「てんがらもんラジオ」先週は80歳代のご婦人、今週は50歳代の男性でした。先週のご婦人は「鹿児島弁で語り継ごう」と、おはなし会を地域で続けておられる。そんなをことを聴きながら自分のことに引きつけ、80歳代の役割というようなことを考えていました。
先週のゲスト福宿玲子さんは私より一つ上の1936年生れ、略歴によれば生まれも育ちも鹿児島、幼児期の言葉環境は鹿児島弁に包まれていたでしょう。そして60歳代中頃から鹿児島弁を子供達に伝えるという活動をはじめられたようです。これからもこの活動を続けていきたいと語り、娘さんがCDにとっておくと言われていました。ここに人生の豊かな経験を後世に伝えている見事な手本がある思い、いつもながら「てんがらもんラジオ」のゲストの方々から学ぶことができます。
さて、わが身に引きつけてという内容です。
この期間私の関心は「森友学園」問題に集中し、国有地の法外な値引きとそれを可能にした政治家の関わりとともに、私の耳目に大きく映ってきたのは教育勅語問題です。戦前戦中のこの教育勅語をその当時の教育によって頭に浸透させられていた最後の世代は現在の80歳代でしょう。
私の頭の中にも「朕惟フニ我カ皇祖皇宗……」の少しあと位まででしたら滲み出てきます、70余年前の暗誦の残りです。幼稚園児に教育勅語を暗誦させる、この問題はある特殊な幼稚園の特殊な教育だけではない所に深刻さがあります。4月3日に政府は教育勅語を教材として用いることを「否定されることではない」としました。
私が小学生であった1948年に私達の親世代は戦争への反省から教育勅語を国会で排除・失効確認決議をしました。そこから70年にもならない現在、それを否定しない日本国政府になっているのです。政府の菅官房長官はこれをもって戦前への回帰ではない、と言います、それならば新しい戦前なのか。
私達の親世代は戦争時代のなかの人生でした、私達の子供達は新しい戦争時代を前にしているのでしょうか、「そうでは無い」といいきれないのが実態です。ならば80歳になろうとしている私は、何をどのようにしていくのか、そんなことも頭におきながら今日の「てんがらもんラジオ」を視聴していたのです。
そしてある言葉と結びつくヒントを得ました「自前の思想」という言葉と「身体を預ける信頼」です。実は明日この「自前」ということについて80歳代の御婦人達と突っ込んだ話し合いの場を持ちます。そのことも含めて今日の「てんがらもんラジオ」について触れたいと思います。