日表の紅梅に音ありにけり 後藤 綾子
明日・2月22日の句としてこの句を記しているのは 『癒しの一句』 です。
この句を口にして、いま読んだばかりの話が浮かんできました。
6歳の次男の保育園の帰り、手を引く次男に向かって
「虫の音(こえ)がすごいね」
次男はとても驚いたように聞き返す。
「エッ!? 虫の音? 星の音じゃないの?」
句については 「日なたの紅梅の木の、何かの物音がしたというのだが
、それも春の到来を暗示してるかのようだ。古来、視覚、嗅覚に訴えかけ
てきた梅の花に聴覚でせまったところが新しい」 とあります。
子どもとの会話については 「なんと、次男の中では~星の瞬きと~虫の
音がリンクしていたのだ。~本当に星音(ほしのおと)が聴こえていたので
はないか」。
この話を載せているのは葉山藝大BOOK-2 『本に恋して』 です。
書き手の地代所 隆さんは鎌倉浄明寺の蕎麦カフェ「星音(ほしのおと)」
の店主です。