前回から間が空いてしまったが福岡旅行の続きをば。
福岡市美術館の常設展示は充実していて、さすがだなぁ!と羨ましくなってしまった。下の写真はロビーに展示されていた前川國男設計福岡市美術館の建築模型だ。
さて、常設展で特に楽しみにしていたのは松永コレクションだった。中でも久々の仁清《吉野山図茶壷》に目が喜ぶ。(展覧会で何度か観ていた)
野々村仁清《色絵吉野山図茶壷》(江戸時代 17世紀)
この《色絵吉野山図茶壷》はMOAの《色絵藤花文茶壷》、出光の《色絵罌粟文茶壺》、東博《色絵月梅図茶壷》と並ぶ私的お気に入りの仁清茶壷であり、今回も360度ぐるぐる回りながら吉野山に咲き誇る桜を堪能してしまった。
松永耳庵は茶人コレクターとして有名だから、茶事のお茶碗や掛け軸等にも目が惹かれる。柿蔕茶碗 「白雨」はいびつな風情が面白かった。
《柿蔕茶碗 銘「白雨」》(朝鮮王朝時代 16-17世紀)
尾形乾山《花籠図》(江戸時代 18世紀) 《王子型水瓶》(奈良時代 8世紀)
展示されていたのは松永コレクションの極一部だろうが、耳庵の目利きぶりも見ることができたような気がする。(もちろん資力あってこそだとは思うが)
で、近現代コレクションの展示も面白く、下↓写真作品は時局的に心に響くものがあった。作者のショニバレのルーツはナイジェリアであり、女性の頭は地球儀、そして、アフリカンプリントのドレスを纏う。
インカ・ショニバレCBE《桜を放つ女性》(2019年)
そして、福岡市美術館の近現代コレクションの中でもやはり特筆されるのはダリ《ポルト・リガトの聖母》だろう。撮影禁止なので写真は撮れなかったが、下記の福岡市美術館URLをご参照あれ。
https://www.fukuoka-art-museum.jp/collection_highlight/2657/
以前、上野での「ダリ展」にも出展されていた記憶がある。ダリのシュルレアリスムは綺想を裏打ちする超写実力なのだと思う。大画面を間近で観るとその写実力に驚かされる。絵肌の滑らかさはまるで画題から滲む不穏さを包み隠そうとしているようにも思えた。
ということで、福岡市美術館では展覧会&常設館をしっかりと堪能できたのだった。
この吉野山、2002年の他に、2008年「対決-巨匠たちの日本美術」にも東博出張してました💛
ちなみに、吉野山の写真が1枚抜けていて、あわてて追加しました(^^ゞ
え、こんな絵だったの?
The Museo Nacional del Prado and Colnaghi announce the unveiling and loan of Caravaggio’s masterpiece Ecce Homo
貴重な情報をありがとうございました!!
修復が終わり、プラド美術館で5月28日から10月まで展示されるようですね。
複数の専門家が真作としているようですが、美術ド素人的には画像だけでは「う~ん」状態で、やはり実物を観ないと何とも言えません。でも、プラドに観に行くのも難しそうだし...涙です( ;∀;)