ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2017.9.21 昨日の通院日に読んだ2冊と体調のこと

2017-09-21 21:26:22 | 読書
 昨日は2冊読めた。
 1冊目は清水義範さんの「老老戦記」(新潮文庫)。
 敬老の日に因んで手に取った、9月の新刊である。帯には「さいごは暴れて、いきましょう。主要登場人物は『団塊以上』ハードコア老人小説。」とある。

 本当に団塊の世代の方たちはお元気だ。どこに行ってもウオーキングシューズにバックパック姿で颯爽と闊歩している。時間もお金もあるのだろうなあ。
 第一部ではグループホームの老人たちがクイズ大会に参加して主催者を手玉に取ったり、海外旅行でひたすらマイペースを貫いたり、とクスクスニヤニヤしながら読んだ。けれど、第二部になると大分様相が変わってくる。え、こんなに過激で大丈夫?という感じ。裏表紙にも「世間では団塊アゲイン政党なる政党が勃興した。同世代の反体制派が闘争を開始、社会に衝撃が走る。これは悪夢か、現実か。日本を守らんと義勇軍を結成したのは・・・。超高齢社会日本を風刺するハードコア老人小説。『朦朧戦記』改題」とある。

 金原瑞人さんが解説を書いておられるが、「現代日本を細かい部分から大きな部分まで徹底的に皮肉ってパロった、超過激でブラックで、ユーモラスな清水ワールド。・・・若者は一切、登場しない。堂々たる老人小説」のとおり。
 そういえば大学時代、卒論テーマに「デモクラシーの政治過程における高齢化社会」を取り上げた私だが、30年を超え、実際の団塊世代である清水さんの著書と初めて出会ったことに、不思議なご縁を感じる1冊だった。

 2冊目は白石一文さんの「愛なんて嘘」(新潮文庫)。
 1冊目と打って変わって、白石さんの男女の6つの物語。帯には「信じられるのは私だけ?ひとりぼっちのさみしさに慣れてしまったあなたに贈る」とある。
 裏表紙には冒頭と2篇目が簡単に紹介されている。「恋人の家に転がり込んできたのは、とっくの昔に離婚したはずの彼の元妻だった。一つの場所にとどまることのできない女の存在が二人の関係を変える。」(「夜を想う人」)。「一度は別れを選び、それぞれが新しい伴侶を見つけ、子供も授かった元夫婦の約束とは」(「二人のプール」)。どのお話もなかなか読み応えがあり、頁を繰る手が止まらなかった。中でも私が一番面白かったのは、最後の「星と泥棒」か。これは他の5篇と異なり、唯一、失踪する人も出奔する人も出てこない作品だ。

 解説の佐久間文子さんが書いておられるが、「6つの短篇は、かなり風変わりな愛に心をとらえられた男女をめぐる小説である。同時に人それぞれに異なる孤独との向き合い方を描いた小説でもある。だれかを選んで一緒にいることは、思いがけず「私」という人間の姿を、その人の孤独のありようを浮かび上がらせもする。・・・この短篇集の男女はそろいもそろって、安定したそれまでの人生をあっさり手放す。駅のホームでたまたま来た違う電車に乗り換えるみたいな気軽さで、先の見えない暮らしに身を投じてしまう。」とある。

 先の見えない暮らしに身を投じるなんて冒険はとても出来るとは思えない私にとって、だからこそ、の読書体験なのだと思う。

 さて、昨日と打って変わって今日は爽やかな青空、日差し溢れるいいお天気。カラリとした洗濯日和で、日傘も大活躍だ。そんな秋晴れの日なのに気分は上がらない。投与翌日の体調のこと、やむなしなのだけれど。

 朝食はドーナツ半分と果物だけ。出勤して昨日からのメール等の処理をして午後からの会議に向かう。片道たっぷり2時間超はいかにも遠い。お昼は時間をかけておうどんを頂く。会議が終わって直帰したけれど、夫とほぼ同じ時間になって、最寄駅で落ち合って荷物を持ってもらって一緒に帰宅した。だるいし熱っぽい。ダラダラと洗濯を畳み、夫に夕飯の支度は任せる。食欲がないし、繊細な味がイマイチよく分からない。普段は食べないような濃い味を欲している感じだが、とにかくそれすら全然作りたくないのだ。

