一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1956   サクラ葉は秋鮮やかに再登場   余白

2018年06月01日 | 岩戸句会 第五句集「何」

春の桜花は人々を明るくし、楽しませ希望を抱かせるが、その時期は短く儚い。葉桜になると、多くの人は桜の存在に気を配ることはない。そして、秋となり初冬を迎えると、桜葉は赤黄色に染まり、周囲の広葉樹の葉色を圧倒する。

そして、軽やかに舞い落ちるさまを夕べに見ると、幽玄であり神々しくもある。このような人生の終末を迎えることができることを願っています。

2014年、俳号を「空白」から「余白」に改名いたしました。

 

草木の芽いでよ萌えでよ時が来た

楽し気に桜見下ろす阿波踊り

桜とは咲いて愛でられ散りて良し

散りサクラ握り固めて死の重さ

何時もここ傾斜陽だまり蕗の薹

 

ブランコが春の嵐を乗せている

公園に箒目付けて涼を呼ぶ

みどり葉に守られ紛れ実は育つ

舗装道ひび割れ溝に草生きる

ザクロ花落ちて路上にウィンナ蛸

 

セミが飛ぶ安定悪く不安呼ぶ

セミ出でて異次元世界どう生きる

枯れ葉らの焼却処理は理に合わず

名月が黒い車の屋根に映え

枯れ葉らは風に乗って飛ぶ遠くまで

 

掻き集む枯れ葉の山や万華鏡

枯れ葉食う熊手木の根でヒャックリす

カマキリが秋の陽だまり黄泉の口

良寛が貰ってくれるかこの落ち葉

学童や半袖ズボン寒椿

 

孫が行く日陰の雪を蹴飛ばして

うら寂し枇杷の花にもメジロ来る

冬ばれに洗濯干せる笑顔かな

冬散歩帽子にマスク眼鏡かけ

見つけてね此処にいるよと霜柱

(岩戸句会第五句集「何」より 片岡余白)

テンナンショウ

 



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