2024年5月6日(月・祝)
あたり一面、柑橘類が咲き誇り、五月の風に乗ってほんのり香ってくる。温州ミカン、甘夏、八朔、土佐文旦、柚子に伊予柑、申し合わせたように純白の小さな花を点々と身にまとい、レモンだけほんのり薄紫が混じる。寒い季節の実りが今から約束される、毎度この時期のお楽しみ。
足下に知らない小さな花あり、径5,6㎜ほどか。これも白が基調。
ニワゼキショウ(庭石菖 Sisyrinchium rosulatum)というものらしい。アヤメ科ニワゼキショウ属の一年草。可愛らしいうえ、僕と重なる名前が気に入った。
こちら同種の色違い。アメリカはテキサスあたりからやってきた帰化植物とのこと。
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> 1937年5月6日午後6時過ぎ、ナチス・ドイツが開発した巨大飛行船ヒンデンブルク号は、ドイツ〜アメリカ間定期航空路の第一便として大西洋を横断し、ニューヨーク近郊のレークハースト飛行場にまさに着陸する寸前に爆発。わずか32秒後には地上に墜落した。この事故で乗客・乗員合わせて35人が死亡したが、62人が奇跡的に助かった。
この事故の模様は、映像としても残っており、シカゴW LS局のハーブ・モリソンの実況中継も残っている。ヒンデンブルク号が到着する様は、最初は夕日を浴びて、息を呑むほどの美しさだった。ところが、突然記者の目の前で機体が火を吹くのである。感動的な実況中継は、たちまち惨状の報告に変わった。「あっ、た、大変です……!船が火を吹きました……(中略)燃えています。火を吹いて、落ちていく……ああ、まさかこんな……大変なことになりました。おそろしい光景……ああ!中にはたくさんの人が!………」(マイケル・ムーニィ著『悲劇の飛行船』筒井正明訳より)
この事故の原因としては、静電気のスパークが浮揚用の水素ガスに引火したとする説、爆弾による破壊活動説、船体外皮に塗られた塗料に静電気が引火したとする説があり、完全な解明には至っていない。この事故をもって、大型飛行船の時代は終わりを告げ、飛行機の全盛時代に移行することになる。
晴山陽一『365日物語』(創英社/三省堂書店)P.132
上述のラジオ中継と、事故及び事故後のニュース映像を下記で視聴できる。ラジオは僕の耳ではほとんど聞き取れない。
墜落後、乗客乗員は燃えさかる金属の檻に閉じ込められた状態だった。97名中62名もが助かったのは、危険を顧みず火中に飛び込み、死に物狂いで生存者を引きずり出した人々の功であることが映像から見てとれる。搭乗者35名に加え、地上作業員1名が亡くなっている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ ヒンデンブルク号爆発事故
この事故を題材にした『ヒンデンブルグ』という映画があり、1976年度のアカデミー撮影賞を受賞した。ジョージ・C・スコットやアン・バンクロフトの名前が見える。上述の「破壊活動説」の線に沿って史実を巧みに翻案したもので、ここでもナチスはドラマに欠かせない完全無欠な悪者の提供源である。
ついでながら、ドイツ語ではヒンデンブルク、英語だとヒンデンバーグで、日本語は双方に義理立てしてヒンデンブルグとなるわけだ。
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