(あきあつし ぞうのはなこの くさりさび)
日本全国各地に動物園があって、上野動物園など子供たちを中心に活況を呈しているが、世界各地から希少な動物を集め、狭い檻に閉じ込めて飼育することに、私は反対する。何故なら例えば、宇宙人がやってきてあなたを捕らえ、地球という所に面白い生き物がいるといって連れてこられ、宇宙人の動物園の檻の中で展示されたら、ぞっとしませんか。
子供たちは、大きいもの、強いもの、可愛いものが特に好きらしい。つまり動物園での人気者は、象、キリン、虎やライオン、そしてパンダ、ペンギン、ラッコ・・・なのだ。
さてこの句、人気者の象が錆びた鎖に繋がれている。ここには象の尊厳を奪っている人間の鎖という傲慢があり、秋暑しという季語によって、象へのいたわりと共に、作者の嘆きや悲しみ、そして憤りが感じ取れるのである。
作者によると、戦前戦後の食糧不足により、動物園が次々と閉鎖され、多くの動物たちが餓死させられた、という。アフリカのみならず、食料自給率の低い日本の国民も、気候変動や戦争などによって輸入できなくなれば、餓死させられるかもしれない。他人事ではないのだよ。
キョウチクトウ(夾竹桃)