散日拾遺

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ドラマの台詞に反応したわけ

2023-05-03 09:02:41 | 日記
2023年5月2日(火)

 Q太郎君、何が問題か、ですって?
 そうですか…

 「存命」ってのは、読んで字の通り「生きている」ってことですよね。
 「ご存命とは存じあげず」は、敬語の粉飾を取り除いてしまえば「生きているとは知らなかった」ということです。
 「(まだ)生きているとは知らなかった」って、本人に向かって言いますか、とそういう意味でした。
 なに、言うでしょうって?
 ああ、そうですね、そういう名台詞がありましたね。
 
生きていたとは お釈迦さまでも
知らぬ仏の お富さん

 歌舞伎の切られ与三 〜 『与話情浮名横櫛』〜 を題材にした『お富さん』、昭和29年に発表され春日八郎が歌って一世を風靡した歌謡曲の傑作です。といっても私は生まれてなかったんだから、後で聞いた話ですよ、本当に。
 もともとの歌舞伎の名調子を転記しますね。ヤクザものが恨みつらみで凄む場面なら、これこの通り、ぴったりなわけです。生きていたとは知らなんだ、と。
 当該ドラマはヤクザものじゃないんだから、せめて「御健在でいらしたのですね!」ぐらいに加工してほしかったと思いますよ。
 え、違いが分からない?困ったな、どうも…

***

ええご新造さんへ、おかみさんへ、お富さんへ、
いやさ これお富、久しぶりだなぁ
**
 しがねえ恋の情が仇(あだ)、命の綱の切れたのを、どう取り留めてか木更津から、めぐる月日も三年(みとせ)越し、江戸の親には勘当うけ、よんどころなく鎌倉の、谷七郷(やつしちごう)は喰い詰めても、面へ受けたる看板の、疵がもっけの幸いに、切られ与三(よそう)と異名を取り、押借り(おしがり)強請(ゆすり)も習おうより、慣れた時代の源氏店、そのしらばけか黒塀に、格子造りの囲いもの、死んだと思ったお富とは、お釈迦様でも気がつくめえ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8E%E8%A9%B1%E6%83%85%E6%B5%AE%E5%90%8D%E6%A8%AA%E6%AB%9B
 
Ω

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