Reflections

時のかけらたち

利休にたずねよ ・・・ Rikyu 

2021-12-18 23:55:21 | movie

1週間が飛ぶように過ぎていく師走。空気も冷たくなってきましたね。最近の地球は風が強いし・・
コロナもこれからどのような展開になるかわからないけれど、コロナの影響を受け続けた2年間です。
コロナで外出ができない日々が続き、心身に大きな影響を与えました。それは学校に通う若い人から
社会人、老人まで。コロナが引き金になって鬱になったという高齢者の話も聞きました。町の店が
どんどん閉店に追い込まれたり・・ そしていま私も都民劇場音楽サークルが無期限停止となったお知らせを
もらいがっかりしています。もともとメンバーが減りつつあり、コロナで海外からの音楽家の
コンサートが開催できず長い休止状態でメンバーがどんどん退会して、再開する力がなくなって
きたとの報告でした。今の状態で海外からの招聘はオミクロン株の流行で再び不安定になりつつ
あります。この鎖国状態はいつまで続くのでしょうか・・・ 世界の一流のアーティストの公演を
東京都の施設(東京文化会館や東京芸術劇場)を使うことで価格を抑えて行ってきて、長年楽しみに
して聴きに行っていました。
旅行もTVでアルハンブラ宮殿やスペインの各地をやっているのを見て、あのアラベスク模様がすごく見たく
なってきました。若いころ行ってみたいと思っていたグラナダへ。

海老蔵のお茶のお点前が美しいと紫苑さんから教えていただいて、図書館から借りていた
DVDをやっと見ることができました。時間があると音楽をかけて、ボビンレースを練習しているので
ほどいたり、進めたりの牛の歩みでやっています。糸のねじれだけで模様がおかしくなってきます。
ちゃんとやらないと進まないのです。やっているうちに景色が見えてくるときはうれしいですね。
楽しいけれどなかなか簡単に行ってくれない修行のような手芸です。自分が試されているようです。

 

監督:田中光敏
原作:山本兼一
【キャスト】
市川海老蔵、中谷美紀、伊勢谷友介、大森南朋、成海璃子、福士誠治、クララ、川野直輝、袴田吉彦、黒谷友香、市川團十郎
檀れい、大谷直子、柄本明、伊武雅刀、中村嘉葎雄
 
海老蔵はさすが歌舞伎の世界の人 和服での立ち振る舞いが決まっていました。 中谷美紀は「仁」の時の役がぴったりでしたが、
この映画ではというか、話し方がちょっと引っ掛かりました。鼻につくというか、演じているのですよね。 最近はドライブ・マイ・カー
の監督濱口竜介(スパイの妻の脚本も共同作成)がインタヴューで本読みに時間をかけて、あとはその場で感じたことを演じてもらうと
語っていたけれど私もそういうリアリズムの演技が好きです。最近それで再発見したのがジェームス・ディーンです。その人の素が出て
いいのです。それがまた魅力になります。
 
 
この映画は実在の利休を描きながら全く別物のフィクションのアナザーストーリーがダブルで進み、それがこの原作なのですが、
そちらは申し訳ないけど、どうでもいいという感じで、とにかく利休というとんでもない人物に興味がわいた映画でした。
あと映像が美しかったです。
 
この映画では本物が使われていたというのがすごいです。

長次郎作 黒楽茶碗 銘「万代屋黒」 利休所持 万代屋宗安伝来 楽美術館蔵
長次郎作 赤楽茶碗 銘「小手巻」
井戸茶碗 銘「春日」 三井家伝来
熊川茶碗 銘「山路」 松浦鎮信伝来
黒茶碗 作 細川護煕
 
ロケ地
重要文化財:大徳寺「金毛閣」 重要文化財:裏千家「今日庵」の露地  
重要文化財:南禅寺「三門」  国宝:彦根城「白沙村荘」  三井寺  神護寺
待庵のセットは三井寺の覚勝院に作られたとのこと。 
滋賀のロケーションガイド
 
料理は京都祇園丸山の丸山嘉桜
秀頼の産湯に使用されたとされる「豊臣家の桶」京都慈受院蔵
花は池坊御家元御用達「花市」
箸は宮内庁御用達「箸膳本店」 香木は「山田松香木店」
 
 
信長と秀吉に近づきながら、美のみに額づいた男、千利休。 
お茶の世界に革新を起こした、戦国時代に武士たちにあれだけ夢中にさせたお茶の世界を
作った人。
 
「一服の茶で生きる喜び」はウィリアム・ブレイクの詩とも共通する言葉でした。
利休という名前は天皇から頂いたものらしいですが、大徳寺の住職が利(鋭さ)を
休めよという意味と語るシーンがありました。美に対する執念がすごく時の権力者を
恐れさせた人物。
 

今まで続いている伝統、茶の世界、能楽の世界 たくさんの日本の芸術に驚きますが、
それをずっと守って続いていることになんというすごさ。お茶だって全然すたれていません。
吉右衛門さんもその重荷を背負って苦労されてきたことを感じるこの頃です。
伝統を守り、新しいものも作りながら時代を進めてきた方々の努力に感謝です。
これからこの素晴らしい文化をどれだけ残せるかも心配ですが、今までこれだけ残ってきたことは
奇跡的だと思います。

 

 

コメント
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