西洋美術史の本を読むとプリニウス(Gaius Plinius Secundus、23-79)『博物誌(Naturalis Historia)』からの引用がよく登場する。戦争に出かける恋人の(壁に映った)影の輪郭をなぞったのが絵画の起源であるとか、アペレスとプロトゲネスの話とか...色々とね。
でも、そんな有名なプリニウスなのに、恥ずかしながら殆ど知ることのなかった私であったが(汗)、イタリア語教室で偶然に火山の話題が出て、プリニウスはヴェスヴィオ火山の噴火で死んだんだよね、と話が盛り上がり、ご一緒したHさんの「マンガ『プリニウス』を読んでいます」発言に、思わず「貸してくださ~い!」と、ずうずうしくもお願いしてしまった
ヤマザキ・マリ&とり・みき『プリニウス』(新潮社)現在8巻刊行。
「古代ローマを生きた博物学者・プリニウスの活躍とその時代を描く、歴史伝奇ロマンの決定版。」(公式サイト)
https://www.shinchosha.co.jp/plinivs/2018/11/22.html
実際のプリニウスは書斎派だったようだが、マンガのプリニウスは書記係エウクレスと配下(軍人)フェリクスをお供に、好奇心の趣くままローマ帝国領内を水戸黄門漫遊記的に旅するのである。時はローマ皇帝ネロの時代、陰謀渦巻く首都ローマは禍々しい事件が立て続けに起っているが、プリニウス一行はそんなローマを離れ帝国属州を気ままに旅している。8巻最後はロドスのヘーリオスの巨像が出てくるし、アレキサンドリアでは大灯台も出ていたし、幻想怪奇な生物も色々登場するし、このマンガはプリニウスだけでなく暴君ネロとその時代も併せての歴史伝奇ロマンなのだ
ちなみに、古代ローマ人は基本的に髭を生やさないが、髭を生やしているのはギリシアかぶれらしい(7月にお勉強した)。マンガでネロが髭を蓄えているのが、なるほど!と了解されたのだわ
ということで、第9巻は12月刊行予定らしいので、続きも楽しみだ♪