Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

牧歌の郷

2017-10-23 20:28:26 | 日記

 「紳士用品売り場に行ってみませんか。」

そうFさんか連れの若い子に言われて、私達は、今ではもう何階か覚えがありませんが、下りは階段を下りて、紳士服の吊られて並んでいるコーナーへとやって来ました。

 そうか、父に買って帰ってもよいなと、私は並んでいるズボンを物色してみます。なるほど百貨店だけに品が良さそうで柄も豊富でした。既製品の所謂吊るし売りされている商品なのでお値段は安いだろうと思いましたが、流石に百貨店、良いお値段が値札に付いていました。とても手持ちでは買えません。

「カード払いでもいいですよ。」

と、Fさん。カードは持っていないんですと私。実際に当時クレジットカードなど持っていませんでした。旅での私の支払いは、常に現金かトラベラーズチェックでした。

 直ぐにFさんはもう1人の連れの所へ行ってしまい、彼女自身の買い物の物色も始めたようでした。私は商品を見てもとても手の出ないお値段に、手持無沙汰で当ても無くきょろきょろと売り場を眺めていました。そして、商品の向こうにとても垢抜けたハンサムな男性がいることに気付きました。

『ハンサムな人』、しかも結構若い男性です。と、もう1人ハンサムな男性が現れました。そうと気が付くと、それがあちらにもこちらにも何人も歩き回っています。如何も皆紳士服コーナーの店員さんのようでした。なるほどファッション関係に携わっているだけに、誰も彼も、皆ファッショナブルで洗練された容姿です。それが多国籍で雑多に配置されているようです。商品も従業員もえり好んで置いてあるのだなと感じました。そう気付くと、若くて身綺麗で、洗練されたハンサム揃いの売り場でした。

 『きゃー、目の保養!』と、私はとても嬉しくなってしまいました。イギリスのバラの代わりにこんな良いものをゾロっとみてしまったのですから、こんな事もあるのだなぁと感嘆しました。こちらのお店の紳士服売り場は一見の価値ありの売り場です。女性必見ですね、可笑しな話ですが。

 さて、閉店時間らしくてアナウンスと曲が掛かり、私達は慌ててお店から飛び出しました。入ってきた入り口と同じ扉から出ると、直ぐに後ろでドアマンらしい人にカチャリと鍵を掛けられてしまいました。私達が最後のお客だったようです。


牧歌の郷

2017-10-23 14:48:01 | 日記

 パトカーの一件後、何となく私も隣の男性も、平静を装いつつぎこちなく緊張した雰囲気がありました。相手はアイスクリームをなめる回数が減り、バスに乗り込んで来た時の解放感が無くなった様子でした。男性は何だか沈んだ雰囲気にも見えました。そんな緊張が伝わって来るので、返って真面目な人なのかなと感じると、私は割合普通の一般人の人なのだなと思いました。そう思うと安心感が湧きます。

 やや気まずい雰囲気の中、

「次で降りますから。」

と、Fさんの声がしました。私はやれやれと思うと、通路に出やすいように足を除けてくれた彼に

「Thank you very much.」

と愛想よく声をかけて通路に出ました。バスを降りると、私はハーと一息吐きました。直ぐ目の前の脇道へ入る角に建物がありました。結構年代を感じさせる建物です。外壁に西洋風な模様がありました。日本で言うなら大正から昭和初期の建物と言った感じでしょうか、日本で言うモダンな感じです。私の住む地方にあった古いデパートと同じ位の古さに感じました。もっと古い建物かもしれません。

 私達はこの広い通りに面した、角にあった小さな開き扉の入り口から中に入って行きました。歩いて行くと、文具などの小物類が並んでいたようでした。エレベーター(現在検索してみると、リバティ百貨店にはエレベーターは無く、リフトと階段だけのようです。リフトに乗って上ったようです。)がすぐの所にあり、それで上階へと昇りました。連れのお目当ては言わずと知れたリバティの花柄プリントの生地のようでした。

 手芸コーナーというのでしょうか、Fさんはよく知っていて直ぐにその売り場の階に着きました。私にも何か欲しい物が有ればどうぞとショッピングを勧めると、彼女と若い子は連れだって近くの生地を眺めに行きました。Fさんは通訳の責任があったのでしょう、せっせとその子の世話を焼いている感じでした。

 私は折角来たので何か手ごろなお土産を買おうと小物の手芸品を眺めてみます。ハンカチが沢山吊られて、フックで縦横にずらっと並んでいる場所がありました。今から考えると、パッチワーク用の端切れコーナーだったのでしょうが、私はハンカチとばかり思っていました。見ていると、気に掛かったのでしょうFさんが戻ってきました。

「何か気になる商品でもありましたか?」

そう聞かれたので、

「可愛いハンカチが沢山有るので、お値段も安いので1つ2つ買おうかと思うんです。」

と、ハンカチの(私が思う所の)1個、2個を摘まんで見せました。Fさんはにこやかに目を細めると、

「それは、…ハンカチじゃないと思います。」

との事でした。

 当時の私はパッチワークという言葉を知っていましたが、家で出た余り布の廃品利用クラフトという認識でした。わわざわざお金を出して端切れを買って来て作製する物だとは知りませんでした。趣味で本格的にする人は、多くの同じ布地が必要なので、こういった同じ端切れの束で売られているコーナーで買う物なのでしょう。しかも、ここはヨーロッパの本場、高級百貨店、幾つかの真新しい布の束(多分ハンカチほどの大きさの布1枚を折りたたんだもの)が割安なハンカチ並みのお値段で並んでいます。