 あと一日、明日をやり過ごせばまた休日がやってくる。いつもいつもこの繰り返し。それでもこうして繰り返せることを有難いと思わなければ。



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2017.9.20 採血後腫瘍内科診察、ハーセプチン185回目(3.3倍量5回目)、ジェムザール(5割減)15クール1回目)

2017-09-20 22:20:08 | 治療日記
 昨日は仕事を終えて真っ直ぐ帰宅。夫が宴会で夕食不要というので、一人で簡単に夕食を済ませ、明日からはまた体調不良で好きなことも出来ないから・・・と往生際悪く、貯まったポイントで映画(ちょっとチョイスが重かったと後悔。“ダンケルク”という戦場映画)を観てから、病院近くのホテルに向かった。
 さすがに疲れて、チェックイン後は入浴して早々にベッドに入り、そのままころりと眠った。夜中に一度もお手洗いに起きずに朝、モーニングコールが鳴るまで目が覚めず。久しぶりの熟睡でスッキリ。

 夫にグッドモーニングLINEをしたら、夫も起きていた。恒例の浴槽足湯でじんわり汗をかく。
 外は曇天。予報どおりなら日差しが出る筈と晴雨兼用日傘を持っていたが、結果的に荷物になってしまった。夕食が軽かったのでお腹が空いて、朝食はあれこれちょっとずつ色々のビュッフェを頂き、チェックアウトして病院へ向かった。

 IDカードを通して採血受付機へ移動。10人ほど待っていて待ち時間は12分。結局10分ほどで番号を呼ばれた。今日は久しぶりに検査技師のYさん。月に一度のフル検査なので4本。刺す時も抜く時もちょっとビリっとと痛んだが無事クリア。

 止血しながら腫瘍内科受付に移動。まだ時間が早いので、定位置が埋まっていないのを遠くから確認。よく眠った所為か読書も捗る。2冊読めたが、読書日記は明日以降に。

 本を読みながら一時間が経過する。クスクス笑いながら本を置くタイミングを計って血圧測定に並ぶ。88-62、脈は74。少し低めだ。
 その後1時間近くしてようやく中待合へどうぞ、となる。既に病院到着から2時間半近く経過。さらに中待合で待つこと40分。先生にお目にかかれるまでに3時間もかかってしまった。1冊目は読み終わり、2冊目に突入。
 ご挨拶しながら診察室へ入る。いつものように「どんな2週間でしたか、耳鳴りはいかがですか」と問われ、「おかげさまで今回耳鳴りは大丈夫でした。気持ち悪さは土曜日一杯続きましたが、それ以降は気圧の変動があると胸痛があったり、頭痛があったりで朝に加えてロキソニンのお世話になった日が数日ありました。概ね元気です。」とお答えする。

 診察室での検温は6度8分。採血の結果、白血球は3,800、好中球は1,580。数値としては問題なく投与OKだ。気になる腫瘍マーカーの数値はコンマ8ほど下がっている。「まあ相変わらずですね。」とのこと。ヘモグロビンは11.4。下限値を下回ってはいるが、抗がん剤治療中なので織り込み済みとのこと。

 ということで、予定通りの治療。次回も白血球確認のための採血はパス、レントゲン撮影もあまり頻繁に行ったところで変化が分かりづらいのでやめておきましょうとのこと。検査結果を待つことなくそのまま治療に入れるので、待ち時間短縮が有難い。ただ次回は口腔外科の経過観察の予約が朝一番に入っているので、それを終えてから腫瘍内科になる。
 いつもどおり4週間分の各種内服薬に加え、ドンペリドンを2回分(10日分)処方して頂き、化学療法室へ向かった。

 今日は予定通りハーセプチンとジェムザールだ。化学療法室へ移動し、待ち時間には夫やお友達に報告LINE。今日はとても混雑している様子で、内側の椅子の前のカーテンも全て閉まっている。これは開始が間違いなくお昼を大幅に過ぎてしまうな、と思っていると、15分ほどでOkさんから案内される。しかも外側の外が見える一番奥の端の席。私の好きな特等席だ。「ラッキーでしたね、ちょうどいい席が空きました!」とのこと。

 針刺しは今日もMさん。前回がお上手だったので、今日もうまくいきますように、とリラックスして横になるとあまり衝撃なく無事終了。「大丈夫でしたか。」と言われ「はい、大丈夫でした。」とお答えする。針刺技術の腕が進化されているのが嬉しい。その後30分ほどしてヘルプのSさんが薬を準備してこられた。「今日は混んでいますね。」と言うと、「そうなんです。それで私もヘルプに呼ばれました。」とのこと。「おかげさまで今日は2冊読めそうです。」とお喋り。

