恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

プロの自覚

2005年04月25日 | 所感とか
一応私のブログでは時事ネタやテレビ評論はしないことにしているのですが、
今日の昼に起きてテレビをつけたらJR福知山線脱線のニュースばかりなので、
たまにはこれについて思うことでも書いてみようかと。
今日のこの事故が起きてから、学校やら地元やらで私の所見を求められるのですが、
これも鉄道好きな人間としての宿命なのか、と複雑な思い。
この事故の影響で昼の時間帯はことごとくこのニュース特番に変わり、
フジテレビの「ごきげんよう」まで深夜に放送時間を変えるぐらいの緊急事態。
ちなみにテレビ朝日ではこの重大事にもかかわらず、
徹子の部屋をしっかりと放送されていたことには頭が下がる思いでした。
事故現場の悲惨な映像をニュースで伝えられている傍らで、チャンネルを回すと、
カルーセル麻紀と黒柳徹子が熱く語り合っている姿が堂々放送されており、
ここでもまたテレビ朝日の素晴らしい報道姿勢を目の当たりにすることが出来ましたが。

事故の当日であるだけに原因などの究明はまだ進んではいないようですが、
こういう事故が起きてしまうと公共交通機関の安全性は考えさせられますね。
電車にしろバスにしろ、それを利用するということは我々はそれを操る人に対し、
命を預けるといっても過言ではないし、それに対して信頼を置いています。
運賃は移動するための対価であると同時に安全運行の信頼への対価でもあるはず。
例えば自分が運転する車やバイクに人を乗せる時も、
一人で運転している以上に気を使って運転をすることになりますが、
プロとして金を貰っている彼らにはそれ以上の気配りが求められるはずです。

今回のニュースでは当該列車を運転していたのが経験が11ヶ月と浅く、
23歳という年齢であったことが一つの原因であったというような報道がありますが、
これはあくまで一つの結果であって致命的な事故原因に直結するとは思えません。
情報が少ない今の段階で原因をどうこう述べることは推察の域を出ませんが、
まず一つにJR西日本の安全性への配慮という点へスポットを当てるべきかと。
日本で運行されている鉄道ではATS(列車自動停止装置)の設置が義務付けられており、
普通は一定区間を速度超過で進入した場合はATSが作動し、
列車の速度を抑止するようなシステムになっているわけなのですが、
今回の福知山線ではこのATSが古いタイプであり、自動ブレーキがかからないのだとか。
この辺の詳しい装置については私もよくわからないのですが、
これが報道の通りであったとすれば、この機器を更新しなかったJR西日本に、
まず第一に責任があるということが追求されねばならないのではないでしょうか。
現在の報道では置石があったとかそういうことが伝えられえていますが、
少々の置石があったぐらいでは電車は脱線などしないことは明らかなので、
これはJR西日本の何者かへの責任転嫁に見えて仕方がありません。
あくまで「もし」ですが、置石が事故の直接の原因でなかった場合には、
JRが早急に自らの非を認めるのが先ではないかと思います。

経験の浅い運転士が駅に進入した際に誤ってオーバーランをすることなどは、
先日も私がここで書いたように珍しいことではないと思います。
まぁ、それはプロ意識の欠如といわれればそれまでですが。
要はコスト面の問題などもあるのでしょうが、機械の故障にしても、
人為的なミスにしてもそれはどうしても100%回避することは出来ません。
であるならば、安全性の配慮としてできる限り最善の手を尽くすことこそ、
公共交通機関としてのつとめではないかと思うのです。
何ごとも起きてからでは遅く、日頃からそれを防止する努力だけはすべきですな。
事故に遭われた方のご冥福と一日も早い回復をお祈りいたします。
そしてNHKが数年後にドキュメントを作って徹底検証をする前に、
JR西日本は事故原因の全てを解決するために全力を尽くしてほしいものです。

恐懼謹言。
コメント
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