今年のアカデミー賞作品賞を受賞した韓国映画「パラサイト」を見た。
外国語映画賞ではなく作品賞であることが話題になったが、多分、テーマが韓国だけでなく米国も(日本も世界も)抱える大きな課題である「格差」だからこそだろう。それをアイロニカルで上質なエンターティメント作品に仕上げたところが勝因だったのかもしれない。
半地下の家に住む無職で貧乏な家族が、高台にあるお金持ちの家に就職し寄生して行く。その寄生計画の実行過程が実に面白い。しかし、その豪邸には秘密があった…。豪雨のある日から一家の計画が狂って行く。
豪雨の出水が「階段」を、道路を、奔流となり下って行くシーンは象徴的であり見事である。氾濫した汚水が流れ込む半地下の家の様子と言ったら…。
ネタバレになりそうなのでこの辺でやめるが、最初から最後まで目が離せない映画的面白さを楽しみながらも、格差社会の悲哀を想う時、やはりポン・ジュノ監督の手腕を称賛したくなる。