 今日は、3.3倍量のハーセプチン、デキサート(ステロイド)とアロキシ(吐き気止めのセロトニン拮抗薬)の混合、5割減量のジェムザール、生理食塩水の4本。
 まずはハーセプチンを1時間ちょっと、吐き気止めは20分。ジェムザールの30分強に最後の生理食塩水の15分弱。生理食塩水に替えたところで、Kwさんが血圧を測ってくださる。118-65、脈拍は63。白手袋をして本を読んでいる私を見て、「これを貼って爪周りをコーティングすると良いですよ。」とシルクシートを10㎝ほど切ってくださる。なるほど、ネイルよりも爪へのダメージがなさそう。以前、爪の強化のためにジェルネイルを施したところ、オフする度に爪がペナペナになり、これはダメだ、と止めてから随分経つ。いい小道具があるなら使っていきたいと思う。

 抜針はOkさん。さすがに早業でちょっとした衝撃をも感じさせないのは流石だ。「ちょうど2冊目を読み終わりました!」と言うと、「自分も(どんどん増える本に)悩んでブックオフを利用したりするのだけれど、本はどうしているの?」と訊かれ、「何年かに一度、自分の体重くらい始末していますが、また床置き状態になってしまって、夫からも(何とかしろと)言われているので、私が死んだら病院に寄付してとお願いしてあります。」と答えると、「うわー、そんなこと話題になっちゃうんですね、○○さんレベル(ステージ4の患者歴10年弱)が言うと・・・うーん、凄いなあ、でもご主人はそんな先のことでなく、今のことを言っているんでは?」とウケてしまい、二人で笑い飛ばす。ひとまず病院に寄贈が出来ることは確認。これはお世話になった病院に対する私の遺志なので、しっかり送ってもらわないと。

 会計をお願いしてから、タイミングを見て採血・点滴で5万円弱をカード支払い。
 外は相変わらず灰色の雲がたれこめている。日傘は出る幕がない。暑くなく寒くなくではあるが、やはりちょっと滅入るお天気だ。薬局へ移動。待合椅子に座っている人が結構いて、順番も抜かされて40分ほど待つ。予備があるロキソニンと酸化マグネシウム以外の5種類の薬ビニール袋一杯に受け取り、2,000円強を現金払い。

 今日は待ち時間が長かった。病院と薬局の滞在時間は7時間。ああ、ランチタイム間に合わない・・・。それでも何かお腹に入れて薬を飲まなくてはと、ダメもとで駅ビルのレストラン街を覗いたら、まだランチの看板が出ているお店があって、和定食を頂くことが出来た。
 食事が終わったらもう夕方近く。快速電車も終わってしまい、電車は早くも混み始めていた。席が確保出来ず、立って揺られているとだんだんしんどくなってくる。それでもヘルプマークを見せて優先席に座る勇気もなく、なんとか耐えて乗換駅へ。
 今日も夫が夕飯不要というので、乗換駅で自分が食べられそうなサンドイッチとゼリーだけ調達。最寄り駅からは当然タクシーに乗るつもりだったが、またしても車が一台もいない。さらに待っている人が何人もいたので諦めてヨレヨレしながら帰宅。

 帰宅時間は仕事をして帰ってくる時間と変わらず。最低限片づけて、さっぱりしたアイスクリームだけ頂く。食欲はないし、熱っぽく怠い。夫が帰ってきたけれど、申し訳なくも私はリビングのソファで横になったまま。

 明日は木曜日。また午後の会議のため3週連続の出張だ。まだ夕食も摂れていないけれど、薬を飲むために少しだけお腹に入れておかなくては。
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2017.9.18 台風一過、頭痛も鎮まり合唱練習へ

2017-09-18 22:13:15 | 合唱
 昨夜、同期の友人から連絡が入り、30年以上前にN響のバックコーラスで歌った映像がEテレの「クラシック音楽館」で流れることを知った。当時は録画もしていなかったので、早速録画。夫と一緒にワイワイ言いながら見た。
 指揮は9年前に亡くなったホルスト・シュタイン氏。汗びっしょりでタクトを振るチャーミングな姿を懐かしく見た。ああ、父と同い年(しかも同じ5月生まれ)だったのだ、と今更のように知る。恐れ多くも二期会合唱団とご一緒している私たち、怖いものなし、学生合唱団である。自分はその後、30数年の齢を重ね、押しも押されもせぬおばちゃんになったが、当時の先輩や友人たちは、若い顔のまま、記憶が上書きされていない方たちが沢山。思わず、「〇〇さん!、○○先輩!」と声が出る。

