最近、やはり西洋美術はギリシア・ローマ美術から勉強しなければいけないと反省し(古典古代は苦手)、「西洋美術の歴史1-古代」(中央公論社)を読み始めた。いやぁ、勉強になること多々で、ルネサンス美術を知るにはギリシア・ローマ美術を知らなければならないことが良~くわかった。今更ながら大反省
💦
さて、16世紀にローマのカラカラ浴場跡から発掘された《ファルネーゼのヘラクレス》は、リシュッポスのオリジナル《休息するヘラクレス》(前320年頃)を、ローマ時代(後3世紀)に大きくコピーしたもので、ファルネーゼ家のコレクションに入り、現在はナポリ国立博物館に所蔵されている。
グリュコン《ファルネーゼのヘラクレス》(後3世紀)ナポリ国立考古学博物館
ちなみに、古代ローマ人は左右対称好きなので、カラカラ浴場からは1対(2体)出土しており、現在、別のもう1体はナポリのガゼルタ宮に所蔵されている。当時は壊れた状態で出土したらしい。
https://www.alamy.com/stock-photo/hercules-statue-reggia-di-caserta.html
私が2011年2月にローマで「Palazzo Farnese」展を観た時、《ファルネーゼのヘラクレス》は1階(2階)「ヘラクレスの間」入口右側に展示されていた。
https://blog.goo.ne.jp/kal1123/e/f3de6a9fff61dcb04dc60038b6d2c501
「ヘラクレスの間」と言うくらいだから、当時もそこに展示されていたと思っていたのだが、何と!1590年代には地上階(1階)の「coltile(中庭)」に面した列柱回廊のロッジア部分にあったようなのだ。実はそれを知ったのが、なんとまぁ!アンニバレ・カラッチの素描なのだった
多分、アンニバレがボローニャ派の画家たちを率いて、カラッチ・ギャラリーの天井画を描いていた頃の素描だと思うが、仕事の合間に描いたのだろうか?などと想像するのも楽しい。いや、もしかして、仕事への支払いの悪いファルネーゼ家への不満を素描で紛らわせていたり?(妄想
)
で、アンニバレが描いた当時の設置場所を確認すべくネットで探してみたら...下記の画像を見つけた。空間や像の大きさが想像され、大体の雰囲気がわかるような気がした。
https://www.flickr.com/photos/dealvariis/3588801724/
ううむ...もしかして写真撮影した右隣の開口部アーチ(ロッジア)下あたりに設置されていたのではないかと想像するのだが、どうなのだろうか???
ちなみに、下記↓の版画は1560年頃の作品で、パラッツォ自体の様子が現在となにやら違うのだよね。

動画の解説によると(フランス語解説にイタリア語の字幕!)、建物のロッジア開口部分をミケランジェロが閉じてしまったようだ。私の誤訳です💦
ちなみに、参考としてパラッツォ・ファルネーゼの平面図を...
ううむ...それでも美術ド素人&横文字苦手の私には疑問は残るのだ。すると《ファルネーゼのヘラクレス》は、ある時期にパラッツォ内で設置場所の移動があったのだろうか??? なかったのだろうか???