やむなくスマートフォンで再挑戦:
マンリョウの実はセンリョウと対照的に葉の下に付く。多くの実を結びながら、それを葉で隠すような姿であるため、古来「謙遜」の象徴として尊ばれてきたとある。株自体も樹木の陰に控えめに佇み、さほど大きくも育たず、なるほど捨てがたい名脇役である。
同じく赤い実でもピラカンサはいかにも騒々しく、樹は遠慮なく枝を伸ばすうえ、鋭い棘があって始末に終えない。ずいぶん風情が違うものだ。こういう人がどこの職場にもいますね。
これはブンタン(文旦)。東南アジア・中国南部・台湾などが原産地で、日本には江戸時代の元禄〜安永年間に伝来したという。さっぱりした美味が南国風でもあり、微妙に西方っぽくもある。Wikipedia の紹介する名前の由来が面白い。
「一説では広東と長崎を行き来する貿易船が難破して阿久根に漂着し、船長の謝文旦から救助のお礼に贈られたという。」
https://www.pref.ehime.jp/h35118/1707/siteas/11_chishiki/documents/kankiturekisibuntan.pdf
それで「文旦」だというのである。
ともかく伝来地は鹿児島の阿久根あたり。その後、各地で品種改良され、わが家のは土佐文旦と称するものだ。
アルベドと呼ばれる果肉周囲のスポンジ状組織が分厚く、ソラマメと並んで「神様の過剰包装」などと言いならわしているが、上記サイトにも解説されるとおりこのアルベドからザボン漬けをつくるから実は立派な有用成分。
疑問は次々広がるもので、「アルベド」とは何語の何かとググってみたら、「天体の外部からの入射光に対する、反射光の比」と出てきて面食らった。どうやらラテン語の albedo、つまり「白さ」の謂らしく、真っ白なスポンジ状組織と天文学用語がこれで結びつく。
こちらは甘夏柑、この金色が毎度嬉しい。収獲はもう少し先か、今はハッサク(八朔)から楽しんでいる。
最後に…
ロウバイ(蠟梅)の枝を見あげて撮ってみた。名高い芳香はまだほんの微かである。香り同様に微かで品の良い花弁の黄色と空の青さが、写真ではすっかりくすんでしまったが、撮ってみて驚いたのが側枝の芳香、ではない方向である。南北、東西、また南北、一段ごとに正確に直交しているではないか!
自然はまことに飽きないものだ。
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