ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.9.17 昨今雑感となんだかなあ、の発言から翻って・・・

2016-09-17 23:20:16 | 日記
 初の女性都知事が誕生して一月半余り。民進党でも初の女性代表が生まれ、米国でも初の女性大統領が誕生しそう、と昨今元気な女性の話題が賑やかである。
 女性の一人として、各界における女性たちの活躍はとても喜ばしいことだし、そういう方たちの人知れない努力やバイタリティは賞賛に値するものだ。けれど、雇用均等法施行から30年という長い年月が過ぎても、いまだガラスの天井を打ち破るということは口で言うほど容易いことではないのだろうとも思う。
 まあ女性だから、というよりもつまるところ人としてどうか、というのが一番の問題ではないか。

 ところで、ここでは原則として政治や政治家についての話題は避けるつもりだけれど、かつてその組織の一員として働いていたことのある一人として、築地市場移転問題に関わる元知事の「都庁は伏魔殿」発言には、相変わらずなんだかなあ・・・と思った。また、新代表が旧代表を評して「○○さんはつまらない男」と言い切ったことにも仰け反った。

 つまりは、相手をリスペクトしていたら決して口に出すことが出来ない筈のことを、公衆の面前で言ってしまうのだ!という驚きと言ったらよいだろうか。
 言葉は恐ろしい。不用意な発言は必ず後のち自分に戻ってくるとは思わないのだろうか。公人であるならなおさら、舌禍事件にはご用心である。

 こうして身辺雑記やつれづれに思うことを書いている私も、思わぬところで思わぬ反応を引き起こしているのかもしれない。人様を傷つけるようなことは書かない、何か人様のことを書くときには事前承諾を得てから、と心している。けれど、私が発した言葉の何かが、お目にかかったこともない方の心の琴線に触れ、どう解釈されるかは、こちらが思ったとおりにいかないことも少なからずあるだろう。
 それは私の文章力不足によるものだろうし、相手方の考え方、虫の居所にも拠るだろう。そこまで斟酌することは到底、叶わない。

 今の世の中、簡単に自分の意見を全世界に向けて表明することが出来る。昔だったら、ペンをとって文章を書き、宛名を書いて切手を貼って投函し・・・と何段階も踏んで行わなければならなかった。それはよほどハードルが高いものだっただろう。

 けれど、今はカタカタと両方の指を動かしてキーボードを打ちポチッとするだけで、一丁上がり、だ。推敲したり読み直したり、ということもどれほどされているか判らない。夜中には大事な文章を書かない、と言われたのも今は昔。真夜中に延々と書き込みがあるのも常。公人や芸能人、有名人に限らず、色々なところであっという間に炎上が繰り返されている。

 いつだったか新聞記事で、炎上するような書き込みをするのはごくごく限られた人で、その限られた同じ人が何度もそういう書き込みを繰り返している、という研究結果を読んだ。けれど、書かれた方からすれば、見も知らぬ人からの執拗な書き込みを見せられ続ければ、そう言っているのがごく限られた人で、他の大多数はそうは思ってはいないのだから、とは割り切れず、自分を取り巻く皆から一斉に攻められているような、いわば四面楚歌の状況に陥ってしまうのも無理はないと思う。それこそがネット世界がとても恐ろしいと思われる所以だ。

 いずれにせよ、人間だからこそ与えられた“言葉”という大切なツール。本当に伝えたいことには言霊があると信じたい。だからこそそれぞれが与えられた立場で、責任を持って使っていきたいものである。

コメント
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