・「L'origine della natura morta in Italia Caravaggio e il Maestro di Hartford(イタリア静物画の起源 カラヴァッジョとハートフォードの画家)」展
・期間:2016年11月16日~2017年2月19日
・会場:ボルゲーゼ美術館
イタリアにおける独立した静物画の成立は、カラヴァッジョ《果物籠》(アンブロジアーナ絵画館)が起源とされている。
カラヴァッジョ《果物籠》(1597年頃)アンブロジアーナ絵画館
今回の展覧会は、カラヴァッジョ周辺の画家として「ハートフォードの静物の画家」(東京でも展示されていた)に注目し、カヴァリエーレ・ダルピーノ工房周辺の画家たちを含め、17世紀初頭におけるローマでの静物画の諸相と起源を探る展覧会のようだ。
「ハートフォードの静物の画家」はハートフォードのワズワース・アシニウム美術館が所蔵する作品にちなんでの名称で、今も特定されておらず議論のある画家でもあるようだ。ダルピーノと近しい関係だったらしく、フェデリコ・ゼーリがカラヴァッジョに結び付けようとしていた画家でもある。
ちなみに、国立西洋美術館「カラヴァッジョ展」図録にアルベルト・コッティーノ氏による論文「カラヴァッジョ様式の静物画」が掲載されており、その意味でも興味深く観ることができそうだ。と言っても、私は観に行けないと思うのだが...(-_-;)
※参照:Studio Martinotti「L'origine della natura morta in Italia Caravaggio e il Maestro di Hartford(イタリアの静物画の起源 カラヴァッジョとハートフォードの画家)」(プレスリリースPDF付)
※参考:Andrea Bacchi, Elisabetta Sambo「La natura morta di Federico Zeri(フェデリコ・ゼーリの静物画)」
※参考:Alberto Cottino「Maurizio Marini e la natura morta caravaggesca(マウリッツィオ・マリーニとカラヴァッジョの静物画)」
ご覧になる方、レポートをよろしくお願いします~(^^ゞ
紹介いただき、ありがとうございました。
イタリアにおける静物画の発生と成長については、いまいち研究が少ない気がします。ハートフォードの画家」は1950年代に命名されたものだそうですが、イタリアのものだとよくわかったな、とおもうところです。
1986年に埼玉・下関・池袋西武で開催された ローディ コレクション の「イタリア美術展」カタログ解説を読み返してみたくなりました。
ゼーリ監修の「Natura Morta in Itarlia」という2冊組の本が出ているのですが、箱の背表紙の著者一覧が、多分、研究者一覧のようが気がします(^^;
https://www.amazon.com/Natura-Italia-Volumes-Italian-German/dp/8843527630
研究者たちって本当にディープで凄いなぁと、いつも感心してしまいますね。
ちなみに、ワズワース・アシニウム美術館は17世紀イタリア・スペインのバロック絵画が充実しているので、もしかして、そこから眼が付けられたのでしょうかね??
で、山科さん、ローディ・コレクション展は1986年も来ていたのですねぇ。内容は若干違うかもしれませんが、私も2002年に山形美術館で「イタリア静物画展」を観ましたよ♪
http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/artscape/catalog/yamagata/yamagata/yamagata.html
2001年に東京でシルヴァーノ ローディコレクションをみたときのコメントを書いておきます。
1986年のときのはまた別途
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東京新宿の安田火災東郷青児美術館で5/26に観ました。私は、このコレクションを日本で観るのは2回目です。1986年9月に北浦和の埼玉県立近代美術館で観ました。美術館の周りの広い芝生と、羊皮紙にテンペラで描いた奇妙な静物画が印象に残っていました。本展のNo。16のイチヂクの絵です。
15年の後、再び、同じ絵画、同じコレクションをみるというのは、そのコレクションがそれほど有名でないだけになおさら「時間」というものを感じ、深い瞑想に誘うものがあります。
No。16の女流画家ジョバンナ=ガルゾーニ「皿に盛られたイチジク」は、やはり面白いもので、記憶する価値のあるものでした。
さて、記憶に残っていないのに、今回、印象が強かったのは、カタログNo。29の「魚と玉葱」と、No。11の「白磁の鉢と桃のある静物」です。2点とも15年前のカタログにも載っていたので展示されていたのでしょうが、当時はその美しさに気がつかなかったのでしょう。来年まで、富山、足利、山形を巡回します。
私も2001-02年の図録を持っているので、山科さんのコメントを参照しながら再読しました。
で、山科さんご称讃の《皿に盛られたイチジク》を見て、なるほど!と気が付きました。ポッジョ・ア・カイアーノ「静物画美術館」での一押し作品《さくらんぼ》もガルゾーニ作でしたね。
http://blog.goo.ne.jp/kal1123/e/56e2568e26c4aa5b86130ebfaae41df5
山科さんのおかげで(忘れかけていた(^^;)ローディ・コレクションの面白さを再認識できました。ありがとうございました!!