一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

342  涼しさや王朝の贅地の底に

2011年08月20日 | 

(すずしさや/おうちょうのぜい/ちのそこに) 

 

北京郊外の清王朝時代の皇帝の墳墓を見学したことがある。もう13年も前のことで、その時の資料は俳句以外何も残っていない。真夏だったが、墳墓は涼しく、地下2,30メートルにあったような気がする。

 

さて、ここで問題なのは、墳墓の完成後、埋葬品などの盗掘を恐れて、工事にかかわった全ての人間を殺害した、という事実である。私は、墳墓の贅よりも、この殺害という歴史が心に迫った。

 

つまり時の権力者は、国民の命のことなど、全く考えておらず、自分たちの欲望のために、例え数百万人であっても平気で殺すのだ、ということを知った。知ってしまった。

 

 埋葬された宮廷の様々な装飾品、陳列された素晴らしい貴金属が、殺害された民衆の血の色に染まって見えたのは、私だけではない、と思う。

 

 そういえば、先日の「陸軍軍医たちの証言」でも、上官が軍医に殺人を命令していた。

 

 

センニンソウ(仙人草)


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