 次に私が目を止めたのはリボンのコーナーでした。手に取り買おうと思っていました。Fさんがそれは何だと思いますかと聞かれるので、「リボンでしょう。」と私は答えます。

「それはブレードと言って、男性の上着の袖口や襟飾りに使われています。ポケット口とか。ご婦人用に帽子の縁飾りに使う人もいますけど…。普通は男性の物で。」

と、これは助言してくださっているようです。Fさんって、西洋文化に詳しいのだなぁと、私は通信教育の企業から流石にイギリスへの同行者に選ばれただけの事は有ると感心しました。ブレードという言葉自体私には初耳でした。

 結局、何を買ったか覚えが無いのですが、多分パッチワークの端切れ2枚と、鴬色のブレード1本を買って来たのではないかと思います。思えば訳の分からない、東洋人にしてはお洒落な買い物でした。


牧歌の郷

2017-10-23 10:55:07 | 日記

 3人でホテルの1階ロビーで待ち合わせて、集合した私達は現在の地図で見ると、ホテルのマーブルアーチステーションのある方向の出口から出ました。出て左手の方向、オックスフォード・ストリートを進みます。道には飲料の屋台のような物が出ていて、買おうかなと思いましたが、手荷物になるからと帰りになりました。皆で15m程進んだでしょうか、その辺りからバスに乗りました。バス後方の乗り口から車内を覗くと、バスは2人掛けです。私達は勿論2階に行きたかったのですが、ステップを上ろうとして車掌さんに止められました。

 しかし、そこで諦めずに、Fさんが車掌さんと交渉してくれました。しかし2階が満席だったのか、結局上には行く事が出来ず、私達は1階の車内に入って行きました。私達は3人なので、若い子とFさんが2人で座り、Fさんの指示で私は2人から少し離れた後ろの空いた席に1人で座りました。1階の車内はまだ空席が幾つかある状態でした。

 さて、私がバスに乗る前に、Fさんから前もって地図を見せられ聞いていた話では、このまま暫く同じ通りを進み進行方向右手に曲がる予定です。バスを降りるとすぐにお店だという話でした。

 私達がバスに乗って1つ目か2つ目のバス停から、20代くらいのカジュアルな服装の男性がアイスクリームを手に乗り込んできました。思いがけず私の横の空いていた席に座りました。内心ドッキリでした。しかし、相手の男性は暢気で気楽に手に持っていたアイスクリームをなめ始めました。お世辞にもお行儀が良いタイプとは思えません、私は何事も起こらなければよいがと念じつつ平静を装って座っていました。

 するとパトカーのサイレンの音が聞こえて来ました。窓の外を見ると交差点の前でした。音のする方向にそれらしい車が来ます。パトカーが対向車線の交差点、横断歩道に差し掛かった時でした。パトカーのすぐ前をさっと走って横切った1人の若い子がいました。その子は男性か女性か不明でしたが、中学生ぐらいの年のようでした。交差点に入る前のその横断歩道で、パトカーが寸止まりしたのは見事でした。若い子は轢かれずに走り去りました。急停車の余りの見事さに、私は車にセンサーでもあるのかと思いました。パトカーの運転席と助手席の制服の警察官が、顔を曇らせてしかめっ面をし、憤っている表情がよく分かりました。それほどの近さでバスは交差点に向かっていました。パトカーまでの距離は20mくらいでしょうか。

「危ない」❛Dangerous.❜

私と相席の男性は共に叫ぶと、互いに異国の言葉の相違に気付くのでした。向こうも何か思ったようでした。そのままバスは進んでいきます。

 (バスのチケット、乗車券というのでしょう。車掌さんは黒っぽいくたびれたような制服の服装でした。黒人男性でした。コインを渡すと、箱型の機会でカタカタとこのリボンのような紙を打ち出して渡してくれます。日付と時間がありました。18:09 20JUL.00 £1.00とあります。)


牧歌の郷

2017-10-23 10:25:35 | 日記

 実際に何処のお店に行ったのか気になります。現在資料を調べなおしてみると、旅行社から頂いたガイドブックや、自分の記憶から、ロンドンでこの日バス乗り行った場所が分かりました。リバティ(Liberty)百貨店です。Shoppingのページに高級百貨店とあります。「東洋趣向を取り入れた独自の花柄プリントは、今やロンドン土産の定番。」(2000年当時)とあります。

 どうも、Fさんからも、最初に話を聞いた時にリバティプリントという言葉を聞いた様に思います。何故リバティからオリバーに変わったのかは不明ですが、とにかくショッピングに行った場所が分かりました。それにしても、当時のビジター用マップやガイドブックを開いて覗く度にくしゃみ鼻水です。当時のこういった書類にも、私にアレルギーを起こす物質がまだ付いているんですね、驚きました。何かの花粉でしょうか。

  (当時の英国、ガイド冊子) (ガイド冊子、ショッピングのページ)

(ガイド冊子、地図、宿泊ホテルは④番です。こうやって地図で見ると、Bさんと朝行った公園は確かにハイドパークです。公園本体から道で隔離された小さな部分だったようです。地図からS:リバティという百貨店の位置も分かります。)


参加しません

2017-10-23 10:20:43 | 日記

 ハロウィンには馴染みが無いので、仕事柄飾りつけしてある程度です。家から出かけることはありません。

それにしても、仮想衣装や、お菓子等、ハロウィン物が売り場に増えましたね。してくださいと言わんばかりの攻勢です。かざっりカボチャも値段が高くなりました。何年か前は100円前後でしたが、今は200円前後と2倍になっています。物価高、デフレ対策のせいかもしれませんが、今年値段を見て驚いていました。