恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

アドリブがきかない

2005年10月01日 | 日記とか
バイト前にラーメンでも食べに行こうと、九段下の斑鳩へ。
都内でも指折りの有名店でありまして、私も幾度となく足を運んでいます。
知り合いに美味しいラーメン屋を尋ねられたら、まずこの店を推します。
そんな斑鳩の味を味わうために、ランチタイムにいざ出陣。
さすがの有名店ということもあって、到着した12時半ごろには当然行列が。
とはいえ、10人程度が入店待ちをしているような状況で、
池袋の大勝軒へ行くために2時間並んだことに比べればたいしたことありません。
いつものことながら、最後尾にサクッと並んで待ちます。

それから10数分後、通りの向かい側にテレビカメラの姿。
さすが斑鳩という店だけあって取材も頻繁にくるのだろうから、
特に驚くこともなかったのですが、店の全景を撮り終えた取材班が通りを渡り、
今度は店の前までやってきて順番待ちする人々へインタビューを開始します。
インタビューしている中年の女性には見覚えがありまして、
名前まではわからないのですが、夕方のニュース番組の中でやっている特集なんかで、
「行列のできる人気○○」みたいな感じのレポーターをやってる女性だったんです。
それもどこの局のレポーターなのかはうろ覚えですが、とにかく見覚えがある、と。
すごい有名人というわけではないのですが、やはりテレビに出ている人を見ると、
少なからず嬉しくなるというか興奮するというか。まぁミーハーなだけですが。

私は先頭から3人目にいたのですが、そのレポーターはまず先頭の人へインタビュー。
眼前でそういった取材を見ていると「ほー、こういう風にやっているのか」と、
何となく舞台裏を垣間見た感じでちょっとお得な感じ。
ディレクターのような人間が、まず並んでいる人に対して話を聞き、
それが「使える」と思った場合にはカメラを回してインタビューという感じでした。
どこから来たんですかとか、どれぐらい並んでますかとか、
この店のどこがいいんですか、などなどよくテレビで見るあの場面を、
今まさに目の前で収録しているわけです。
私の前にいた2人の人がそれぞれにインタビューされて、
なかなかいいことを言っていたので、私にはこないだろうと油断していたら、
なんと「じゃあ、次の方はどうしてこのお店に?」と話を振ってきました。

なかなか見ることのない取材の様子に見入っており、
何もコメントなど用意していなかった私は当然ながらタジタジ。
気のきいたことなんていきなり言えるものじゃありませんよ。
とりあえず私はついつい出てしまう営業マン的な口調で、
「えーと、やはりですねぇ、なんと言ってもスープなんじゃないですかねぇ」
と言ってみると、すかさず切り込んでくるレポーター。
『ここのスープのどんな所がいいんですか?』
そりゃそうだ。当然の質問であります。
確かに美味しいと思うスープなのですが言葉に形容してくれ、
といわれると何となく詰まってしまうのが斑鳩の味。
「いや、とにかく美味しいんです!」などといえるはずもなく、
何となく気のきいたコメントをしようと思い、
「ダシのきいた濃厚なスープが…」とか「パンチのきいた味わいが・・・」とか、
「やっぱり体に優しいような感じがするわけでありまして・・・」
などと全く脈絡もない褒め言葉を羅列してしまいました。
おそらくこれを聞い人は斑鳩のラーメンがどんな味だか全く想像つかないと思われます。

最後に「この辺にはたくさんラーメン屋があるのになぜ斑鳩なのか?」という質問に、
「えー、やはりですね、斑鳩のラーメンを食べたら他のラーメンは食べられないわけで・・・」
「これだけ並んでも食べる価値は存分にあるわけでして…」
といった模範回答的なコメントで締めくくらせていただきました。
まぁ実際には使われないだろうけど。
レポーターの方に「しっかりした喋り方するわねw」と言われたのは喜ぶべきか否か。
いやいや、口調はそうでも対した内容は喋ってませんから。
まぁ今日の経験から思うことといえば、
いつ話を振られてもうまいことが言えるようなコメント力、
いわゆるアドリブに強い人間にならなきゃなぁということじゃないでしょうかね。
うまく接続詞で言葉を途切れさせずに繋げることはできても、
なかなか中身のあることを適確かつコンパクトにまとめるのは難しいものです。

恐懼謹言。
コメント
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