一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

3038  初孫の生命の画像聖五月  御守 海人 

2024年02月01日 | 多留男会合同句集「天岩戸」

(はつまごの いのちのがぞう せいごがつ)

この句は、海人さんのお嬢さんが送ってくれたお孫さんの写真でしょうか。「生命(いのち)」という言葉に、彼の喜びがあふれています。

 彼は、愛妻家で子煩悩でした。長生きしていたらきっと孫煩悩であったことでしょう。いつも奥さんやお嬢さんの話をしていたし、家族旅行の話も良くしていました。

海人さんと私は、俳句とテニスの仲間でした。彼は、話題が豊富で、よく冗談を言い、いつも明るく、酒が大好きで、周りを楽しませ、和ませてくれる人でした。趣味が広く、真鶴の海辺育ちですから、釣りや素潜りはお手の物、将棋も熱心でした。

 彼は、「引退したら、芭蕉を偲んで、奥の細道を旅したい。一緒に行かないか」と言うので、「そうだなあ、海人さんが芭蕉で、僕が曽良なら一緒に行っても良いよ」と私が言うと、彼は笑いながら「是非一緒に行きましょう」と言ってくれました。

 そんな彼が、若くして癌に倒れ帰らぬ人になってしまいました。本当に残念です。

母と娘の泣いて抱き合う冬一日  海人

「奥の細道」の珍道中も叶わぬ夢になってしまいました。      

 (合同句集「天岩戸」より 釣舟記)

 


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