恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

席、譲ります

2005年10月06日 | 日記とか
ありふれた話ではありますが、電車内で席を譲る行為について。
電車内には優先席というものが設けられていますが、その如何に関わらず、
自分が座っている際にご年配の方や体の不自由な方が来たら席を譲る、
という行為はほとんど世間的に常識になっております。
とはいえ、実際にこの席を譲る相手の範囲というのが微妙だったりするんです。
例えば松葉杖をついている人だったり、明らかに妊娠しているような人のように、
外見的な特徴があればすぐに譲る体勢へと移るのですが、
問題なのがこのご年配の方。

一体どこからどこまでが席を譲っても失礼に当たらない範囲なのか、と。
年配の人、つまりお年寄りっていうのは一体何歳からの年齢を指すのか、と。
これに対してはなかなか明確に回答を出すのは難しいと思います。
こちらから見たら明らかに年配の方に見えるのに、
本人にしてみればまだまだ席を譲ってもらうほど老けてない、
などというという自負があると、厄介なんですよね。
席を譲ってくれるっていうのに、本人の変な意地でもってそれを断り、
せっかく善意で席を譲ろうとしてくれた人の気持ちも無にしてしまうわけで、
これはやはり悲しむべき問題だろうと思います。
席を譲ってくれたということは自分もそのように見えるのだな、
ということで相手の気持ちを無にしないためにもそこは妥協して、
大人しく席を譲られれば済むと思うんですがね。
まぁただ単に席を譲られることに恐縮しているだけなのかもしれませんが。

とにもかくにもここまでつらつらと語ってきましたが、
実際に今日私も電車に乗っていた際にこんな機会に出くわしたわけです。
笹塚から始発の電車に乗ったので運よく座れた私は、
そのまま最寄駅まで座っていこうと思っていたのですが、
あと少しで地元駅という所で座っていた私の目の前にご年配の方が現われたんですね。
まぁ当然ながら先に述べたような疑問が浮かぶわけです。
果たしてこの人には席を譲るべきなのかな、と。
で、まぁ、ここは道徳的な観点を優先させて、
よろしかったらどうぞお座りください、ってな感じで申し出たわけですよ。
すると案の定、「いえいえ、すぐ降りるので結構ですよ」と軽く拒絶。
おそらくこれは席を譲られることに恐縮して、ということなのでしょうが、
一度立ち上がってしまった私としてはこれでは格好がつきません。

さらには、もしここでそのお年寄りが着席しないなら、
俺が座ってやる、といった目で虎視眈々と席を狙う中年男性の姿がありました。
私だって出来ることなら座って帰りたいのに、
このお年寄りのために席を立つことを決断したわけです。
決してそんな中年男性のために席を譲るためではないのですよ。
ここは是が非でもこのお年寄りに席についてもらいたい、と、
二度三度、「いえいえ、いいえですよ」『いやいや、そう仰らず、さぁ!』
というようなやり取りを交わして半ば強引に着席させました。
よし、これでいい、と達成感を覚えたのも束の間、
この席を譲ったお年寄りと私が降りる駅が一緒だったわけですよ。
あんなに強引に座らせたのに…。
「すぐに降りますから」っていうのは本当だったわけですね。
ちょいと気まずい雰囲気になってしまいました。
いやはや、やっぱり席を譲るというのは難しいですね。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする