花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

承天閣美術館「若冲展」

2007-05-27 23:57:34 | 展覧会
金曜・土曜と1泊2日で京都へ行ってきた。もちろん、お目当ては「若冲展」と京都文化博物館「丸紅コレクション展」を観るためだ。その他に樂美術館「樂歴代名品展」、京都国立近代美術館「福田平八郎展」、高台寺を観て回った。さすがに疲れ果て、今日は一日寝込んでしまった(^^;;




「若冲展」は相国寺の釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会であり、全作品を一堂に並べる壮観な展示だった。でも、第2展示室の柱はちょっと邪魔だったかもしれない(^^;;

第一展示室では、さすが京都にはまだまだ若冲作品が残っているのだなぁと感心するものがあり、特に鹿苑寺(金閣寺)の書院障壁画には目を瞠った。そこから長い通路を経て第2展示室へと向かうのだが、その混雑と待ち時間の長さにはほとほと疲れてしまった。

やっと入場するも、釈迦三尊像と動植綵絵の並ぶ展示室は、やはり緻密な筆致の作品だから、丹念に観ようとする人が多く、なかなか人列が前に進まない。

去年の三の丸尚蔵館は動植綵絵30幅を5期に渡って6幅づつ展示したものだったが、今回は相国寺の釈迦三尊像が中央に鎮座し、それを囲むように30作品が並んでいる。この順列の妙は監修の学者さんたちが協議して決めたらしいが、なるほど!と思わせるものがある。ほぼ左右側の位置に相対する作品が並ぶ。やはり一堂に並ぶと凄さも増して、若冲の気迫がひしひしと伝わってくる。
若冲の相国寺への寄進時に添えられていた手紙も展示されており、若冲をなにやら身近に感じた。

今回、特に面白く感じたことを思いつくままにピックアップしてみる。

まず、居並ぶ作品を再見すると「群鶏図」が抜きん出て素晴らしかった!描写だけでなく凝縮された構図の見事さも相俟ってインパク大なのだ。それは他作品の構図にS字の流動構図が多いこともあるのかもしれない。流れる曲線や円形の反復は雄鶏の尾の曲線にも言えるだろう。

また、「秋塘群雀図」の穂(茎?)に並ぶ雀のリズミカルな姿態を見ながら、もしかして長澤芦雪は成就寺本堂袋戸「群雀図」(府中市美術館「動物絵画の100年」で観た)において若冲作品を参考にしているかもしれないと思った。あ、素人の勝手な想像なのでお許しあれ(^^;;

私的に「芍薬群蝶図」には極楽浄土を「貝甲図」には彼岸を見てしまった。動植綵絵には若冲の仏教観が込められていることを改めて感じた。

ということで、本当はもっとあるのだが、機会があったらまた触れたい。寄る年波には勝てない、ってあるけど、本当に疲れがまだ取れないのだ。とほほ…。