碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

「世界の村で発見!こんなところに日本人」で見る海外と日本

2013年06月19日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、テレビ朝日「世界の村で発見!こんなところに日本人」について書きました。


「世界の村で発見!こんなところに日本人」
現地に暮らす人たちだからこそ見えてくる
「海外」と「日本」

なぜか最近、タイトルに「日本」の文字が入る番組が目立つ。「YOUは何しに日本へ?」(テレビ東京)、「世界の日本人妻は見た!」(TBS)、「世界ナゼそこに?日本人」(テレビ東京)、そして今回取り上げる「世界の村で発見!こんなところに日本人」(テレビ朝日・金曜夜9時)などだ。

いわゆる海外在留邦人は、永住者と長期滞在を併せると約118万人もいる。単なる旅行者ではなく、現地に暮らす人たちだからこそ見えてくる「海外」と「日本」があるはずで、この番組もそこを狙っているのだ。

先週の放送では女優の伊藤かずえがパラオへ。小さな島に76年前から住んでいるという日本人女性に会いに行った。ただし、出演者は自力で目的の日本人を捜し歩くのがこの番組の特色だ。現地の人たちに話しかけ、移動手段を探し、右往左往するプロセスから、その国の様子が見てくる。

また、ようやく会えた女性が語る半生が壮絶だ。パラオで日本人の両親から生まれたが、戦争で父親が死亡。子供が多かった母親は、日本に帰る際に彼女をパラオに残す。大人になって一度母親を訪ねたが、日本になじめず戻ってきたと言う。

70年近い歳月が流れても戦争の傷痕は消えていない。そのことを私たち日本人は知るべきだろう。バラエティーの形を借りた堂々のドキュメントだ。

(日刊ゲンダイ 2013.06.18)


学生たちのスタジオ収録

2013年06月19日 | 大学

「テレビ制作Ⅰ」の授業は、いよいよスタジオ収録へ。

四字熟語が全体テーマで、このチームが選んだのは「東施效顰」。

中国の故事ですが、「他人の物まねをするおかしさ」を意味します。

スタジオ部分と、これから撮るVTRで構成するのですが、さて、どんな番組になりますか(笑)。