ドーリア・パンフィーリ美術館のベラスケス《イノケンティウス10世の肖像》は、教皇(Giovanni Battista Pamphili)の実像に迫る見応えのある傑作である。
ディエゴ・ベラスケス《イノケンティウス10世の肖像》(1650年)ドーリア・パンフィーリ美術館
イノケンティウス10世が手にしている紙片にはベラスケスによるサインと献辞が描かれている。
「我らが猊下イノケンティウス10世(InnocencioⅩ)教皇のために、カトリック王陛下の宮廷画家ディエゴ・デ・シルバ・ベラスケスによる」と。
ベラスケスのサンティアゴ騎士団入会希望はこの頃既に水面下で動いていたようだ。1650年12月17日、ローマのポンティローロ枢機卿はマドリード駐在ヴァティカン大使宛て書簡で、ベラスケスの希望を支援する旨を送っている。翌1651年8月2日(ベラスケス帰国後)、マドリード大使は返信でベラスケス支援を確認している。ベラスケスが実際に行動を起こすのは1658年、アレクサンデル7世時ではあるが…。凄いね!ベラスケス!!