取り寄せ依頼していた本を書店で購入しついでに、「芸術新潮」6月号をサクッと立ち読みした。
https://www.shinchosha.co.jp/geishin/
緊急寄稿シリーズ「新型コロナウィルスと美術の現場」の中で、国立西洋美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」監修の川瀬佑介氏が、コロナ禍の下での苦しい状況を書いていた。特に、将来的にも、疫病流行の可能性を含めて、国内外からの作品借り出しが必要な企画展の難しさ(移動や経費面も含め)は切実で、大規模な西洋古典美術の企画展などは困難極まりないものとなりそうだ。一美術ファンとしても暗澹たる思いになってしまう。
で、別記事のなかで、コロナ禍のローマ「ラファエッロ展」について言及していたが、「ファン・エイク展」もだが、途中で中断・中止状態になってしまった展覧会も多い。
記事には扱われていないが、私的に注目していたミラノ「ジョルジュ・ド・ラトゥール展」も影響を受けた展覧会のひとつだ。サイトを確認すると、パララッツォ・レアーレは5月28日から再開し、会期も、2020年2月7日~9月27日と延長になっている。
Palazzo Reale「Georges de La Tour - L'Europa della luce」展
https://www.palazzorealemilano.it/en/mostre/leuropa-della-luce
2016年のプラド美術館「ラ・トゥール展」を観ていたので、多分あれ以上の充実した作品展示は望めないだろうという予想もあったが、今回の展覧会はホントホルストやビゴーなどの欧州テネブリズムとラ・トゥールとの関わりに焦点を当てており、興味深い展覧会であるのは確かである。
実は、私的に注目したのは企画者側のラインナップであった。
Curated by Prof.ssa Francesca Cappelletti advisory committee Pierre Rosenberg (a former director of the Louvre), Gail Feigenbaum (Director, Getty Research Institute), Annick Lemoine (Director, Musée Cognacq-Jay), and Andres Ubeda (Deputy Director, Prado Museum)。
以前、拙ブログで「The Burlington Magazine」誌におけるローゼンバーグ氏のプラド美術館「ラ・トゥール展」展評に触れたことがあるが、結構辛口な評で、特に展覧会場の照明に文句を付けていたのが印象的だった。ということは、もしかして今回のミラノ展覧会場は申し分ない照明効果が期待できるのだろうか??
https://blog.goo.ne.jp/kal1123/e/723d101fdc1818ae8f565d577f1129e4
いずれにしても、この新型コロナウィスルのお陰で、国内にしろ海外にしろ、個人的には当分(ワクチンや治療薬ができるまで)展覧会や美術館に行くことはできないだろう。本当に悔しくて悲しくて辛い。