ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2017.9.12 とかくこの世は住みにくい・・・インスタ女子に思うこと

2017-09-12 21:46:43 | 日記
 毎日新聞の記事を読んでいて、これは大変、さぞや疲れるだろうとため息が出た。長文だが、以下、転載させて頂く。

※   ※   ※(転載開始)

いいね!求め旅するインスタ女子(毎日新聞2017年9月11日 東京夕刊)

 スマートフォンを使って写真や動画を投稿する「インスタグラム」に若い女性が夢中になっている。公開した写真が評価されると「いいね!」をもらえ、共感し合えるところが魅力なのだとか。「嫌消費」と言われてきた若者が、こぞって写真映えするレストランや旅先に押し寄せ、経済に与える影響も侮れない。【鈴木梢】

承認欲求満たす中毒性
 9月に入り、秋めく宵。気温は20度余りで肌寒いというのに、東京プリンスホテル(東京都港区)で入場を待つ行列の先にあるのはナイトプールだった。この夏一番の「インスタ映え」スポットとして脚光を浴びた。
 プールの入場料は、男性より1800円安いとはいえ女性4200円。それでも7月初旬からの集客は2カ月間で約2万人。天候不順だった8月もチケット完売の日が続いた。プールサイドに立つと、東京タワーがそびえる別世界。色鮮やかなLED(発光ダイオード)ボールが水面を照らす。写真に撮ると水辺に光が映る幻想的な世界が広がるが、違和感を禁じ得ない。プールの中でも誰もスマホを手放さず、泳がない。「顔を水に付けず、髪もぬらさない」。それが鉄則だとプール際にいたインスタ女子に教わった。
 福井県から来た女性会社員(23)は、ユニコーン形の浮輪に乗ってポーズを決め自撮り。「汗でメークが流れちゃうから、涼しいぐらいがちょうどいい。今夜だけで500枚は撮って、厳選された奇跡の1枚を投稿します。やっぱり『いいね!』をもらえると満たされる。たとえナンパされたとしても、誰も見向きもしませんよ。みんな撮影目当てで、それどころじゃない」
 都内に住む20代会社員の2人組は、城やパレード、キャラクターと撮影意欲が高まる「インスタの聖地」、東京ディズニーリゾートに通う。「撮影に夢中で、アトラクションには乗らなかったよね」と振り返った。
 コラムニストの辛酸なめ子さんは「テーマパークで笑って写真を撮った後、疲れた表情の女子を見ると、本当に幸せなのかと思ってしまいます。最新の服を買って写真を撮り、投稿後にすぐ売ってしまう人もいるそうです」と語る。
 最近は「可愛すぎる」と撮影したアイスを食べず、ゴミ箱行きにしていることが問題視された。投稿したらもう価値がないということなのか。
 「キラキラした部分ばかりを投稿しているので、表面的な幸せ感を追い求め、写真自慢合戦をしているかのようです。他人の人生と比べてしまうと妬みなど負の感情を生む副作用もある。それでも『いいね!』をもらう充足感には中毒性があるので、やめられないのかもしれません」。辛酸さんは、インスタ女子が投稿を通して承認欲求を満たすことを「インスタベーション」と呼ぶ。

