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イギリスの家、日本の家

2007-04-01 14:31:16 | 家作り【準備編】

井形慶子著「古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家」を読んだ。一時はわたしもイギリス文化やライフスタイルにあこがれて、イギリス関係の本を読みあさったことがあるし、ロンドン旅行から戻ったとき、車窓から見える日本の家々の薄っぺらさ、風景の猥雑さに落ちこんだこともあるので、著者の言いたいことはよくわかる。

それでも、今では、著者のようにイギリスがすべてにおいて勝っているとは思わなくなった。著者は言う。イギリス人はインスタント食品や冷凍食品で料理にかける手間を減らしても、家族とすごす時間を大切にする。だから、キッチンは日本ほど汚れないし、調理器具や食器も収納に困るほど持たない。日本の主婦はキッチンにしばられすぎ、と。

以前、イギリスの働く母親が子どもにどんな貧しい食事を与えているかというドキュメンタリーを見た。冷凍食品でもましなほうで、袋入りのスナック菓子だけという子どもさえいた。こうした栄養の偏りのために、かれらは学校の勉強に身が入らないし、すぐにキレてけんかが絶えなかった。食事を改善したら、変化は劇的だった。

すてきなシステムキッチンを作ったから、家族においしい料理を作ろうと張りきるのは、ちっとも悪いことじゃないと思う。和食に中華、西洋料理……それぞれに合う食器をそろえて、献立にメリハリをつけるのは、夕食は毎日決まってパンとソーセージだけという国より、とても心豊かなことではないだろうか。

著者は、日本の家の無国籍ぶりを笑うけれども、コンクリートのビルが建つのはもはや押しとどめられない。それなら、ビルはしかたがない、だが、一般家屋や小規模店舗は昔ながらの日本家屋風の外観に統一しよう、とでも言うのだろうか。誰のため? 外国から来た人にこれこそ日本の風景だ!と喜んでもらうため? 古い町並みが残っているところでは、町並み保存条例を作っているところもあるが、新興住宅地でそれは無理というもの。

日本人だって日本風の町並みが好きな人ばかりではない。じっさい著者だって、日本にイギリス風の家を建てているではないか。著者はイギリスまで買い付けに行って建材をそろえたからOKだけど、まがい物で作りあげたプロヴァンス風はNGってか?

わたしが家を建てる予定の団地では、住環境を守るため、自治会で規約を作っている。3階建てはだめ、共同住宅や寮もだめ、敷地は132平米以下に分割しない、屋根や外壁、建物の色彩は俗悪なものを避ける、等々。わたしは土地を買うことに決めたあとでこの規約を知ったが、これが非常に気に入っている。自分たちで住環境を守ろうというポリシーは、すばらしい。最低限のエチケットを守れば、あとは、プロヴァンス風だろうが、北欧風だろうが、純和風だろうが、各自の好みでいいではないか。


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