その話を聞いたとき、金子みすゞのある詩の言葉が浮かんできました。
「見えぬけれどもあるんだよ、 見えぬものでもあるんだよ。」
その話とは、「てんがらもんラジオ」123回のゲスト・羽生さんのお話です。
( http://www.ustream.tv/recorded/49491953 )
羽生さんは、地域の「こまどり保育園」の理事長さんで最近まで園長さんを
務めておられました。その話の中で、「見せる保育」という言葉が耳に残って
います。 それは保育の結果が親などの目に直ぐに分かるような保育のこと
を言うのだそうです。 何かを覚えそれを数値で表わすとか、英語を幼児の頃
から教えるとか。子どもは成長が早いので、結果は直ぐ出るそうです、すると親
たちは喜ぶ。
しかし、「こまどり保育園」ではそういう保育はしない、と言っておられました。
その時、先ほどの詩が頭に浮かんだのです。
あぁ、良い保育をしているのだなーと深く心に残りました。
みすゞの詩 「星とたんぽぽ」 にはこんなフレーズがあります。
<青いお空の底ふかく、海の小石のそのように、 夜がくるまで沈んでる、
昼のお星は眼にみえぬ。>のあと先ほどの二行が続きます。
そして、
<散ってすがれたたんぽぽの、瓦のすきに、だァまって、春がくるまでかくれてる、
つよいその根は眼にみえぬ。>のあとにも二行が入っています。
子どもの心を育てる、子どもの自己肯定感を育てる、それを地域の自然の
なかでじっくりと仲間との生活の中で育てていく、「こころの保育」と呼んでおら
れました。ここには保育はこうありたいと思うものがあります。
その保育方針の元で30余年、この保育園を巣立っていった子たちの成長
を見てきた立場からの「保育の実績」を伺う機会があるといいな、と思ってい
ます。
前回の向井さんの映像がさっそく改善され、鹿児島弁を楽しく話す表情がよ
く分かり、いっそう楽しく話し合いが見られました、有難うございます。