花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

三菱一号館美術館「マリアノ・フォルチュニ展」サクッと感想(^^;

2019-08-22 00:18:15 | 展覧会

三菱一号館美術館「マリアノ・フォルチュニ - 織りなすデザイン展」を観た感想をサクッと

私の大好きなスペインの画家マリアーノ・フォルトゥーニ・イ・マルサル(1838 - 1874)の息子であるマリアノ・フォルチュニ(1871 –1949)の仕事と作品を紹介する展覧会だった。(名前表記はイタリア語読み?? 父との区別のため??)

https://mimt.jp/fortuny/ 

息子フォルチュニはヴェネツィアに工房を持ち、様々なテキスタイルや、あの有名なドレス「デルフォス」などを創作する。その他にも写真や舞台照明などのデザイナーとしても活躍したが、どうやら自身は「画家」であると自認していたようだ。パパの作品も模写したりしている。でもね、その絵画作品を観たところ、残念ながらパパには及ばないと思えた。その代わり、デザイナーとしては素晴らしい仕事をしている。

テキスタイルから衣装デザインまで手掛ける。中央のプリーツドレス「デルフォス」が特に有名。

で、私的にはやはり父フォルトゥーニ作品の展示が嬉しかった。 主に素描や版画作品だったのだが、特に目を惹かれたのは《牧歌》だった。

 

マリアーノ・フォルトゥーニ・イ・マルサル《牧歌》(この版画作品だったと思う)

ちなみに、オリジナル水彩画《牧歌》(1868年)はプラドにある。

https://www.museodelprado.es/en/the-collection/art-work/idyll/425dd913-a73c-4c46-9d28-adc9dd66c00b

プラドの解説とは別に、私的には《牧歌》の少年の背中の傾きに《日本風サロンに居る画家の子供たち》に描かれた息子(マリアノ・フォルチュニ)の背中の傾き重ねてしまったのだった。もしかして、画家自身も描きながら《牧歌》少年の背中を想起したかもしれない。

 

マリアーノ・フォルトゥーニ・イ・マルサル《The Artist's Children in the Japanese Salon》(1874年)プラド美術館 

私の目を惹いたもう1枚の絵がある。今回の展覧会公式動画「マリアノ・フォルチュニ 創作の源を訪ねて 」ではヴェネツィア「フォルチュニ美術館」が紹介されていた。(フェッレッティ館長はフォルトゥーニと発音しているように聞こえる)

https://www.youtube.com/watch?v=Aty8ch4_0gA 

カメラが館内の様子を映し、壁にヴェネツィア派の作品が幾つか見えた。その時、一瞬私の目が捉えたのはティツィアーノ《鎧を着けたフェリペ2世の肖像》(コピー作品)だった!!

フォルチュニはヴァネツィアのカ・ペーザロに居を構えたが、やはり彼はスペイン人マリアーノ・フォルトゥーニ・イ・マドラーソ(Mariano Fortuny y Madrazo)なのである。私はそのアイデンティティの証をフェリペ2世の肖像に見たような気がした。