ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.9.25 結局のところ興味本位、最初から筋書きは出来ているのか

2016-09-25 20:35:31 | 日記
 ようやく晴れ間が出た日曜日。これはもうのんびり寝ている場合ではない、と洗濯機を2回廻し、ベランダ中所狭しと洗濯物を干す。
 気持ち良い朝だ。洗濯物を干しながら朝の爽やかな風を吸い込むことの出来るささやかな幸せを、素直に有り難いと思える。悪くない人生だと思う。

 ここのところ来る日も来る日もずーっと雨続き。夫と2人暮らしになったことから、息子がいた時分よりも洗濯の回数は減ってはいる。それでも乾燥器のない我が家では、雨が続くと部屋干しのまま満艦飾のように洗濯物が吊るされ、気持ちは滅入る一方だった。

 昨日は午後から、実家で司法書士と税理士さんとの相談。現状とこれからのことをざっと説明頂き、ようやくなんとか頭を整理することが出来た。どう頑張ってみたところで、素人でかつ曲がりなりにもフルタイムで働いている治療中の自分が、全て自力でやるのは無理がある。今後のことなど不確定要素は多々あるし、心配事は尽きないが、あとは専門家にお任せして、出来るだけ心穏やかに日々を過ごしていきたいと思う。

 さて、表題のこと。以前にも「マスコミ報道もさることながら」の記事で書いたけれど、小林さんご本人がブログで発信され始めてから、またしても世間はあれこれ喧しくなっている。
 彼女のブログを日々チェックしているわけではないけれど、たまたまアップされた写真を拝見して、ああ、どんなに若い方でもタキサン系の治療で眉毛や睫毛も全て抜け落ちて顔色が悪くなると、こうも病人然としてしまうのか、とかつての自分を思い出しながら胸が痛んだ。

 けれど、よく考えてほしい。ステージ4でも治療を続けながら病と10年近く(もっといえば所属している患者会には再発転移後10年以上の方も一人や二人ではない。)共存している人は決して少なくない。
 なのに、何とかの一つ覚えのように若い人は進行が速いだの、骨や肺に転移しているステージ4は末期だから余命半年だの3か月だの、言いたい放題である。

 最初から結論があって、その流れに沿ってそれに合うように記事を書いているようにしか見えないこのような記事は、無責任かつ不勉強極まりないとしか言いようがない。何度も繰り返すけれど、生涯のうち2人に1人ががんになる時代である。その程度の生半可な知識で記事を書かないでほしい。そういう書き手の方たちは、今後、もし自分がその立場になったなら、絶望して無治療でも選ぶのだろうか。

 それより私が悲しく思うのは、現にご自身がステージ4であっても治療が継続出来ていながら、自らのことをなぜか末期がん患者と銘打って(マッキーなどとオチャラケて書いている方すらいる。)ブログ等で発信をしている人たちが少なくないということだ。

 これはどうしたものだろう。ステージ4イコール末期ではない、とここでは何度も書いている。ステージ4とは治癒することはないものの、ある程度長い時間治療を続けながら自分の生活を維持し続けるために頑張る、すなわち共存することが出来る時期なのだ。
 さらにいえば、骨に転移したからといって他の内臓転移のように命に直結するというわけではない。もちろん骨転移の痛みは辛いものだし、部位によっては歩行困難や麻痺を引き起こす可能性もあるけれど、痛みを取ってコントロールすることも十分に可能だ。人様々ではあるけれど、私自身は骨や肺に多発転移してからほゞ9年を生き永らえている。

 結局のところ、それでは絵や話題にはならないから、ステージ4イコール末期、すなわちもう助からない、余命僅か、まだ若いのにお気の毒に・・・、その方がよほど盛り上がる、人の不幸は蜜の味ということのように感じてならないのである。

コメント (2)
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