 連休3日目、台風一過の今朝は素晴らしいお天気になった。雲一つない抜けるような青空だが、南から暖かい空気が流れ込んで最高気温は33度だという。この気圧の大変動の所為か、朝から頭が割れそうに痛む。朝のリラックスヨガを予約していたが、諦めてベッドでキャンセル。BSで朝の連続テレビ小説を視た後、二度寝を決め込んでいると、待ち草臥れた夫が朝ごはん先に食べるけど・・・と言うので、ノロノロ起きてみたら姿が見えず。
 とりあえずこのお天気を逃す手はない、と頑張って寝具等大物も含め、洗濯機を2回廻しながらベッドメイキング。一刻も早くロキソニンが飲みたいのに、お散歩に行ったのか、鉄砲玉の夫はなかなか帰ってこない。待つのを止めて朝食を先に頂き、洗濯を干し始めると、帰ってきた。クリーニングを出しに行きながら、帰りに野球場で大学野球の試合を眺めて来たとか。

 洗濯を干していると、今度は実家の母から電話。敬老の日のお花とお菓子が届いたとのこと。今年は、いつもお願いする花屋さんから白と紫のミックスの「白寿」という名前が付いたリンドウの鉢植えを贈った。こんなリンドウは初めて見たと喜んでいた。
 洗濯後は大急ぎで掃除を済ませる。ようやく頭痛が落ち着いてきて、合唱練習に向かった。車内では今日も楽譜を見ながら口パク練習。

 練習場最寄り駅前で、前から気になっていたお店でキッシュのランチを頂き、練習場へ。またしても発声練習に遅れてしまったが、まだまだ少ない人数だ。最初に邦人曲「夜明けから日暮れまで」を丁寧におさらい。今日もソプラノが優勢で、アルトが少人数。現役が数人入ってくれているので、若い歌声に励まされる。参加者もだんだん増えてきて、全部で30名近くになった。
 続いてSteve Dobrogoszの「Hallelujah,Too」を。いつもクラシックのピアノを弾いておられる伴奏のFさんがジャズピアニストに進化されており、こちらの歌声もだんだんそれらしくなってきた。楽しい。

 休憩後は「Swingin’ With the Saints」。学生時代の定期演奏会で黒人霊歌を何曲か歌ったけれど、今回のようなジャズアレンジではなかったので、結構苦労している。最後にはパフォーマンスも予定されており、ちゃんと出来るかしら、といった感じ。でもせっかくの機会だ。愉しんだもの勝ちの精神でいきたい。

 今回は以上3曲がメインだが、長短のステージが一つずつあるので、長い舞台では、ゴスペラーズに委嘱して10年前に初演したというカレッジソング1曲と、邦人曲1曲を追加で5曲のお披露目。どちらも数年前にこの合唱団で歌ったことがあるが、復習の意味を込めて何度か通しで歌って本日の練習はおしまい。

 次回は10月。ここでジャズバンドとの1度切りのコラボの練習があり、翌週最後の練習、ゲネプロを経てその次の日曜日が本番だ。今日は当日の衣装の打ち合わせもあり、いよいよ本番が近づいてくることに胸が高鳴ってくる。

 帰りは乗換駅で夫と合流。来年の手帳を買い求め(今年もあと100日ちょっと!)1週間遅れで夫の誕生日ディナーと洒落込んだ。お気に入りのイタリアンレストランはいつも混んでいるのだけれど、まだ時間が早かったので予約なしですいっと入れた。
 ビールもワインも欲張って、夫は真っ赤っかでご機嫌である。私も久しぶりにお腹一杯デザートまで楽しんだ。ここのところ休日は地味に(というか夫が頑張ってくれて)お家ご飯だったので、外食は久しぶり。

 帰りの電車で夫はiPodを聴きながら爆睡。私はしつこく楽譜を見ながら口パク復習してきた。最寄り駅に降り立つと、日中の暑さはどこへやら、すっかり秋の虫たちが鳴き、涼しい風が吹いていて心地よい。いい気分だ。
 さて、そんなこんなであっという間に3連休終了。明日一日仕事をしたら、水曜日はまた治療日がやってくる。患者会のMさんがホスピスにお入りになったことを知り、心が塞ぐ。ご本人はとても快適だと仰っているというのだけれど・・・。



