受験したい人は申し出てください。
そんな話を担任の先生がされたのは秋の事だったでしょうか。
小学生に受験があるなんて、私は全く知りませんでした。
同級生は皆、地域の小学校を卒業し、中学校に自動的に進学し、当たり前に入学するものだと思っていました。
所謂、中学受験は私にとって『寝耳に水』の出来事でした。
傍にいた人や先生の話から、大学には付属中学というものがあって、そこに進学できる事、
その中学には入学試験があり、合格しないと入学できない事、高い学力が無いと合格できない事が分かって来ました。
私にとっては本当に初めて聞く内容でした。
そんな物(付属中学や中学入学試験)が世の中にはあるのかと思いました。、
そして、この話は私にとって、とても魅力的な物でした。
何しろ自分の実力を試すチャンスなのですから。
地域の広範囲の小学校の最優秀者達が受験して、その中から合格不合格が決まるのです。
現在の時点での自分の実力を試すことができます。
自分の実力がはっきり分かる訳です。
この時、常日頃から抱いていた曖昧模糊とした自分の学力について、
実際にはどの程度の物なのか、私ははっきりと知りたいと思いました。
きちんとした結果が出れば、自分の将来についても、はっきりした答えが出ると思ったのです。
「Junさん、受けたら。」
考えていた私は、Fさんの声で我に返りました。
落ちても普通だし、受かれば最優秀者だと証明されるし、Junさんならきっと受かるよ、優秀だもん、
…等、Fさんにおだてられて、
私なんて駄目よ、にこやかに照れながら、実は受けたいなと思ってしまうのでした。
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