花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

国立西洋美術館「アルチンボルド展」感想(1)

2017-06-20 23:59:18 | 展覧会

国立西洋美術館「アルチンボルド展」を観た。

で、取りあえずの感想をサクッと…書く前に…私は知りませんでした(>_<)

http://arcimboldo2017.jp/

「ジュゼッペ・アルチンボルド(?)《火》《大気》  本作品は所蔵者の都合により、6月24日(土)から公開予定です。」(公式サイト&新チラシ)

これから展覧会をご覧になる方は6月24日以降がお勧めですね。 

ということで、上記2作品は残念なから観られなかったが、展覧会自体は私的興味のツボを押さえてくれ、非常に面白かったのだ。 

Ⅰ)アルチンボルドとミラノ  Ⅱ)ハプスブルグ宮廷  Ⅲ)自然描写  Ⅳ)自然の奇跡  Ⅴ)寄せ絵  Ⅵ)職業絵とカリカチュアの誕生  Ⅶ)上下絵から静物画へ 

特に「アルチンボルドとミラノ」は、ミラノを中心とするロンバルディアのレオナルド由来の自然主義的風土の中のアルチンボルド、「上下絵から静物画」は、アルチンボルドのミラノ帰還によるミラノ写実主義的静物画への影響の大きさ。それはミラノ修業時代の(多分に静物画嗜好の強い)カラヴァッジョにも多大な影響を与えていただろうことを確信させてくれる。 

もちろん、今回のハイライトは「ハプスブルグ宮廷」画家として活躍したアルチンボルドの「綺想」作品を十分に楽しめる内容であるし、その「綺想」の意図する深さと大きさが見えてくるのだ。また、時代と宮廷の嗜好するものも非常に興味深い。新大陸からの珍しい文物が当時のヨーロッパ宮廷に驚きと収集への熱狂を起こしたことも偲ばれた。 

展覧会の詳細な感想は次回にしたいのだが、最後にひとつだけ。図録、特に渡辺晋輔さんの「宮廷の野人」がすこぶる面白い!!

 「アルチンボルド展」図録

仙台に戻ってから参考用に本棚から取り出した図録が3冊ある。もちろん、図録の1冊は去年の「ラヴァッジョ展」だが….

メトロポリタン美術館「Painters of Reality」展図録 

国立西洋美術館「カポディモンテ美術館展」図録 なにせ、ファルネーゼ家だものね♪



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9 コメント

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ありがとう (山科)
2017-06-21 09:20:02
>ジュゼッペ・アルチンボルド(?)《火》《大気》  本作品は所蔵者の都合により、6月24日(土)から公開予定です

重要な情報ありがとうございました。

正直言って「危なかった」「危ねー」
でした。
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山科さん (花耀亭)
2017-06-22 00:17:30
私の失敗(?)がお役に立つようで良かったです(^^)
山科さんのご上京も間近ですね。どうぞ「バベルの塔」と「アルチンボルド」をしっかり楽しんで来てくださいね。(他にもご覧になるのかな??)
ご感想も楽しみにしておりますよ~(^_-)-☆

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夏野菜たちのランウェイ (momo)
2017-06-22 13:10:34
https://www.youtube.com/watch?v=AKQMw7YOHQw&sns=em

お気に召しますかどうか…(^_^;)
私は好きです。(o^^o)
このシリーズ面白過ぎます‼︎
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夏野菜たちのランウェイ【説明】 (momo)
2017-06-22 19:13:49
慌ててたので説明忘れてしまいました(^_^;)
こちらをどうぞ ↓
https://hh.pid.nhk.or.jp/pidh07/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20170323-31-02147
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momoさん (花耀亭)
2017-06-23 02:38:53
貴重な情報をありがとうございました!!
Youtube「夏野菜たちのランウェイ」をめちゃくちゃ楽しく見てしまいました~)^o^(
確かにミラノ出身アルチンボルドの《夏》野菜なんだもの(笑)。このシリーズは本当に面白すぎますね!!
で、なんと展覧会イベントに井上涼さん登場ですよ!♪
http://arcimboldo2017.jp/event/

ちなみに、Lezioneでアルチンボルドを「ピットーレ・ミネラーゼ」と言ってしまい、先生に「ミラネーゼ」と修正されましたです(^^ゞ
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展示替え (むろさん)
2017-06-23 22:57:35
展覧会に行く計画を立てる時にいつも悩まされるのは、展示替えの予定や出品リストがなかなか公表されないことです。旅行を伴う場合は宿や電車の手配が関係するので大変です。先日久し振りに関西へ行き、奈良博の快慶展や大阪市美の木と仏像展を見てきたのですが、この2つは1ヶ月以上前に展示替えの予定が公表されたので助かりました。もっとも個人的な都合で行く日が決まらないという事情があり、結局行けたのは会期末に近い頃でしたが。

展覧会に行くか行かないかという判断を出品作により決めるということもありますが、多くの美術展は開催当日にならないと出品作品リストを公表しないようです。これは直前まで出品交渉をしていて確定できないためという事情があるので仕方ないと思っていますが、行く方の立場としては早く決まらないと予定が立てられないので、なるべく早く公表してほしいと願っているところです。
アルチンボルド展は来週の半ば頃に行く予定です。

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むろさんさん (花耀亭)
2017-06-25 01:06:27
おお、むろさんさんも奈良で「慶派展」をご覧になったのですね!羨ましいです~!!
で、むろさんさんのおっしゃる通り、展覧会を地方(東京も)に見に行く時は展示替え情報が必要になりますよね。「茶の湯展」や「国宝展」なんて4期展示替え(苦笑)。それなら事前に詳細情報を出して!とホント言いたいくらいです。でも、確かに作品交渉の事情もわかるので強くは言えないですよね(^^;
そして、むろさんさんの「アルチンボルド展」ご感想も楽しみにしておりますよ~(^_^)/
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美術史の勉強 (むろさん)
2017-06-26 00:17:23
私は西洋美術に関してはイタリア・ルネサンス、バロック、日本美術に関しては平安後期から鎌倉中期ぐらいまでの彫刻史に興味を持って、鑑賞などの活動をしていますが、西洋美術は独学では無理なので大学院の聴講生として週1回通っています。一方、日本美術は専門書や雑誌論文を日本語でリアルタイムで読めるので、十分独学が可能です。ですから運慶や快慶、及びその周辺仏師のことなどは分かっているつもりです。足りないのは日本史の常識的知識とか貴族や武士、宗教者の人間関係など。例えば快慶周辺作品で快慶の署名がないものを理解するには13世紀初頭の法然教団の実態について知ることが必要といったことです(法然の教えは体制側から危険思想と思われていたので快慶工房は署名しなかった?)。
西洋美術のことはあまりコメントもできないので、皆様の記事やコメントを読んで理解しようと努めているところです。アルチンボルドも一愛好者、素人として見るだけなので、人様に読んでもらうような感想・意見はとても無理です。
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むろさんさん (花耀亭)
2017-06-27 01:41:59
さすがです!!むろさんさんは研究熱心でいらっしゃいますよね。私など不勉強を恥じ入るばかりです(^^ゞ
確かに日本美術は日本語論文が読めるので、西洋美術よりは勉強しやすいかもしれませんね。でも日本史の知識も深堀りしないといけないようですね(・・;)
で、大学院の講義ってどのようなものなのでしょう??雲の上の世界なもので 想像がつかなくて(^^;
私など美術ド素人だからこそ勝手気ままな感想を書けるのであり、むろさんさんのようなアカデミックな研究をされる方たちが滅多に感想を書かれないのも理解できますね。
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