(またびねつ・つくつくほうし・もうだまれ) ぼうしゃ
先日、まだ立秋も来ていないのに、つくつく法師が鳴き始めた。
川端茅舎(ぼうしゃ)は、虚子に「花鳥諷詠真骨頂漢」と言わせた男。絵画にも真骨頂を見せたとか。しかし、結核のため四十三才で没し、兄龍子と共に、伊豆修善寺に埋葬されている。
この句は、病に伏す茅舎がイライラ感を俳句にして楽しんでいる風情がある。決して本気で怒っていないような。
秋の蝶墓の茅舎にひらひらす 麥丘人
この句は、修善寺の茅舎の墓に参った時の句だろう。作者は、「さあどうだ、あんたの大好きだった蝶がひらひらしているよ、嬉しいよね。私の他の誰があんたに会いに来たのだろう」などと話しかけているんじゃないか。