ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.3.5 待ち遠しいもの

2019-03-05 20:21:26 | 日記

 久しぶりに8泊した息子が帰っていった。
 週末にはいよいよ引越しで、私たちが助っ人として関西に出向くことになっている。就職したらこんなに長く実家で過ごすことは、おそらくないだろう。彼の自室には殆ど荷物が置きっぱなしだから、このまままた物置と化したまま何年も経ってしまいそうだ。

 大学入学のタイミングで家を出たとき、「今度帰宅したら本人が驚くくらいモノを捨ててさっぱり綺麗な部屋にしてやるぞ!」と意気込んでいた夫の掛け声もどこへやら、である。なんといっても祖父母に加え、私たち夫婦ファイブポケットで買い与えたとんでもない量のおもちゃも鉄道グッズもぜーんぶ捨てないで、そのまま置いといて!というのである。

 過ぎてみれば、今回の帰省はあっという間だったけれど、なかなか充実していた。
 誕生以来お世話になってきたクリニックの院長先生にご挨拶に伺い方々花粉症の薬を頂き、実家の母(彼にとっては唯一生存している祖母)のご機嫌伺いに訪れてランチをともにし、卒業した高校の友人たちと担任の先生方に近況報告の挨拶に伺い、帰路は旧交を温め、市役所へ転出届を出し、郵便局に転居届けを出し・・・。
 お食い初めから誕生日、入学、卒業の節目ごとにおめかしをして家族写真を撮り、23年間の長きに渡りお世話になってきた写真館にも出向いて、ひとまず就職記念、最後の家族写真の撮影も叶った。5冊にわたるこのアルバムはすわ、一大事!のときに必ず持って出かけねばと思っている我が家の宝物である。

 そんな門出の季節、明日から私も新しい治療開始である。ここのところすっかり痛みが定着してしまい、冴えない日々を送っている。朝昼晩のロキソニンに加え、レスキューのコデインも1回では済まなくなっている。朝食後、ロキソニンだけでは痛みが落ち着かず出勤前に飲み、昼食後のロキソニンでも足りずに仕事中に飲み、ほうほうの体で帰宅して食事の支度に取りかかる前に飲み、夕食後にロキソニンを飲んでも就寝前にまた痛んで飲み・・・1日4回分処方して頂いているからこのペースで飲んだところで飲みすぎ、というわけではないのだけれど。無事に6時間ほど眠って目覚めた後は、寝返りを打つとやはり鈍い痛みがもたげてきて、がっくりくる。

 横になって安静にしていればなんとか我慢できるけれど、いざ動き出すと、やはり辛い。ナイフで突き刺されるような鋭い痛みがあれば、仕事をしていて愛想笑いさえ出来ない自分がいる。普段は何のこともない、周りの人たちが歓談する声さえ気に障る。とんでもない了見の狭さである。痛みはつくづく人を変えるものだと思う。

 今日は暖かな春の日差しに満ちていた。明日はまた雨というけれど、文字通り一雨ごとに春が近づいている。
 桜の蕾も大分目覚めてきた感じだ。春の訪れとともに、治療が奏功して今の体調不良から少しでも脱すること、今はそれが何より待ち遠しいのである。
コメント
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