キュー王立植物園を後にすると、この日の予定は「ハーブショップ・カルペパー見学とショッピング」、「ロンドン市内観光及びショッピング」です。もうこうなると研修というよりも観光とショッピングの世界です。
街中を走りバスがやって来たのはカルペパーショップです。このお店は普通に現代的なビル群のある通りにありました。東京などのオフィス街の間にある一角といった感じでした。一同道に降り立つと、ここなの?という感じでお店の前迄おずおずとやって来ます。入口はそう広い感じではなく。ショーウィンドウを加えても2間か2間半ほどの広さだったと思います。外見や中のコーディネートなども、今迄回って来たお土産屋さんの雰囲気でした。
お店の前に1同が揃うと、ガイドさんや先生を先頭に、待ちかねたように皆で店の中に入って行きました。中には沢山のハーブ商品が山のように奇麗に並んでいます。私が買ったお土産品の中でも、一番記憶に残っているのが石製のスパイスすり鉢とすり棒のセットです。香辛料をすり混ぜる時に家庭で使うすり鉢とそれと同石のすり棒でした。もしかすると置物かなという感じの高さ10cm程の可愛い大きさと色合いでした。基本の石は白とオレンジ色のマーブル模様でした。石造りだけに小さくても結構重たい品物でした。お値段はそう高くなかったと思うので、その点でも私の目に留まりました。
私は内心割れるかしらと心配でもありましたが、陶器と違い石製だから、圧迫されても割れ難いだろう、落とさない限り割れないだろうと判断しました。そこで、私は手に取り眺めて、まだ少しの間購入しようか如何しようか躊躇していましたが、台所で香辛料の調合をしている自分の姿を思い浮かべると、そのイメージの魅力と商品の可愛らしさに負けてしまい、買って帰る事にしました。
しかし、これはやはり我が家では調度品になってしまいました。帰国後、私はこのすり鉢を実際に料理の時に使用してみましたが、ハーブの種を数種摺り潰してみるとあまり性能が良いとは言えませんでした。種は潰れるけれど細かくすり混ぜる事が出来ませんでした。それでも、このスパイスのすり鉢セットは長く家の台所で可愛いらしさを留めていました。
ある日妹が遊びに来た時に、何となくすり鉢を見つめていた彼女に、私はついうっかりそのすり鉢欲しかったら持って行ってもいいわと言ったところ、あっさりとその日の内に妹の元へと引っ越して行ってしまいました。今では私の記憶にだけ残るその商品容姿となりました。 (カルペパー・ショップのパンフレット)
ここでは他にも何か買ったようですが、覚えていないので書けません。唯、お店のショッピングバックは購入しました。麻製品だそうです。お店の名前と絵が緑色で印刷されていて、特徴的なバッグでした。まち付きの手提げといった方がイメージしやすいでしょうね。これは今でも家にあります。今迄に3回程度使ったか使わないかという利用頻度です。かなり古びた色になり、印刷も色褪せました。
(バッグの絵は紳士と淑女、お子さんが2人と、優雅な家庭のイメージなのでしょうか。上のすり鉢とすりこ木に今気が付きました。私が買ったスパイス鉢は優勝カップのように足がついた杯状でした。形も素敵だったので気に入って買って仕舞いました。)
このお店の後でしょうか、大通りまで皆が出てバスが来るのを待っている間、私はDさんから譲っていただいたフィルムの事が気掛かりで、近くにフィルムを売っているようなお店かカメラ店が無いか捜してみました。丁度日本の通りとよく似た通りがあったので、私は『日本だとその辻の奥に写真屋があったのだが。』と、不思議に何だかイギリスのここにも写真屋があるのではないかと思えて来て、もしかしたらと歩いて行って覗いてみました。が、やはりところ変わればで辻の奥には写真屋はありませんでした。辻から戻ると、Dさんが道の入り口で心配そうに見守っていてくださるのに出会いました。私は写真屋があるような気がして行ってみたのだと説明しました。自分勝手な行動は人に心配をかけてしまうものだと反省しました。
その後、私がフィルムを購入できたのはその日の夕方でした。この日の市内バス観光で最後に訪れた、三越デパートのロンドン店ででした。色々なお土産を買ったレシートの時間には16:52分とあります。フイルムは入口を入って最初に買いました。入って直ぐの場所にフイルムの売店があったからです。とても嬉しく思い売値を気にせずに購入しました。この後のお土産のレシートの時間から遡って判断すると、16時半頃には三越デパートに入店したのでしょう。ここでの買い物は旅行者の税の関係があったのか、申告書のような控えもあります。こちらの控えの時間は17:01でした。もしかすると、荷物を郵送にしてもらったのかもしれません。
三越デパートでは、お茶2種類とビスケット、その他を買いました。地下の食料品売り場で物色して、ローズの花びら入りの紅茶を買いました。とても馨しく優雅な香りで美味しい紅茶でした。もう1つはアッサムティの紅茶です。これも香りとコクがあり美味しい紅茶でした。日本では購入して味わえない香りとコク、味だったと今でも懐かしく思います。現地ガイドさんの言う通り、紅茶とクッキー(ビスケット)をお土産に買って帰って正解の買い物であったと思いました。私の人生においても印象深く、とても良い経験となりました。
(バラの花びら入りの紅茶の方はパッケージが無くなりましたが、アッサムティの方は缶の形が可愛らしかったので、今でも戸棚の中に取ってありました。)