悪意に触れないオアシス
 プールの幻想風景を抜けだし、近くにあるカフェで作家のはあちゅうさんと待ち合わせた。インターネットのブログで注目を浴びたはあちゅうさんは現在、インスタのフォロワーが3万3500人いる。「誰かとつながりたい、認められたいという欲求はいつの時代もありますが、今はそれを数値化できるのが面白い。インスタは女性誌の世界と同じ。憧れのライフスタイルを垣間見て、同じ場所に行ってみたい、着こなしをまねしたいと思う。美しいものだけをめでる世界観がみんなにとって居心地がいい」
 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の中でも、文章が中心のフェイスブックやツイッターに対し、インスタは画像での情報交換が中心。「ツイッターを例えるなら週刊誌で、下世話な話に『いいね!』が付きやすく、炎上しやすく怖い面もある。ツイッターで自撮りすると『自分大好き』と中傷の的になるけど、インスタでは『いいね!』と褒められる。だから、悪意に触れなくて済むオアシスなのでしょうね」
 だが、SNS疲れの先に行き着いた「楽園」も揺さぶられ始めている。インスタ映えを求めて群がる様子を「インスタ蠅(ばえ)」と皮肉る言葉がささやかれ始めた。「『いいね!稼ぎ』と言われても憧れの自分に近づこうとしている女子、私は好きです。自分の人生に『いいね!』を増やしたいと思うの、ダサいですか? 私、幸せになりたいし、人から幸せと見られたいですよ。幸福度を高めるためのインスタって、間違いじゃない」。はあちゅうさんはプールで戯れている女子の気持ちも代弁する。「すてきな写真が撮りたくてダイエットを頑張った子もいるだろうし、かけがえのない思い出も作れた。ホテルも水着業界も潤って、みんなハッピーじゃないですか!」

「若者が発信」市場を動かす
 世界で利用者7億人を突破したというインスタ。総務省によると、日本でも20代の約半分、10代と30代の約3人に1人が利用している。インスタを見て買い物や旅先を決める若者も多く、企業にとっては広告に活用しない手はない。
 博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さんは「若年層の市場を動かす力があり、大手企業は既にインスタを活用したPR戦略に取り組んでいます。感度の高い若者が自ら行動して商品の写真を載せ、まねしてみたいという人に広がる。企業から発信する従来の手法から転換したと言えます」と話す。
 多くのフォロワーを持つ「インスタグラマー」と契約してビジネスを展開する「スナップマート」は、企業から依頼を受けて商品の広告写真を撮影する。ロボット掃除機「ルンバ」も広告商品の一つだ。
 契約するインスタグラマーは主婦や会社員も多い。その一人、3万人のフォロワーを持つインスタ名「sherry_1113」さんは、企業の依頼でセレブ御用達のアクセサリーや時計だけでなく、アイドルも撮影してきた。サービス会社に勤め、カメラは副業。日常の風景の中で商品を生かす撮影手法は、プロの広告写真とはひと味違う。
 「インスタグラマーは飛び抜けて美人だったり、カリスマ性が高い人だったりではなく、見た人にまねできそうと思われ、ちょっと先を行く人がちょうどいい。インスタの女王と言われる芸人の渡辺直美さん(フォロワー710万人)や、モデルのローラさん(同460万人)である必要はなく、フォロワーが1万~3万人ほどの親和性の高い女子の写真は購買に結びつきやすいんです」
 そう語るのは、スナップマートの江藤美帆社長。だが、「画像ファースト」の風潮で、健全な商業活動が成り立つのか。「見た目アピールが上手なところが生き残っていると思われがちですが、見栄えのいいものが本当に売れているとは限らない。中身が伴わないものは、悪い口コミもすぐに広がるものです」
 インスタはどこへ向かうのか。江藤さんは答える。「磨き抜かれた世界で、投稿する側も背伸びしているから、みんなつらくなってきています。先を行くアメリカではすでにリア充(リアルな生活が充実している人)をアピールするのは格好悪いという風潮になっていて、セレブもあえて日常を飾らなくなってきた。そろそろ日本にもその流れが来る頃でしょう」
 美を極める女子の園と化したインスタも、等身大になれば違う景色が広がるかもしれない。

<担当記者から(鈴木梢)>
 写真や動画を投稿するアプリ「インスタグラム」の撮影スポットに女性たちが群がっている。投稿を見た人から「いいね!」をもらえるレストランや商業施設、旅先は大盛況。経済をも動かす女子の世界に潜入してみると、自分を肯定されたいという封じ難い欲求が渦巻いていた。