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2017.9.17 均整術師養成コース基礎講座・補講参加

2017-09-17 20:17:55 | 均整術
 大型の台風18号が近づいている。あまりの暴風雨だったら参加を見合わせようと思っていたけれど、起きてみたら電車は通常運転。予定通り均整術養成講座の補講に参加することにした。
 7月に30時間の基礎コースを修了してから早くも2か月近くが経過した。母にお試し施術をしただけで、なかなか他の人たちを相手に実践する機会もない。このまま殆ど練習することなしに10月の応用コースに突入するのも不安である。というわけで、「基礎コースでお休みした日がある方たちを対象に金曜日コース、日曜日コースそれぞれ1日補講を開催しますが、休んでない人でも卒業生でも参加したい方は参加OKです。」というK先生のご厚意に甘えた。

 今日はいつものSさんのスタジオではなく、都心にある初めての場所だ。夫がプリントアウトしてくれた地図を持って、レインコートを着込んで、いざ出発である。
 私鉄と地下鉄を乗り継ぎ、途中電車の遅れもあって、家を出てからスタジオ到着までたっぷり1時間半以上かかってしまった。私が最後の到着だったが、なんと僅か6人の参加者という贅沢さ。いつもご一緒するHさんは午前中だけの参加ということで、ペアワークも途中からは先生が入って行うことになった。

 せっかくの少人数だし、一通りやったことのある人ばかりなので、質問に答える形で進めましょう、となる。股関節周りが硬くて前屈、開脚が苦手、骨盤周りの痛みや腰痛がある、足が攣る等それぞれの悩みが上がる。

 開脚では、開脚そのものの練習よりも、深層外旋六筋(中臀筋、上・下双子筋、内・外閉鎖筋、梨状筋)を緩めると良いというのは驚きだ。これらの筋肉が硬いと、全後屈、開脚が上手く出来ないという。確かに実際にお尻周りを解してから開脚すると、何もしていない時よりもずっとスムーズになるのが実感できる。
 痛い所は筋肉が伸びている所で、本当に硬くなってしまった所は痛くないのだという。そのため、本人は気づかず、知らないうちに身体がストレスを溜めている。だから、コリを解すと免疫力がアップするそうだ。

 昨日、月に1度のお楽しみリフレクソロジーサロンで、下半身スッキリコースをお願いして鼠径部も解して頂いたはずなのに、開脚するともう突っ張る感じ。先生にリンパを流してみようと言われて施術して頂く。両手で1分ほど圧迫して血流を止めた後に開放すると、身体がポカポカとして時間差で血液とリンパ液が流れていくのを実感する。

 前屈する時も、まずは前脛骨筋を肘で揺らしながら解してから。するといつもは全然くっつかなかった腿とお腹がくっつきやすくなる。いくらハムストリングスを柔らかくしても、前脛骨筋が硬くなっているとうまくいかない。身体は本当に繋がっていることを改めて体験する。

 遅めのお昼休みは雨の中、若いお2人とファミリーレストランへ。雨は結構降っているが、風はまだそれほどではない。天候によっては少し早めに切り上げましょうというお話だったので、お喋りも楽しかったけれど、早々に頂いてスタジオに戻った。

 午後は顔人形法(眉間が顔、鼻は首から骨盤まで、眉が手で、ほうれい線が脚に対応する)の復習をしながら、身体の腰辺りに対応する小鼻の周りから解していく。先生も、何十年も施術をしていてなぜ鼻の脇周りを解すと開脚が出来るようになるのか不思議であるとのこと。出産を経験している女性はこの部分はあまり痛まないが、そうでない女性は痛みが大きいようだ。前頭筋から頭頂筋、眉の上下、目の上下、ほうれい線、側頭筋、耳たぶや下顎骨等一通り顔のマッサージをペアワークで実践。お腹は一杯だし、気持ち良くて眠くなってきてしまう。

 続いて坐骨神経痛のある参加者や、実際に1週間前にヘルニアになってしまったというゲストがいらして、先生が施術するのを見学。私もかつては椎間板ヘルニアで苦しんだことがあるので、腰は今もかなり硬いし、治療の副作用とは別に足の痺れもあるので、とても勉強になる。

