今日も駅前(AKIBAオジン)

ツクバEX開業日から始めた親父居酒屋の放浪記。下町の居酒屋、旅先の地酒・酒蔵・秘湯、森と水の話や、たまには政治談義など。

魚沼 太古の塩水温泉 「松之山温泉」とサイクリング

2015年11月01日 | 温泉

 例によって50年来の仲間との秋の旅行、アキバ中央口ロータリーからスタート。今回はH君のアルファードリース満了となるため最後のお役目となる。越後は魚沼の「松之山温泉」までは結構な距離。恒例の初日での立寄り温泉は難しい。

  昼食は、3~4年前の「駒の湯温泉」で寄った五日町の八海山酒造経営の蕎麦屋「長森」に寄る。古民家を一部移築し太い柱、梁の再用で趣ある佇まい。 低いくぐり戸に頭をぶつけながら抜けると昔ながらの土間。 黒光りした太い梁が風格を放つ高い天井は、日本の旧家の重厚さと開放感を感じさせる。蕎麦は、めいめいに「もりそば」と「田舎そば」。汁は江戸前と田舎風の両方を頼む。蕎麦がくるまではビールで喉を潤し、ツマミは卵焼きとにしんの山椒漬け。これも中々の美味。いよいよ蕎麦を食す。我々やはり元神田っ子の爺さんグループ。江戸前の濃い口が合う。蕎麦はコシが強く、シャキとした歯ざわりは蕎麦の旨さを引き立てる。日本酒は八海山だが、皆さん運転担当に遠慮してビール。

 「長森」を後にして五日町から松代を抜け松之山まで山を抜ける。以前、群発地震で記憶に残る松代はホクホク線発祥の地と記念碑にある。松代のスーパーで部屋呑みの酒と肴の買出しで大きなレジ袋で二つ分を買い込む。

 いよいよ松之山に到着。街中を抜け松之山温泉に向け走ると、松之山の見どころの一つ「美人林」の案内が目に付く。美人とくれば目の無い相棒達、誘われるように美人林に到着。落ち葉に敷き詰められた中、林齢の若い楚々としたぶな林が静謐さを醸し出す。

 いよいよ「雛の宿 ちとせ」に到着。アキバを8時半に出発し外環前後で若干の渋滞にあったが、五日町に寄り道し4時近くに旅館に到着。250キロは走ったか?「松之山温泉」の泉質は、太古の海が日本列島の隆起に伴い内陸に海水が封印されたため塩分濃度が極めて高い泉質である。「草津温泉」、「有馬温泉」と並んで日本三大薬湯の一つといわれ、美肌にいいといわれる「メタ珪酸」、眼病や傷にいい「ホウ酸」、PHが人体に近い「7.5」と浸透圧が高い「高張性」の温泉で効用が高いのが分かっている。「ちとせ」は地元でも代表的な老舗旅館の一つである。部屋に落ち着き評判の風呂に入る。塩分濃度が高いためか体が浮く感じである。

     食事は別室での部屋食、予めテーブル席を予約していたため足が楽である。床柱や欄間など和室の贅を感じさせる。地元の食材をふんだんに使ったコース料理と相性のよい地酒「鄙の雪蔵」、「純米吟醸 越の初梅」、「大吟醸 伊乎乃」とのセットコース。別途にメニューから「特別純米 松の井」四合瓶を注文し料理と共に楽しむ。いずれも料理との相性はよい。

   翌朝は大厳寺高原で登りの「ハイキング」と下りの「サイクリング」に向う。7人の内日和見の3人を高原に残し、参加者に高原の案内所でガイドさんと一緒にハイキングに出発。やや紅葉が終わりかけた頃、ブナの色づいた枯葉を踏みしめながら緩やかな山道は気持ちがいい。途中、初めて小さなブナの実を食べ、越冬前の熊の気持ちに浸る。山頂に到着するとガイドさんの入れたくけた紅茶をすすり景色を堪能する。 

 山頂から少し下ると車の入れる道路に出る。そこでヘルメットを支給されブレーキなどのサイクリング車の取り扱い注意などの後、いよいよサイクリング開始。紅葉の下りの坂道、ペダルを踏むこともなくスピードを抑えながら一挙に案内所まで走る。残留組は、前日の夜更かしで車の中で夢の中であったとのこと。

  大厳寺高原を後にして、一路、昨年も世話になった越後湯沢のH君のマンションに直行。夜は、昨年も世話になった湯沢の街の「どんどん」で「鶴齢」を飲みながらの食事。二晩目も翌目の苗場の紅葉を期待して楽しい飲み会を持った。マンションでも地酒、「純米大吟醸 湊屋藤助」、「純米 越乃影虎」を楽しんだことはいうまでもない。

   翌日、朝九時過ぎに湯沢を出発。田代ロープウェイに着くが、ほんらい苗場のドラゴンドラの駐車場にいるはずの観光バスが10台近く止っている。なにかオカシイと思いきやドラゴンドラは強風のため運転中止とのこと。観光バスは田代ロープウェイに回ってきたためである。約1時間半近く寒風の中に並ぶ。ただ、頂上駅に着いたら、ドラゴンドラが運転再開していることを祈る。祈りは通じ頂上に着いたとたん、運転再開を伝えられる。レストハウスの薪の暖かさとお汁粉に救われる。ドラゴンドラでは紅葉は頂上付近では終わり中腹まで降りてはいるが、昨年よりやや旬を過ぎた感がある。それでも、ダイナミックな変化と素晴らしい唐松のは黄葉と杉や桧の緑とのコントラストはそれだけでも見ものである。

  ドラゴンドラを降りた時刻は丁度昼時、冷えた体を温めるのと、昼食を取りがてらに苗場の立ち寄り温泉「雪笹の湯」に。黄色のかかったやや塩分の高い湯は体によさいとのこと。ユックリと浸かり食事後、三国街道を一路アキバへの帰路へと向う。