これは平林堂書店のHPです。http://heirindo.com/
ここに「ご挨拶」として、
「20余年にわたりご愛顧頂きました上田原店は9月末日をもって閉店することになりました。ご支援下さいました皆様に心から お礼を申し上げますと共に謹んでお詫び申し上げます。(略)」
今年の9月なのか? わかりませんが、いずれにしても昨日の店舗の写真の
左側の木造風店舗は「平林堂書店」ではないか、なくなるかです。挨拶の内容
からみると所謂事業縮小の結果のようです。書店として長野県下一二という店
であったようですが、厳しい局面を迎えているのでしょうか。
きうの話の続きです。昨夜本の頁をめくっていましたら、
この本が本棚にあったことを思い出しパチリ、三枚。
横山十四男 『上田藩農民騒動史 ー増補新版ー』 平林堂書店
と記されています。
開かれた頁はこれです。
さて、これはどういうものか?拾い読みをした範囲ですが、
≪第三章 最初の全藩一揆 宝暦騒動
一七六一年(宝暦十一)十二月に起こったいわゆる宝暦騒動は上田藩における最初
の全藩的大一揆であった。≫ではじまる章にある「上田騒動実記」の原本写真縮尺版
の一頁で、頁の下側に活字版が載っています。
なお、本には原本英訳と原本現代訳が載せられています。それは本の発行当時(19
81年)法政大学の客員教授であったアメリカの日本近代史研究家によるものです。
この本を何時頃買ったのだろう、あるいは上田に行ったとき平林堂で?と思いましたが、
鎌倉市内の古書店でした。写真の左下に元持ち主であろう人の筆で、
「上田市中央三丁目(原町)平林堂書店にて求む 1984.8.21 石井印」
と見えます。ほぼ30年前平林堂書店で買われた本がこうしてkaeruの
机上で開かれているのも「本の縁」というもので、電子書籍では絶対に起
きない縁です。
その意味でも小宮山量平氏の「平林堂六十年の記録」に寄せた「言葉」を
ここに記せずにはいられません。(小宮山氏ついては昨日の「つぶやき」へ
の「69歳のラブレター」さんのコメントから、 tttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AE%AE%E5%B1%B1%E9%87%8F%E5%B9%B3)
それはここに書かれています。
『平林堂六十年の記録』の最初の言葉です。それは「序に代えてーー」と
あり、「良書の主潮流を生み出した人びと」となっています。
この文の最後の方の部分に、
<第三の出版革命ともいうべき≪電子出版の時代の到来≫といえば、かの
老舗岩波書店の 『広辞苑』 をはじめとして、(略)その根底から呆気なく揺ら
いでしまう時代を迎えたように、出版業そのものの分野が変革を迫られてい
る状況となりました。
~新しい出版文化の時代を、みずみずしく開拓し、温もりある新産業の在り
方を認識すべき時代が訪れているのかもしれません。
(略)>
私も上田の高校卒後、いわゆる神田村の住民となり、書籍流通のなかに身
をおいた者として、この言葉を郷土の先輩、出版事業界の先人の言葉として
自らのものにせねばと思います。