(転載終了)※   ※   ※

 インスタグラムはやっていないし、やるつもりもない。それどころかツイッターもフェイスブックもやっていないし、やるつもりもない。かろうじてやっているのはLINEとこのブログだけ。そんな50代後半の私が、若い人たちの流行にどうのこうの口を挟むことでもないけれど、息子も含めSNS疲れしている若者を見ると、さぞや生き辛く大変だろうな、と思う。

 このブログでも例えば旅の画像なりをアップしようと思えば出来るけれど、それはしない、と決めている。1枚でも載せ始めると、今以上に管理するのが大変になるだろうし、映える写真を撮るために時間が取られることが目に見えているからだ。
 なので、ひたすら文章だけ、の地味かつ読みにくいブログをほぼ自分の記録のためにチマチマと書き続けている。

 とはいえ、ご他聞にもれずスマホで食事等の写真を撮影することはある。今や老若男女が、レストランで食事をする前にスマホを構えて、角度を変えたり調整している姿は決して珍しいものではなくなった。

 SNSでその画像をアップする予定の人は何よりその使い道があるにせよ、はて、私は一体何のために撮っているのだろう・・・そう思ったら、最近それもしなくなってきた。まあひたすら記録のために過ぎないから、意味があるとしたら一人でもちゃんとご飯食べてるよ、と夫に連絡する時、くらいだろうか。しようもない写真がスマホの容量を食っていくのもなんだかなあと思うようになってきた。

 かつてはレストランで写真をパチパチ撮るなんていうのはあまり格好のいいものではなかったし、店側もいい顔はしなかったように思う。けれど、今やそれがどんなPRよりも大きな威力を持つとしたら、痛し痒しで黙認するしかないのだろう。
 
 それにしても、人にとって承認欲たるものはそれほど強いものなのだと改めて思う。誰かに「いいね」と言ってもらいたい。そんなに自信がないということか。そうしてもらわないと自己肯定感を高められないということか。
 もちろんちょっと背中を押してほしい、誉めてほしい、もろもろあるだろう。でも全くどこの誰かもわからない人、何百人何千人に誉めてもらって(いいねと言ってもらって)それがどうなのだろう、とも思う。分かって欲しい人、自分にとって大切な人に認めてもらえればそれで充分ではないかとも。妬み嫉みの対象になることだって考えられるではないか。

 だから凌ぎを削って-上の記事にあるように、「行動は全て奇跡の1枚を撮るためにありき」で、プール遊びやテーマパークのアトラクションなど本来の楽しみはそれに及ばない付随するものとして扱う-、いかに自分が充実しているか(写真映えする生活を送っているか)をことさら全世界にアピールしなくても、とも思う。でもそう言ってしまえば、このブログについてもそう感じる人がいるのかもしれない。

 もちろん市場経済から見れば若い人たちが消費に走ってくれることは有難いことなのだろう。それでもやはり、お疲れ様、そういう時代に若者でいなくて良かったかも・・・と思ってしまう私は、もはや時代遅れの存在なのだろう。

 久しぶりに届いた今月初めての切り花は、濃いピンクと白のミックスカーネーションと淡いスプレーカーネーションが3本ずつ、濃淡の赤紫のセンチュリーケイトウが2本とミスカンサスの葉。花言葉はそれぞれ「女の愛」、「素朴」、「甘い夢」だという。
 ガラスの花瓶に投げ入れたら、我が家にも小さな秋がやってきた。
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2017.9.10 復調、合唱練習へ

2017-09-10 21:08:53 | 合唱
 昨夜も早めにベッドに入ってたっぷり眠ったせいか、ようやく復調。朝は早めに目が覚める。夫はそのまま寝かしておいて洗濯機を廻すこと3回。干し終わって朝食の準備が整ったところで起きて頂く。ドンペリドンは飲んだけれど、いつも通りにトースト1枚を食べ切ることが出来た。

 食後は合唱曲の音源CDをバックミュージックにハミングしながら掃除に励む。2週間ぶりの練習、1か月以上空いてしまった前回より間が空いていないので、思い出すのも断然早い。