 さらに足裏人形法。リフレクソロジーは足裏の反射区でどこか弱い部分を施術していくが、なるほど、この絵(両足裏を揃えた時、両親指の間に顔、足指から足裏上部が首肩ライン、両足の隙間が脊柱、かかとが骨盤に相当)で覚えると判り易い。首・肩のラインを解した後は、脊柱を解す。リフレクソロジーでは最初にどこが不調か、それが施術によってどうなったかを確認するタイミングはないけれど、均整術では最初に椅子に座って両肩を上げてもらって様子を見、施術後にそれがどう変わるか本人も確認出来るのが判り易い。

 最後に足が攣るメカニズムから避けるべき食生活や対処法を伺い、浮腫み、コリとしこりの判別等々、多種多様な質問に次々に答えてくださり、予定時間より20分ほど早めに終了。10月からまた宜しくお願いいたします、とご挨拶してスタジオを後にした。

 外はしっかり雨降りで、僅か5分の駅に着くまでにびしょ濡れになってしまったが、身体はポカポカ。連休2日目、充実した1日を過ごすことが出来た。
 最寄り駅からタクシーで帰りたかったが、長蛇の列で諦め、再びびしょ濡れになって帰る。それでも帰宅後は夫の夕飯が待っていてくれて、感謝して頂く。
 明日は合唱練習。3日間ともあれやこれやと過ごしたら、また治療日が目前、ということだ。

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2017.9.15 夜間の外来がん治療、本当にいいことばかりなのか

2017-09-15 21:40:17 | 日記
 毎日新聞のネット記事を読んでいて、これは凄い、と思うと同時にでも本当にそれで大丈夫なのかしら?と思った。以下、転載させて頂く。

※   ※   ※(転載開始)

どうすれば安全安心
夜間の「外来がん治療」 仕事と両立、待ち時間短縮(毎日新聞2017年9月14日 東京夕刊)

 外来治療の日中と夜間の違い(表:略)
 がんは日本人の2人に1人が一度は患うと言われている。治療法が進歩し、通院しながら抗がん剤治療(化学療法)を受けることは可能になった。だが、長期間に及ぶため、仕事と治療の両立が困難になり離職してしまう患者も多い。そこで注目されるのが、外来の夜間治療だ。【庄司哲也】

