kaeruのつぶやき

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白蓮の恋と平和運動。

2014-07-15 11:43:36 | 中間詩的つぶやき

 今日の「しんぶん赤旗」文化欄の見出しはご覧の通りです。その書き出しは

「今、NHKで人気を集めているのが朝の連続テレビ小説 “花子とアン” に登

場する伯爵令嬢と炭鉱王の物語だ。それは私(歌人永野朝子)の故郷の炭鉱町

で起きた柳原白蓮と伊藤伝右衛門の結婚話が下敷きになっている」。

 大正三美人のひとりと称された白蓮の離婚について、当時の新聞に中条百合

子(後の宮本百合子)が次のように述べています。(1922/10/24読売新聞)

 「私は白蓮さんの歌を拝見する度に、ある小さな不満を感じていました。あんな

に歌で自分の生活を呪ったり悲しんだりしているが、実生活ではまだ富の誇りに

妥協して、二重の望みに生きているという気がいたしました。そして、今度の事件

を見ますと、しみじみ女としての理解と同情の念が湧いてきます。(略)

 夫人がこういう思いつめた最後の手段に出るまでには、どれ位人知れぬ悩みを

重ねていたか、決してこれは浮わっ調子な笑い話ではないと思います」。

 

 百合子が「小さな不満」を感じていた歌とは、永野さんの引用の

  石の床石の枕に旅寝してあるが如くも冷たさに泣く

  年経ては吾も名もなき墓とならむ筑紫のはての松の木かげに

 などでしょう。

  そして、白蓮が夫伝右衛門に送った離縁状を載せた大阪朝日新聞(10/23)は、

 「愛なき結婚と夫の無理解が生んだ妻の苦痛と悲惨の告白」と書きました。

 

 その後宮崎龍介(ドラマでは宮本龍一)と結婚、召集された長男を敗戦直前空襲

で失います。そのことを永野さんの引用する歌でみます、

  夜をこめて板戸をたたくは風ばかりおどろかしてよ吾子のかへると

  英霊の生きてかへるがありといふ子の骨壷よ振れば音する

 これについて、永野さんは「焦土の原に、いとし子を詠んで嘆く。その深い悲しみは、

戦後、平和運動へ身をていしていく新たなバネとなった」とし、広島・長崎への憤りと励

ましの歌を紹介しています。

   この犠牲が世界平和の道しるべわがをとめ等よ泣くのでないぞ

    人の世にあるべきものか原爆のいくさは遠く根の国へゆけ

 永野さんの文の最後、

≪いま、安倍政権が再び日本を戦争のできる国にしようとしている。しかし、「戦争反対」

の声は連日、首相官邸をとりまき膨れあがっている。その中に数多くの白蓮の姿が、あり

ありと、私の目には映っている。≫

 

 白蓮が己の存在の自由を求めていた時期、1922年7月15日日本共産党が創立され、

今日がその92周年です。