ここのところようやくお客さまのピークも過ぎ、
だいぶ落ち着いてきた感がある。
真夏の一時、毎年、毎日毎日同じツアー業務を繰り返すことは、
正直うんざりしてしまうところもあるけれど、
まあ長年やって定着させるってそういうものなんだろう。
うんざりするような腹の内は見せない。
湯浅湾シーカヤックツアー。
2004年にアイランドストリームを立ち上げて以来、一体何千回これをやってきたんだろうと考えるとき、ローリングストーンズとかスティーヴィー・ワンダーとかのことを思ったりする。彼らも同じヒット曲を何万回も演奏してきただろう。飽きて飽きて死ぬほどうんざりすることもあっただろう。
一体何を思って、未だに同じ曲を演奏し続けるのか?
多分、もう飽きるとかうんざりするとか、そういう次元を超越してるんだと思う。ぼくはまだまだその段階には足元にも及ばないけど、なんとなくそんな感じが掴める。
多分、ほんとにすごい奴は、何十年同じ曲をやっても、毎回毎回魂を注ぐことができる。
無駄な力は抜くけど、手は抜かない。そういうものだと思う。
曲は同じでも、来るお客さんは毎回違うわけだし。
そしてそのお客さんにとっては初めてなわけだしな。
自分がどうこうというより、
そういうお客さんからのレスポンスを感じ取って、
毎回新たな気持ちで臨むのだろう。
ルーティーンを行うことによって、心身が整うって面もあるし。
仕事って、そういうものだ。
最も忙しい時期、ツアーが終わって夜寝る前に息抜きでyoutubeで色んなミュージシャンの演奏を鑑賞するのも毎年の恒例。ヒーリング系とかチルアウト系とかそういうものよりも、すごいミュージシャンの緊迫した演奏にすごく癒やされる。きっとあらゆる面で「突き抜けて」いるからだろう。逆に言うと、忙しくてしんどいときにのみ見抜ける「素晴らしいもの」がある。色々聞いてみて自分がどう感じるか、人体実験的に探ってたくさんの新しい発見をしていくことは楽しい。他人や世間の評価ではなく、100%自分の感性で見抜けるわけだから。
中でも、お盆の多忙なある日、好きなギタリストの一人であるジョージベンソンの色んな映像を見て、感動した。
この人、どんなときも絶対心込めて演奏する。
友達の家に行ってたまたま転がっていたギターを軽く爪弾く時にも魂を入れる。
すごいと思う。
たとえばこの下の曲なんかもリハーサルというか、
音合わせ的な感じでのオフレコ演奏なんだけど、めちゃ気持ち入れている。
超一流のプロってやっぱりこういうことなんだと思うね。