生活リズム変えずに/患者の家族も負担軽減/スタッフの確保難しく
 「見舞いに来た会社関係者が、治療中の患者に離職を促している光景を目にしたことがあります。がんになったことを周囲に悟られないように苦労されている人もいます。そのような人たちに配慮した治療ができないかと思っていました」。そう話すのは、群馬県高崎市の日高病院化学療法センター師長の徳満(とくみつ)葉子さんだ。
 同センターは2014年1月から、群馬大医学部と提携し、就労支援として金曜日の夜間(おおむね午後5時半~午後9時)の外来化学療法を導入している。がんの種類は、消化器がん、肺がんなど日高病院が診療科を設けているもの。現在は病院が実施する送迎サービスも使い、県内の約20人の患者が、夜間に治療を受けている。
 同病院が、スタート時に夜間治療を受けた患者29人に、選択した理由を尋ねたところ、勤務後の治療を希望したのが19人、付き添いの家族の勤務後の治療を希望したのが4人、その他は「遠方に住んでいる」「生活時間を変えたくない」などといった理由だった。
 夜間治療の最大の利点は、抗がん剤を点滴するまでの待ち時間が短くなることだ。一般的な外来化学療法は次のように進む。
 来院後、採血→白血球や赤血球の数などを調べる血液検査→医師による診察→点滴する抗がん剤の調製(ミキシング)→点滴を開始--。大規模な病院の場合、午前の診療開始直後に受け付けをしても、点滴終了まで数時間に及ぶこともあり、治療が終わるのは夕方になることも珍しくない。
 がん患者にとって治療で平日に休まなければならないのが、仕事を続ける上での高いハードルだ。夜間ならば、生活のリズムを変えずに治療を受けやすいし、がん患者に限った検査や診察になるので治療時間の短縮につながる。
 日高病院が化学療法の点滴の開始までにかかった日中と夜間の平均時間を比較したところ、日中は83分だったのに対し、夜間は49分だった。患者側の負担軽減だけではなく、病院側にとっては検査や診察に追われることが少なくなり、医療ミスが発生しにくくなるメリットもあるという。
 年間約100万人が新たにがんになる時代だが、働きながら治療を続けられる状況とは言い難い。内閣府が1月に発表したがん対策に関する世論調査の結果によると、治療や検査のため2週間に1回程度通院しながら働く環境が整っているかを聞いたところ「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」という回答が64・5%に上った。さらに治療と仕事の両立が難しい理由を尋ねたところ「代わりに仕事をする人がいないか、頼みにくい」が21・7%で最多。続いて「職場が休みを許すかわからない」が21・3%だった。
 静岡県立静岡がんセンターの研究グループの調査によると、がん患者の34%が依願退職や解雇で仕事を失い、自営業者の17%が廃業を余儀なくされている。一方、がんを患い仕事ができないことによる労働損失が年間最大約1兆8000億円に上るという推計もある。
 日高病院副院長の成清(なるせ)一郎さんは「夜間化学療法のスタート時に、治療で有給休暇を使い切ってしまい、これ以上会社を休むと減給になるという患者さんがいました。治療費が掛かるため収入を得なければならない。そのような人には夜間の利点は大きいのです」と語る。
 夜間化学療法には、課題もある。徳満さんは「実施できたのは、この病院が透析施設として多くの患者さんを受け入れ、夜間透析も行っていたことが大きい。勤務体制をどうすれば実施できるのか。それは悩ましい問題です」と明かす。同病院の取り組みについてほかの医療施設から問い合わせをよく受けるが、その多くは「スタッフから反対はなかったのか」という質問だ。
 化学療法を行うには、医師、看護師のほか、薬剤師や医療事務ら多くのスタッフが関わる。患者の体調や副作用によって、抗がん剤の投与が中止になることがあり、スタッフの勤務が無駄になる恐れがある。実際に日高病院では夜間化学療法が予定されていた患者全員に投与できない事態もあった。このため、同病院では夕方で勤務を終えた看護師が超過勤務で対応しており、現状はスタッフの「やる気」だけで乗り切っている側面がある。実際、県内のほかの医療施設も、夜間化学療法を検討したが、勤務体制の問題が障害となり実施に至っていない。
 がん患者の治療を夜間に行っている施設はほかにもある。化学療法ではないが江戸川病院(東京都江戸川区)では、高精度放射線治療装置「トモセラピー」を使い、午後10時まで治療に当たっている。
 がん治療と就労の問題の解決に向け、昨年、改正されたがん対策基本法では、企業などにがん患者の雇用継続などへの配慮に努めることが明記された。ただ、具体的な取り組みが進んでいるとは言えない。
 日高病院と連携し、夜間化学療法に取り組む群馬大大学院がん治療臨床開発学講座特任教授の解良(かいら)恭一さんは「夜間化学療法が患者や家族の就労に利点があることが確認されています。患者の就労支援のために47都道府県に1機関は、夜間化学療法が行われる施設が配置されるのが望ましい。そのためには医療機関側の努力に頼るだけでは限界があり、行政の支援も必要となります」と訴える。
 「治療と仕事の両立が困難になっているのに医師に打ち明けられない患者さんもいます」(徳満さん)。まずは、仕事を続けられる治療があるかどうかを医師や看護師らに相談してみることが大切だ。

(転載修了)※   ※   ※

 私の治療日記を読んでくださっている読者の方々は、私の通院日のタイムスケジュールを概ねご理解くださっていると思うが、外来がん治療が一日がかりとは、経験がない方にはなかなか理解しがたいものかもしれない。

 大きい病院だから、記事にあるとおり来院受付から採血(やレントゲンなどの検査)、診察にいたるまで、つまり先生にお目にかかるまでに概ね2時間はかかる。そして診察後、薬が届いてから点滴が始まるまでの準備に小一時間、点滴は本数にもよるけれど、始まってから、短い日が1時間半弱、長い日が2時間半弱である。となると朝一番に行って検査、診察、治療を済ませ支払、薬局で薬を受け取ると、15時クローズのランチタイムには間に合わない、という状況だ。

 これでも体力温存に加え、朝一で受付出来るように前泊して8時には病院に入っているので、15時前に終わっている。けれど、これが例えば1時間遅れて9時に入ると、押せ押せでどんどん待ち時間が長くなる。下手をすると会計する時には17時を回っていて「救急窓口でどうぞ」になったり、ということもある。冬は真っ暗。これはちょっと切ない。

