野草展の小宇宙なる冬紅葉 佳津
寄せ返す浜辺に一葉冬紅葉
立冬やばしっと広げシーツ干す 洋子
ひと筋の雲乗せ揺らぐ冬の月
霜月や遺影の母は道しるべ 沙会
海の声立冬の日の風の声
蔓引けば踊り出したる烏瓜 歩智
日当りの一等席の返り花
冬の波前へ前へと匍匐する 炎火
岩牡蠣やインターネットいたしません
旧姓に思いは同じ冬の菊 さくら
無花果のジャムを娘にお福分け
廃屋と知るや放埓蔦紅葉 薪
境内の大鍋滾る野猪の宴
夕時雨留守番猫の濡れ毛かな 豊春
何時の間に建ちて消えけり牡蠣の小屋
しぐるるや待ち人も無きハチ公前 海人
冬銀河今日の一歩を明日越えて
木の実降る玉砂利踏みて茶の席へ 稱子
嵯峨菊や遠州好みの濃茶席
木枯や形見のショール吹かれけり 鞠
冬紅葉薄茶の中に舞い下りぬ
冬の剪定公園の淀み消えにけり 余白
朝日濃し大根の葉の緑濃し 雲水
コンポスト錦の枯葉高く積む
山中湖畔で撮ったのですが、何の実?