 これまで2回続けて発声練習が終わる頃の到着だったので、今日は反省して早めに支度を終えて家を出る。スーパーに用事があるという夫と最寄り駅まで一緒に。電車の中では不審な人よろしく、楽譜を見ながら口パクで練習。練習場の最寄り駅で軽くランチを済ませる。
 今日はほぼ時間通りに到着し、出席簿に〇をつけたが、まだどのパートも2,3名がポツンと椅子に座っているといったところ。発声練習前の軽い運動からスタートし、三々五々集まり始める。
 発声前、肩や胸を開く準備運動はヨガとびっくりするほどよく似ている。結局、何をするにもポイントは胸を開くことだなあと改めて思いながら発声練習に入っていく。

 今日は邦人曲を最初に丁寧に練習。東日本大震災を契機に生まれた “夜明けから日暮れまで”という曲は、「鎮魂と再生への祈り」が込められた和合亮一さんの詩が素晴らしい。その言葉を乗せ、懐かしい人たちを想い、蘇らせ、前へと進む力を与えてくれるような信長貴富さんの美しく力強いメロディも感動的だ。とても素敵な歌で、ついつい思いがこもってしまう。

 この曲は福島県で毎年3月に行われる「声楽アンサンブルコンテスト全国大会」のテーマ曲だ。2011年、震災によって第4回大会は中止になったが、翌年全国からの沢山の応援や励ましの中で第5回大会を開催することが出来たという。大会の再開を記念し、全国に溢れた皆の思いを紡いでいくために作られたという全体合唱曲なのである。歌うことが出来る喜びや感動に溢れた第5回大会の後の大会からは、全体合唱曲として出演団体に楽譜が配布され、毎回表彰式の最後に全体合唱を行っているそうだ。

 その後、外国曲2曲を練習したところで、あっという間に3時間半が経過。会場を貸してくださっているK先輩のご厚意で、練習場はテーブルセッティングされて懇親会の会場に早変わりした。
 今日もソプラノ、アルトの女性が10名ほど、テナー、バスの男性が10名ほど、およそ20名の参加者だ。10月の本番の成功を祝し、K先輩にお礼も込めて皆で乾杯。手作りの美味しいおつまみがあれこれ並べられ、皆で嬉しく頂いた。冷えたビールやワインもテーブルに並んだが、無粋な私はお酒が飲めないので、ウーロン茶で乾杯したのがちょっと残念。

 女性の先輩たちが早めに切り上げられたので、私もご挨拶して会場を後にした。次々回の練習がジャズバンドとのコラボの練習。後にも先にも本番前の1回ポッキリだというが、残念ながら出席が叶わない。ぶっつけ本番だけれど、後はもう神様にお任せ・・・、である。そんなわけで今月1回、来月1回と出席可能な残された2回の練習はしっかり頑張らないと、と思う。
 先輩方のお話を聴いても、こうして練習した後の月曜日は曲が頭の中をグルグル回り、仕事中もなんとなく鳴り続けているそうだから、皆同じなんだな、私だけではないんだな、とちょっとほっとする。

 帰りは乗換駅の百貨店で、明日誕生日を迎える夫に秋のシャツをプレゼント包装にしてもらう。帰りの電車内でも真面目に(外から見れば極めて不気味に)ずっと楽譜を広げて口パク練習。本番当日は路上パフォーマンスもあるらしいので、暗譜しておかないと厳しいようだ。

 帰宅すると今日も夫が夕飯の準備をしておいてくれた。明日からまた新しい1週間が始まる。明日の夜こそ私が支度をしなくては。

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2017.9.8-9.9 寝ても寝ても・・・

2017-09-09 21:34:40 | 日記
 金曜日。投与2日目。相変わらず体調は冴えない。朝食は通常の半分ほどお腹に入れるのがやっと。美味しさもあまり感じないのがつまらない。食欲の秋だというのに。酸化マグネシウム錠を飲み、とにかく吐き気と便秘の相乗作用で気持ち悪くならないように予防。

