花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

三の丸尚蔵館「花鳥展」(1)

2006-04-02 00:53:58 | 展覧会
東京都美術館の「ニューヨーク・バーク・コレクション展」は2度行った。伊藤若冲の《月下白梅図》をしっかりと観るためだった。白梅の小さな花々と蕾はまるで晧晧とした満月の光で弾けたシャンパンの気泡の如く画面に広がり立ち上る…。

さて、今日は三の丸尚蔵館で「花鳥展」を観てきた。若冲の「動植綵絵」が期間展示されているのだ。
http://www.kunaicho.go.jp/11/d11-05-06.html

全30幅は会期中5期に分けての展示で、その第1回目は《芍薬群蝶図》《老松白鶏図》《南天雄鶏図》《牡丹小禽図》《雪中錦鶏図》《芦雁図》の6点。
今回の展示で、私的に特に印象的だったのが《南天雄鶏図》だった。黒雄鶏の真赤な鶏冠(それも水玉模様!)とたわわな鈴なりを誇る真紅の南天の実の鮮やかさ!!雄鶏の開けた嘴から甲高い鳴声が鋭く発せられているような、そんな緊張感さえ感じたのは鮮烈で過剰な赤の力かもしれない。そうなのだ、若冲はどこまでも過剰なのだ。

以前、NHKで若冲を扱った特別番組を見た。岸部一徳さんが若冲役をしていた。宮内庁三の丸に若冲作品が所蔵されているのを知ったのもその番組でだった。それ以来サイトチェックしていただけに、遂に!という感慨がある。バーク・コレクションの《月下白梅図》と同じ構図の《梅花晧月図》も見られるはずだ。ぜひ「動植綵絵」全作品を見たいものである。