相変わらず大雪の様相です。
雪もたまになら良いものですが…
「ロゼット」
サンドベージュの藁色にからからと染まった草原
公園の芝を歩いていくと
刈り込まれた潅木の傍ら
細い小道の脇に広々と葉を広げたロゼットの小群
ペンを取り出してかがみ込むとスケッチをはじめる
葉の稜線 鋸歯の形 大小 重なり具合や枚数
正確な写生を心がけてひたむきにペンを動かす
葉とペンの線 白い用紙 心注いでゆく頁
それのみに私は存在するただそれだけの瞬間
喋喋(とうとう) たくたく 耳元に響く音に
ふと我に返って目を上げると
潅木の隙間にせせらぎの流れは速く
足せわしなく波に羽毛を被せ水鳥は間近に水面を啄ばむ
その距離の間近に驚き
野生の緑羽の筋照るに心躍る時
ロゼットは水鳥と化し私は瞳となる
潅木の眼に瞬時を捉え発つ鳥は
まこと私の心と自然を内包して飛び立ちぬ
ともにロゼットをつれて飛び立ちぬ