 今日一日頑張れば、と気持ちを奮い立たせて出勤。前日直帰させて頂いたことで溜まった仕事の後始末を終える。お昼休みは昼当番で1時間遅れ。お腹が空いてピクルスが沢山乗った(酸っぱいのが大事)ホットドッグを頂く。いきなり天気雨が降り出し、晴雨兼用傘は雨傘として活躍したが、帰りはかなりの本降りになってしまう。洗濯を一杯干してきたのに、とちょっとがっかり。

 夫が宴会で夕飯は要らないというのをいいことに、帰宅後は一人マイペースでだらだらゴロゴロ。夕食も適当に冷凍食品をちょっとつまんでリビングのソファに横になる。録画した映画を見ていたつもりが、いつのまにかウトウト。夫は大分遅かったようだが、帰宅したときには、私はそのままリビングでうたた寝していたらしい。
 何度声をかけてもなかなか起きなかったそうで、殆ど夢遊病者のように入浴して寝たようだ。

 土曜日。投与3日目。昼まで寝ていたい気分だったが、あいにく3か月ごとの歯科検診の日だ。当初組まれた2投1休の治療スケジュールだと休薬週ということで予約したのだが、隔週になったため、治療週の週末になった。
 気持ち悪いので、フロスやら歯間ブラシやらの小物を駆使して延々と歯磨きをする元気がない。とはいえ、診て頂く前には念入りにケアしておかなければ。ということで、ベッドでのんびり朝の連続テレビ小説鑑賞というわけにもいかず、早めに起きて朝食。ようやくトーストを半分頂く。

 朝一番でクリニックへ向かう。いつもは予約時間にすっと呼んで頂けるのだけれど、今朝は飛び込みの方が2組いたようで、なかなか呼ばれない。20分以上待って診察室へ。
 3か月いかがでしたか、と問われ、口腔外科で診て頂いたところ、現在のところ特に問題はないけれど3か月ごとに経過観察をしましょう、となった旨ご報告する。

 一通りチェックして頂き、やはり下の奥歯の歯並びの悪い部分に上手くブラシが入っていないことを指摘される。それでも以前より奥歯の状況も安定しているとのこと、引き続き頑張りましょうと言って頂く。次回3か月後(もう師走である!)に予約を入れて、クリニックを後にした。

 帰宅後、洗濯物を片付けてソファに横になる。目を瞑るといつの間にかウトウトウトウト。寝ても寝ても眠いし、眠れる。暑くなく寒くなく、爽やかな風が気持ち良い初秋の日だ。お昼寝ばかりしていてはもったいないと思っても身体が重くて眠い。
 お腹を空かせた夫がお昼はどうする、と言うがそれほど空腹でもなく。気づけばまたウトウトウトウト、うたた寝ばかり。夫は録画した映画を観ているがそれにも興味なく、あっという間に夕方になる。
 このまま一歩も外に出ないまま一日終わってしまうのは、と外の空気を吸いがてら夕方からのハタヨガビギナーのクラスに参加してきた。陽が短くなり、あっという間に外は真っ暗。日ごとに秋らしくなってきた。
 身体を動かしてたっぷり汗をかいたら、ろくに食べていなかったせいかちょっとフラフラした。ようやくお腹が空いてドンペリドンを飲みはしたが、夕食はパエリア初挑戦の夫が作ってくれて、4日ぶりに美味しく頂けた。かくいう夫は結局一歩も外に出なかった(私よりよほど引きこもりである。)。

 明日は合唱練習の日だ。寝坊もしていられない。掃除もしっかり済ませてから出かけなくては。
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2017.9.7 昨日通院日に読んだ2冊

