旅行ブログの中休み。
熊野から帰ってからはボーッとしている時が多く、でもベルカントのレッスン、イタリア語が続き、小学校の
クラス会もあり、あっという間に過ぎて行きました。
亡くなった親友のことは心に浮かばない日はなく、また朝やっと元気にしているのがわかった友人のことも思いました。
熊野古道の最後の日に私が転ぶたびに何回も荷物を全部持ってくれて急な坂を下りたので、足が大丈夫か本当に心配しました。
古道にはいくつかまるで登山のような山間部だけのルートがあるのを認識していませんでした。
私は正座ができなくなってしまったので、お茶の稽古は休み、また整形外科に診てもらったら水がすごくたまっているので
3週間は大事にしてと言われてしまいました。
私を大切にしてくれる友人にはなんとお礼を言ったらいいのかわかりません。
6月に名古屋に東京でのコンサートがバッティングしてしまったヒラリー・ハーンを聴きに行ったとき、友人が拾ってくれた
ヨーヨー・マのチラシで知ったコンサートに昨日行ってきました。日本でコンサートをすることを知って、喜んで戻ってから
すぐネットで調べたらアークホールが関東での開催だったので即チケットを押さえました。頭がぼんやりしていたので
あれアークヒルズのサントリーホールのコンサートホール名前が変わったの?みたいに思っていたのですが、なんと所沢
ミューズのアークホールでした。
サントリーホールでのコンサートはあっという間に完売したと思います。いつもチケットが手に入らないヨーヨー・マに
やっと行くことができました。
10月28日
ヨーヨー・マ&キャサリン・ストット デュオリサイタル2023
所沢市民文化センター ミューズ アークホール
プログラム)
ガブリエル・フォーレ:子守歌 作品16
GABRIEL FAURÉ:Berceuse, Op.16
アントニン・ドヴォルザーク:我が母の教えたまいし歌
ANTONÍN DVOŘÁK:Songs My Mother Taught Me
セルジオ・アサド:メニーノ
SÉRGIO ASSAD:Menino
ナディア・ブーランジェ:歌
NADIA BOULANGER:Cantique
ガブリエル・フォーレ:蝶々 作品77
GABRIEL FAURÉ:Papillon, Op.77
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 作品40
DMITRI SHOSTAKOVICH:Sonata for Cello and Piano in D minor, Op.40
Allegro non troppo
Allegro
Largo
Allegro
***休憩 Intermission ***
アルヴォ・ペルト:鏡の中の鏡
ARVO PÄRT:Spiegel im Spiegel
セザール・フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調(チェロ編曲版)
CÉSAR FRANCK:Sonata in A Major for Violin and Piano
Allegretto; Moderato
Allegro
Recitativo – Fantasia
Allegretto poco mosso
アンコール)
エルガー:愛の挨拶
サン・サーンス:白鳥
深い音色・・ 初めて生で聴くヨーヨーマの音は本当に素晴らしいかったです。
フォーレのベルシューズ(子守歌)が始まった時、天上の音楽かと思いました。この音をずっと聴きたかった。
最初から目に涙がたまってしまいました。
ベルカントでも習った「わが母の教え給いし歌」は心に響かないわけにはいかない曲ですが、本当に美しく
ヨーヨー・マは現代のチェロのトップだと思いました。ハウザーは残念なことにクラシックだけのコンサートには
まだ行ったことがなく、Two Cellosではエレクトリック・チェロだったので本当の音色を生で聴いたことが
ありません。
小品を続けてフォーレの「蝶々」が終わり、ショスタコーヴィッチに入る前にヨーヨー・マが日本語で挨拶をしました。
「蝶です。なんて美しい。森英恵さんのシンボル、蝶の嫌いな人はいません。自然、人の営み、音楽、芸術、科学、宇宙…。
私たちはその宇宙から学ぶこともできれば、できないこともあります。それが今日のプログラムです。どうぞ、お楽しみ
ください」
現代の危機感と安らぎが交互に現れるショスタコーヴィッチの後に休憩があり、後半冒頭ではキャサリンが英語で、
アルヴォ・ペルト「鏡の中の鏡」について説明しました。「1978 年に旧ソ連時代の母国エストニアを離れる際に
書いた曲です。それまでの作風を一変させたメディテーション(瞑想)。人生すべてのものは不要で、ただ単純さだけが
存在します。」
アルヴォ・ペルトの曲は最近時間をかけて見たイタリア映画「グレート・ビューティ 追憶のローマ」でも彼の曲が
使われていました。
ペルトの曲はまさにメディテーションでした。もともと音楽は私にとってそれに近いものがあります。
自分が今生きていることを感じる一瞬です。
後半の最後はチェロのコンサートでは必ずといってもいいように弾かれるフランク。
そしてアンコールのなんと軽やかな「愛の挨拶」と静けさが漂う「白鳥」。
二人の行きもぴったりで、キャサリン・ストットもなかなか個性的なピアニストでした。
設備や対応にちょっと都心のホールとは違って満足はいきませんが、ホール自体は規模といい音響といい
すばらしいホールでした。キャサリンもそう話していました。
エルガー「愛の挨拶」(ヨーヨー・マ)
Yo-Yo Ma, Kathryn Stott - The Swan (Saint-Saëns)
Yo-Yo Ma, Kathryn Stott - Over the Rainbow (Official Video)
この日にもらったコンサートのちらしの中に北村朋幹のリスト「巡礼の年」があり、ちょうど当日が一般のチケット売り出し
だったので即予約しました。すでに前の方のいい席はありませんでした。
やっと落ち着いてボビンレースもできるようになりました。
日中の用事のない時は家事も怠って少しずつ進めています。
Oct. 28 2023 Tokorozawa