、と少しずつハッパをかけている。
熊本・大分を中心に大変な事態が続いている。
精神的に一番きついのは先が見えないことだろう。ここまで頑張ろう、そうしたら良くなるから、という保障がない。こんなに大変なのに、一体いつまでどれだけ頑張ればよいのだろう、そして頑張った先には安寧が待っているのだろうか、これからどうなるのだろう、という不安に押し潰されそうになることが一番辛いのではないか。
無理な避難生活を強いられ、非日常の生活が続くことで、日常のバランスが崩れていく。被災された方たちの心が案じられてならない。
翻ってこれは病気にも通じる部分があるのではないかと思う。ここまで頑張れば良くなる、だから今はちょっと我慢だと言える、即ち今回の夫の手術のように、切ればあとは時薬、回復を待つだけという病気と、今の私のように一生治療を続けながら付き合っていかなければならない病気の違い、さらにいつかは現状維持すら難しくなる時が来る、けれどその時がいつなのかはわからない、宙ぶらりんで先が見えないという厳しさを孕んだ病気の違いだ。
それでも希望を捨てることなく、今出来ることを精一杯やり、二度とない日々を送ること、自分なりに毎日を生き切ることが今の私に出来ること、それこそいつも自分に言い聞かせていることだ。
帰宅すると今月2回目のお花が届いていた。
淡いクリーム色、ピンク、濃いオレンジのガーベラが合わせて8本、紫がかったブルーの小花が丸いボールのようなアリウムブルーパフュームが1本、ドライフラワーとしても楽しめそうなエリンジュームが1本、そしてゴッドセフィアナの葉。花言葉はそれぞれ「神秘」、「優しい」、「秘めた愛」だそうだ。こうしてスックと上を向いた花たちを眺めると、少しずつ草臥れた心がほどけてくる。
被災された方たちに心の花束を届けられたら、と思う。どうか心も身体も労わりながら、乗り切って頂きたいと心から祈る夜である。
夫は一昨日より昨日、昨日より今日、と日に日に動きがスムーズになってきた。
昨朝、いつもと同じ時間に起きて、洗濯物を干して、朝食の支度をして、夕食の仕込みをして、片付けをして・・・を全部一人でやったら、出勤するまでに朝の8分ヨガの時間がとれないことに気付いた。殆ど一人でやっていたつもりだったけれど、いざ夫の手がないと、ああこれだけ手伝ってくれていたのだな、と気付く。
退院してきてからまだ一歩も家を出ていないけれど、明日あたりから家の前を散歩くらいしないと、金曜日からの遠距離通勤には耐えられないでしょう、と少しずつハッパをかけている。
熊本・大分を中心に大変な事態が続いている。
精神的に一番きついのは先が見えないことだろう。ここまで頑張ろう、そうしたら良くなるから、という保障がない。こんなに大変なのに、一体いつまでどれだけ頑張ればよいのだろう、そして頑張った先には安寧が待っているのだろうか、これからどうなるのだろう、という不安に押し潰されそうになることが一番辛いのではないか。
無理な避難生活を強いられ、非日常の生活が続くことで、日常のバランスが崩れていく。被災された方たちの心が案じられてならない。
翻ってこれは病気にも通じる部分があるのではないかと思う。ここまで頑張れば良くなる、だから今はちょっと我慢だと言える、即ち今回の夫の手術のように、切ればあとは時薬、回復を待つだけという病気と、今の私のように一生治療を続けながら付き合っていかなければならない病気の違い、さらにいつかは現状維持すら難しくなる時が来る、けれどその時がいつなのかはわからない、宙ぶらりんで先が見えないという厳しさを孕んだ病気の違いだ。
それでも希望を捨てることなく、今出来ることを精一杯やり、二度とない日々を送ること、自分なりに毎日を生き切ることが今の私に出来ること、それこそいつも自分に言い聞かせていることだ。
帰宅すると今月2回目のお花が届いていた。
淡いクリーム色、ピンク、濃いオレンジのガーベラが合わせて8本、紫がかったブルーの小花が丸いボールのようなアリウムブルーパフュームが1本、ドライフラワーとしても楽しめそうなエリンジュームが1本、そしてゴッドセフィアナの葉。花言葉はそれぞれ「神秘」、「優しい」、「秘めた愛」だそうだ。こうしてスックと上を向いた花たちを眺めると、少しずつ草臥れた心がほどけてくる。
被災された方たちに心の花束を届けられたら、と思う。どうか心も身体も労わりながら、乗り切って頂きたいと心から祈る夜である。