残り少なくなったこの一年を振り返って、人は様々なことを思い起こす。忘れてしまいたいこともあっただろうが、幸せと感じたことが一つでもあれば、それこそこの一年が素晴らしかったと言える幸せ者だ。
この句、具体的にどんな幸せか、想像するだけで楽しくなる。まして、記憶が風化せぬよう、瓶詰めにしたいとなれば、決してありふれたことではないだろうし、もしかすると人には言えない秘密めいたことかもしれない。いや、きっとそうに違いない。
読者はそれぞれ、私の場合は・・・・などと行く年を惜しみつつ、一年を振り返ることになる。