先日、友人と話していたのですが、日本人ももっと休む文化にならないと。
自分の時間、家族や友人と過ごす時間、旅したり人と会ったりして見聞を広める時間、じっくり本を読んだり音楽を聴いたりする時間、新たな物事を勉強する時間、そしてアウトドアアクティヴィティに興じる時間。いくらお金が儲かっても身体は一つだし、人間いずれ死ぬわけで時間は限られている。だからよりよい人生には、お金以上に時間が大切。
闇雲にがむしゃらに働いていつまでも儲けがでる時代じゃないし、時には戦略的にまとまった時間仕事から離れて、柔軟な頭の使い方をしないと仕事もあまりいい仕事ができない気がする。今はよくても後年きっと行き詰まる。
しかし社会は真逆で、さらにあくせく、ぎすぎすと余裕のない方向に向かっているように映る。
だからますます社会は劣化してゆく。
だけど、それとはまた別に、お金よりも時間を大切にする指向の人も、明らかに増えている。
多分、あまり何も考えず流されるまま生きていると、知らぬ間にもっともっとあくせく、ぎすぎすを余儀なくされる状況になっていくだろう。それは間違いない。一方、頭を使うとやりようによっては、いくらでも時間とサムマネーは作り出せる時代でもある。起業、独立も一つの方法だ。これからは「金持ち」になるために起業するというより、「時間持ち」になりたいから起業するという人が増えるだろう。また起業、独立じゃなくても、きっといい方法はあるはずだ。
その友達は面白いことを言っていた。12人で回っている会社はあえてもう一人増やして13人にし、持ち周りで一年に一ヶ月ずつ休めるようにしたらいいのにと。そんな会社は世の中にないから、みんな入りたがるし辞めたがらなくなる。仕事のモチベーションも上がる。いい人材をじっくり選択し育てることができて、ますます会社は発展するだろうに、と。しかし実際は一人増やしたらその分、さらに儲けを出さなきゃ損だということで、もっともっと休まず働いて売上を伸ばせ、ということになりそうだ。また1ケ月も休んで何やったらいいのか分からない、ということになるのだろう。
アウトドア派の人間ならば話は別だが。
アウトドア派ならば休みが多ければ多いほどバンバンザイだ。
時間がないと、アウトドア遊びなんて、成立しないわけだから。
実際問題難しいけれどもし日本も欧米先進国のように夏一ヶ月、冬一ヶ月ほどのバカンスがあるならば、アウトドア文化はもっと中身のあるものになっていくだろう。しかし「夏休み5日が必死」というのが大半の日本では、アウトドア指向が広まっているように見えつつ「実際にアウトドアアクティヴィティに興じる」というよりも、「おしゃれなアウトドアグッズ、道具、ウェアを買う」というのがメインの文化になっている。雑誌なんかを見ても、いかにモノを売るか、買わせるかというテーマになってる。
だけどそれはそれで、確かにアウトドア指向であることに間違いない。
そういうところから実際の遊びの方に向かい、休日、余暇の大切さに目覚める層もでてくるのだろう。
自然の中での、自分の時間、家族や友人と過ごす時間、旅したり人と会ったりして見聞を広める時間、じっくり本を読んだり音楽を聴いたりする時間、新たな物事を勉強する時間、そしてアクティヴィティに興じる時間。
なんて豊かなのだろうか。
本当は一ヶ月くらいのバカンスをとることは、基本的人権なんじゃないだろうか。
少なくともそれが成熟社会なのでは・・・。
結局そうじゃないということは、日本社会もまだまだ成熟していないということだ。
だけどいつかそうなって欲しいというのがぼくの世の中に対する夢だ。
だけど当分は無理っぽいから、まずは自分自身がそれを実践してみたい。
さて、アイランドストリームでは現在、「ワンデイ」系のツアーをメインにしているけれど、これは万人が楽しめるよう敷居を下げたひとつの玄関口みたいなもので、玄関からさらに奥に入って行くともっともっと面白い部屋が展開されます。玄関口でもすごく楽しめるように作っているけれど、一回だけじゃなく継続し、さらに時折3日、5日、7日、10日くらいのトリップをすると、本質的な面白さにまで肉薄できる。そしてもっと長い期間トリップすればもっと深みを増すわけだけれど、まあそれ以上、例えば1ヶ月以上の旅となるとさすがに色んなものを犠牲にしなければならなくなる(逆に人生を変えたいとか、生活の舵を大きく切り替えたいときには、起爆剤になる)
経験上、だいたい7日~10日くらいのアウトドア旅というのは、ひとつの本質的な何かを掴めるスパンだ。だから本当はそれくらいか、少なくとも5日~7日くらいのツアーも開催したいという考えが常にあります。
2日~3日目くらいで慣れて、5日~7日目くらいというのはちょうど脂が乗ってきた頃。そしてまだ飽きや膿むことがない時期。そのスパンのアウトドア旅って、ひとつのアート作品のようなものだと言えるのです
というわけで、当店ではオーダーメイドのプライベートツアーとして2つ、
「ディープ紀伊半島トリップ」というコースと、
「ドリームツアー」というコースを現在用意しているけれど、
特にこの2つはこれから大事に育てていきたいと思っています。
よろしくお願いします。