2017-09-07 21:31:21 | 読書
 昨日は2冊読めた。読書の秋、良かったと思ったものだけでもレビューしておければ、と思う。
 1冊目は、先日、ハタフローヨガインテンシヴコースのM先生にお薦め頂いた、加島祥造さんの「老子 タオ」(ちくま文庫)。
 帯には「さりげない詩句で語られる人間の大道とは?現代に甦る老子の世界」、裏表紙には「文字の奥にひそむ老子の声、それを聞き取るのは生命のメッセージを感得することだ。さりげない語句で語られる宇宙の神秘と人間の生きるべき大道(タオ)とは?生き生きとした言葉で現代に甦る“老子道徳経”全81章の全訳創造詩!」とある。

 すべてが判り易くこなれた話し言葉で語りかけてくる口語の詩に変身しており、するすると難なく読める。各章の最後には漢詩の書き下し文も掲載されている。漢文は大学受験とともにさようなら~となってしまったが、創造詩を読んだ後に原文を見ると、なるよど、そうきたか、と唸る。それでも20歳に満たなかった自分が、この詩を読んでもどれほど感じ入ることが出来たことか。齢を重ねるのも悪くない、と思う。

 中でも私の心にストーンと落ちて、力が湧いてきたものをひとつだけ挙げるとすれば、第五十章「命を大切にする人は」(原文「貴生」)。
 ラスト二行の「自分の命を大切にして生きるかぎり 死はつけいるすきがないんだ。」。「以其無死地焉」である。

 加島先生は1923年のお生まれ。この創造詩に取り組まれたのは1999年とあるので御年76歳。そして文庫になったのはハードカバー出版6年後の2006年、83歳の時だ。一昨年2015年、享年92歳、老衰で他界されている。おそらくご自身の命を大切に生き、そのライフワークを完成させ、死は付け入る隙がないまま、天寿を迎えられたのではないかと思う。素晴らしい著書に感謝である。
 
 2冊目は、桐野夏生さんの「夜また夜の深い夜」(幻冬舎文庫)。
 久しぶりに書店で平積みにされていた桐野さんの文庫を手に取った。彼女の本が面白くないわけがない、と確信して。そしてそのとおり、もはや痛快なほど圧倒的な面白さだった。
 裏表紙には「友達に本当の名前を言っちゃだめ。マイコにそう厳命する母は整形を繰り返す秘密主義者。母娘はアジアやヨーロッパの都市を転々とし、四年前からナポリのスラムに住む。国籍もIDもなく、父の名前も自分のルーツもわからないマイコは、難民キャンプそだちの七海さん宛に、初めて本名を明かして手紙を書き始めた。疾走感溢れる現代サバイバル小説。」とある。

 冒頭から主人公のジェットコースターのような運命に引き込まれて、それに一緒に乗っかっていく自分がいる。19歳の全く生まれも境遇も違う主人公に自分を重ね合わせるなんて、荒唐無稽以外の何物でもないと重々承知の上だ。だから、読書はやめられない。心はあっという間に行ったことのない場所に飛び、会ったことのない人とやりとりし、やったことのない(やることの出来ない)人生を追体験することが出来るのだから。

 ナポリに大学卒業旅行で訪れたのは30年以上前のこと。“ナポリを見てから死ね”という言葉どおり、素晴らしいフォトスポットだった。治安が悪いから、という理由で写真撮影タイムのみで街を散策することは叶わなかったけれど、車窓から見て感じた街の匂い、空の色、海の色は憶えている。そんな情景を思い浮かべながら読み進めた。
 解説で金原ひとみさんが「この人生を生きていく、という強い意志を持つ彼女たちに魅了されると同時に、反発に近い嫉妬心すら抱いた。」と書いておられるが、主人公たちのその生きる力に大きなパワーをもらった1冊だった。

 投与翌日の出勤はやはりしんどい。気持ち悪いし熱っぽくて怠い。溜まったメールを片付け、午後からの会議出席のため、昼前に職場を出る。駅に到着すると私鉄が人身事故のため、止まっていた。運転再開までには小一時間かかるという。止む無く折り返し運転をしていた2駅先まで行き、そこから別の私鉄に乗り換えて向かうことに。副作用でろくに食事は摂れないとはいえ、昼食の時間がなくなってしまった。お茶だけ飲んで会議に出席。2つ連続して会議に出て、直帰させて頂いた。
 あと一日、なんとか頑張らなくては。

