移動性高気圧が日本列島の中心に鎮座した昨日、ここ数週間の中でも最も穏やかなコンディションに恵まれ、やびつ海岸から湯浅湾最北端の宮崎の鼻を越え、女の浦海岸までの往復ツアーを楽しめました。
大昔から「船をエサとする龍が棲んでいる」と言い伝えられてきた「宮崎の鼻」越えは、よほど海況に恵まれないと行けない岬の先端ですが、それが難なくクリアすることができました。
湯浅湾北岸のこの海岸線一帯は、これからの時期、南を通る繊細な太陽光線が断崖絶壁やその合間に点在する砂浜を優しく照らし、ちょうど昨日のような穏やかな日には、夢の世界のような、桃源郷のような調べを醸し出します。
賭け値なく美しい情景に身を置くリアリティ、これぞ晩秋から春先を漕ぐシーカヤッカーの特権です。
岬の近くに行けば行くほど洞窟が多くなりますが、その中のひとつが上から二番目の写真、「ヒョウラマ」という名の隠れ家スポットです。数年前までこの洞窟の壁際になぜかエレキギターがおもむろに捨てられていて、そのまま「エレキギターの洞窟」と呼んでいたのですが、それもおととし辺りに完全に朽ち果てて今は見る影もなくなりました。
名前を変えてベタに「エメラルドグリーンの洞窟」とでも呼ぼうか。
入り口の海水が太陽光線に反射して光り輝く様がなんとも美しいのです。
「やびつ海岸」へのシーカヤックツアーは当店の晩秋以降のシーカヤックツアーのメインコースですが、栖原海岸からはちょっと遠いのでショートカットとして、カヤックをトレーラーに積み、ある程度近くの浜まで移動したところから出艇しますので、ベテランじゃなくても楽しめます。