 もう昔のことになるが、毎週のハーセプチン点滴で休暇を頂き始めた時分(毎週、つまり年間52回休むとなると、年間20日の年次休暇では到底足りない)、職場の上司に相談した時、「土曜日や日曜日には治療できないのか」とか「丸1日休まないで時間休で抜けることは出来ないのか」と訊かれたことがある。
 まあ普通のクリニックでちょいと1本注射をしてくるなら充分それもOKということで、決して悪気はなかったと思うのだけれど、かくかくしかじかで病院も月曜日から金曜日迄で、土日は開院していないし、平日でも朝からこういう流れなので1日がかりになります、と説明した記憶がある。

 もちろん15時に解放されて(昼食は点滴椅子に座ったままおにぎりやサンドイッチで済ませるとして。)薬の大袋を持って職場に直行すれば17時前に到着しないことはない。けれど、それから1時間強、加えて溜まった仕事を整理すれば残業は必至だ。疲労と副作用のだるさや気持ち悪さに苛まれてしっかり職責が果たせる自信はない。
 それならその日は通院だけに特化して、身体を休めて翌日に備えた方がよほどコストパフォーマンスが良いだろう。そう思って今は1日休暇を頂いている。

 そんなわけでこれ迄9年半の間、職場の理解を得て平日に病気休暇を頂いてこれまで治療を続けられてきている。
 これが夜間通院可能になったら、確かに仕事を終えてから病院へ出向き、待ち時間も少なく治療が出来る、というメリットがある。
 けれど、フルタイムで働いた後、私が病院に出向くとなれば、定時に職場を飛び出しても到着は19時前になるだろうか。待ち時間はどんなに短くとも点滴開始は20時になるだろう。終了は早くて21時半、遅くて22時半。帰宅はシンデレラ宜しく24時になってしまう。
 そんな時間に抗がん剤治療を受けるのはやはり身体への負担が心配だ。まあ治療を始めたばかりで若くて元気!ならそれもありかもしれないけれど、いざ再発してエンドレスに抗がん剤治療が必要な身となると身体をだましだまし少しでも長持ちさせていかなければならないから、治療以外での大きな負荷はかけたくないというのが本音だ。

 職場の隣が病院というのならまだしも、私のように8時に着いて15時に解放されたって通院往復の移動時間を加えればプラス2時間ないし3時間、というのが普通ではないだろうか。徒歩5分の大きな病院に通える患者さんはそれほど多くはない筈だ。上記の記事では昼より夜行うことで待ち時間が30分ほど縮減されるようだけれど、それにしたって上に書いたとおり就業後からの通院は残業を数時間しているのと同様、大きな負担になるだろう。

 また、土日の休みに治療をしてもらえるとすれば、投与後の体調不良で休日はほぼ潰れるだろう。家事や余暇を過ごすどころではなくなるのは目に見えている。月曜日から金曜日まで働いて、土日に治療をしたら、身体を休める時間は一体どこにあるのだろう。

 さらに医療関係者側だって、どうだろう。上記にもあったけれど、患者の体調によっては当日投与キャンセルがありうる。残業体制で複数の方たちが残ってスタンバイして、結局無駄になるということだ。さらに彼らにも家庭やプライベートがあるのだから、この残業をするためにどこかに皺寄せが行くことは明らかだ。どこで代わりの休みを取れるのか、心配だ。人間だから平常以上に疲弊してくれば必ずミスの恐れも出てくる。

 これは消費者が夜遅くまで働いているから少しでも便利なように、とスーパーが深夜営業をするのと同じなのではないかという懸念がある。ただでさえハードな職場である医療現場で働く人たちの生活を誰がケアするのだろう。

 こう書くと、病気休暇が保障されているお前は恵まれている、と言われてしまうかもしれない。仰るとおりだ。どの職場でもこうした対応が出来るわけではないという厳しい現実もあるだろう。
 けれど、そういう選択にはメリットもあるけれど、こんなデメリットもあるのだ、ということを少しでも多くの人に分かって頂きたい。そして、今や2人に一人がこういう生活をする可能性があるのだからこそ、治療で休暇を取るということを普通のこととして受け入れ、皆で分かち合ってもらえないのか、と思うのは甘えなのだろうか。

 さて、ようやく金曜日。
 今月末から後期が始まる息子が、珍しくその合間に3泊4日で帰省していた。別に用事がないならそんなに無理して帰ってこなくても、と言ったのだけれど、実家の母のところへ御機嫌伺いに行ってくれたり、4月から東京で働き始めた先輩に面会したりと、リフレッシュして帰って行った。
 今晩からまた、夫婦2人の生活である。
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