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2017.9.6レントゲン後診察、ジェムザール(5割減)14クール1回目)、ランマーク28回目

2017-09-06 21:49:47 | 治療日記
 昨夜は仕事が終わってから4週間ぶりにSさんの瞑想ヨーガのクラスに参加した。
 途中で、均整術でお世話になっているIさんとご一緒になり、お喋りしながらスタジオへ。到着したときにはゆったりとマットが敷いてあったが、どんどん参加者が増えたようで詰めながら満員になった。久しぶりにお目にかかる指導者養成コースのメンバーや、初めて参加される方も数人おられて20人。今月は月礼拝を分解しながら動きますとのこと。毎週参加出来れば本当に良いのだけれど、と思いつつも一番元気な治療の前夜にのみ参加している。だからこそ一回一回のクラスがますます愛おしい。最後に唄った“全てを受け入れる”力を呼び起こすという母なる女神、ラクシュミーのキールタンは、誰もが全く初めての言葉とフレーズだった。

 うっとりした幸せな気分で終了。Sさんのクラスは本当に別格だ。不思議なくらい毎回心が共鳴するものがある。しみじみとその素晴らしさを噛みしめつつ、私鉄とJRを乗り継いでホテルにチェックイン。ゆっくり入浴して、早めにベッドに入った。

 夜中に一度お手洗いに起きたけれど、再びすんなり寝ついて目覚ましをかけた時間に。外は道が濡れていて雨模様のようだ。夫にモーニングLINEしようとしたところ、タッチの差で彼の方が早かった。少し熱めの浴槽足湯で気分をシャッキリさせる。今日の予想最高気温は25度。僅か4週間で12度も下がっている。
 母に電話を入れると、自分も今日は皮膚科に通院とのこと。レストランで焼きたてデニッシュの朝食を摂り、チェックアウトして病院へ。今にも降り出しそうな雨模様。

 IDカードを通して2階のレントゲン受付へ移動。番号札を見るとまだ10番以上後の番号だ。20分近く待って中廊下に移動する。ほどなくして名前を呼ばれる。今日も検査用にブラトップにニットなので、着替えは簡単だ。ネックレスもなし。問題なくスムーズに進み、撮影は無事終了した。

 腫瘍内科受付に移動。月初めなので保険証の提示と確認。まだ時間が早いので待合椅子はそれほど混雑していないけれど、あいにく定位置が埋まっており、少し後方に陣取る。採血がなかったので、いつものように針刺し後の右腕を休ませる必要もなく、読書に入る前にそのまま血圧測定。96-64、脈は82。
 30分ほどして「中待合へどうぞ」に番号が出る。採血の結果が出るまでに要する小一時間がないので、早い。10分ほどで先生が診察室からお顔を出された。

 「おはようございます。」とご挨拶して診察室へ入る。「さて、2週間お加減は?」と問われ「今回は耳鳴りに悩まされました。右耳は中耳炎の既往があるので、疲れるとズズズズといっていたのですが、これに加えて左耳もキーンという音が数日続きました。もしや、と調べてみたらごくごく下の方にジェムザールの副作用として耳鳴りもありました。あとはいつものように土曜日までは食欲不振と怠さで寝込みましたが、日曜日には動きました。ただ、火曜日の夜中に、恐らくノロウィルスに感染したのではないかと思いますが、3度の酷い嘔吐と下痢があり、ゲッソリしました。もうすっかり元気になりましたが結構ダメージでした。」とご報告。
 「耳鳴りはいつからですか」「(ウイルス感染は)ご家族は大丈夫でしたか」といくつかの質問があり、ひとまず耳鳴りは様子見ということになった。職場の検診結果シートもお見せし、心臓の件もお話したけれど、それほど心配する必要もなさそう。
 診察室での検温は6度7分。

 レントゲンの結果がPCの画面に出ている。前回8月と比べると、あまり変わっていないように見える。では、その前と比べると、やはり右下の影も左上の影もどれもやや大きめになっているのは疑いの余地がなさそう。1か月では不変だが2か月経てばそれなりに増悪しているということだ。これも先月と同じ読影である。
 しつこく、「(ジェムザールを)年内まで続けられそうでしょうか。」と言ってみる。「うーん、年内にもう一度CTを撮ってその結果によって決めましょう。粘れればいいですが、いつまで粘るか、は難しい」とのこと。やはり年内治療変更も視野に入れておかねばならないということか。ひとまず今日は予定通りの治療。薬も前回4週間分出して頂いているので、処方して頂く必要はない。

 次回の予約を入れて頂き、ご挨拶して化学療法室へ向かった。
 化学療法室の待合では点滴を待つ人もまだまばらである。態勢を整え、お手洗いを済ませ、いつものように夫やお友達に報告LINEを打というとすると、Mさんから久しぶりに外が見える側のリクライニング椅子に案内された。
 その後、15分ほど待ってMさんが針刺しに来てくださる。今日は採血もしていないし、初めての針刺し、どうかな、とちょっと心配だったが、痛みなく上手に刺してくださった。「今日はお上手でした。痛くありませんでした。」とお礼を言うと、「よかった~」とほっとしたご様子。

 薬が届くのに30分ほど待つ。
 今日も、デキサート(ステロイド)とアロキシ(吐き気止めのセロトニン拮抗薬)の混合、5割減量のジェムザール、生理食塩水の3本。Kwさんが担当してくださる。ランマークは「気を紛らわせながら、ですね」と、お願いするより前にお喋りをしながらゆっくり入れてくださったので、痛みが殆どなくラッキー。薬液の粘液度が高く量が結構ある筋肉注射なので、もともと痛いのである。臀部に2本打ったフェソロデックスも痛かったけれど、このランマークもかなりの痛み。それでもゆっくり・・・で随分違う。

 吐き気止めは15分ほど。MさんやKwさんが様子を見にいらしてジェムザールに替えて35分。15分の最後の生理食塩水が始まったところで血圧測定。99-68、脈拍は60。
 抜針もKwさん。それほど酷くない衝撃で済み、安堵した。お手洗いを済ませ、看護師さんたちにご挨拶して化学療法室を後にした。
 計算時間を見計らって自動支払機へ移動したが、少し早かったようで、窓口へ確認に行くことに。もう大丈夫です、と言われて再び自動支払機へ戻り、レントゲンと点滴・注射の3割負担、2万5千円ほどカードで支払う。

 外に出ると雨だ。晴雨兼用傘を開く。湿度が高いが、それほど暑くはない。荷物になるので薄いジャケットは羽織ったままだったけれど、ちょっと汗ばんだ。こうして一雨ごとに秋が深まっていくのだな、と思う。今日は薬局に寄らずに済むので、病院滞在時間だけで4時間ほど。駅までの道のりはランチタイムのビジネスマンたちで混雑している。

 途中駅まで足を延ばし、静かなレストランでランチの後、お茶を飲みながら2冊目までゆっくり読み切った。スーパーでお弁当等夕飯を調達。またしても大荷物になったので、迷うことなく最寄り駅からはタクシーで帰宅。雨は小やみになっていたが、湿度が高く、ぐったりくる。

 帰宅後は最低限の片づけ。やはりだんだん体調が悪化してくる。夫が帰ってきた時もリビングのソファに横になっていた。夜には気持ち悪さで食欲はあまりない。調達した冷やし中華の小さいサイズをなんとかお腹に入れた。何分酸っぱいものなら食べられる、いや酸っぱいものしか食べられないといった感じ。

 明日はまた東京横断出張だ。何とか乗り切りたい。
 そして、今日読んだ本は2冊ともよかったので、明日以降ご紹介の記事をアップしたい。
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